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声劇台本

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まのが書いた声劇台本のまとめです。
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#別れ

【声劇シナリオ】恋をしていた。

内容 登場人物 スタート珠緒 いつか大人になれたら    そのときは綺麗に    さよならをしよう。 ◯拓実宅  ――拓実、リビングで寛ぐ珠緒に話しかける。 拓実 「珠緒、兄ちゃんはこの度結婚することになった」 珠緒 「…………え。結婚?」 拓実 「なんだ? 結婚を知らないみたいな反応して」 珠緒 「いや、知ってるし」 拓実 「じゃあ何だよ」 珠緒 「いや、なんか実感湧かなくて。お兄ちゃんが結婚なんて」 拓実 「なんだよ。お前まで遊びで付き合ってたとか責める気か?」 珠

【声劇シナリオ】事故で父親を失った女の子が結婚して大人になるため、話せる魔法の人形の魔法が解けて消えてしまう別れ話

内容 登場人物 スタート人形:「人形とこどもって似てると思いませんか?」 女:「似てる? まあ、似てなくもないかな」 人形:「似てるんですよ。どうしてだと思います?」 女:「どうしてって、こどもが遊ぶから友達になれるようにじゃない?」 人形:「違いますが、いい本質を見つけましたね。そうです。人形はこどもに似せて作られたのです」 女:「へえ」 人形:「そして、役割は身代わり。生贄です」 女:「生贄?」 人形:「ええ。生贄という文化に財産として価値の高いこどもを用いる話はよく

【声劇シナリオ】死んだ飼い猫を庭の墓に埋めた飼い主と死んでも気ままな猫の落ち着く話

内容 登場人物 スタートA:「中学の頃なんだけどさ。俺、雨の日に告白したんだ」 B:「どうしたの? 急に」 A:「俺、間が悪いんだよ。嫌なタイミングで……ああ……、こんな感じに降ってくる」 B:「あ、雨だ」 A:「まだ振らないかなって思ってたらいつも振り始めちゃうんだよな」 B:「最悪じゃん」 A:「最悪。その時もこんな匂いがしてた。知ってるか? ペトリコールっていうんだよ、この匂い」 B:「まあ、匂いは嫌いじゃないけど」 A:「なんか落ち着く匂いなんだよな」 B:「でも