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浄土宗のお歌の心を味わう「増上寺和讃」

日本の首都東京に位置しながら600年の歴史を持つ念仏道場としての増上寺の今昔や、境内の建造物を賞賛する思いを和讃の形にしたものが「増上寺和讃」です。

増上寺和讃画像

1番
紫金の甍 朱の門 樹々の緑に 色映えて 
首都の空に 聳え立つ これぞその名も 増上寺 
三縁山の 晴れ姿

【最高の金色である紫磨金色、そのような瓦でふかれた大殿の屋根や、朱塗りの三解脱門が樹木の緑色に映えています。日本の首都・東京の空に聳え立つ浄土宗の大本山。その名も三縁山増上寺と称します。美しく荘麗な姿です。】

2番
開創ここに 六百年 栄枯の歴史 刻みつつ 
黒本尊の ご利益を 今に伝えて 人の世の 
倖せ守る 法の城

【増上寺が開かれてから600年が経ちました。その間には栄えたり衰えたりの歴史が刻まれています。大殿の隣に建ちます安国殿のご本尊は、「黒本尊」と称される阿弥陀如来です。徳川家康公が三河岡崎の時から深く崇拝され、そのご加護により度重なる災難を除け、戦の勝利を得たことから、勝運・厄除けの仏様として人々にも尊崇されています。増上寺はそのご利益を現代に伝えて世の人々の幸福を守るところ、言い換えれば「人々を守る仏法の城(堅固な建物)」です。】

3番
江戸の名残の 大梵鐘 一期一会と 響くなか 
如来の大悲 ありがたや 都民の広場 芝園に 
称名の声 花と咲く

【江戸時代の延宝元年(1673)に鋳造された大梵鐘は、一生に一度会うように大事に撞かれます。その響きは阿弥陀如来の大慈悲を蒙るようで有難いことです。増上寺周辺の芝公園には称名念仏の声が花咲くように盛り上がっています。】

4番
葵のご紋 輝きて 文化の香り いや高く 
関東一の 大伽藍 久遠の光 仰ぎみて 
おろがむ日々の 安らかさ

【増上寺の寺紋は「三つ葉葵」です。徳川家の菩提寺として賜りました。その紋は今も輝いています。三解脱門・大蔵経など数多くの文化財を大切に保存し、教学、布教、雅楽、詠唱の活動も活発で、文化の香りいよいよ高いお寺です。増上寺は関東一建物の大きい寺院です。永遠の光である阿弥陀様の御光を仰ぎ見て、阿弥陀様を礼拝する毎日は心安らかなものです。】

(各お歌の解説は浄土宗総本山知恩院が発行する『知恩』に連載されている浄土宗詠唱教導司の加藤良光先生の「詠唱をあなたに」の2021年4月号の解説を参考にさせていただきました。)

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東京都港区にある増上寺は浄土宗の大本山のひとつであり、正式名を三縁山広度院増上寺と称します。

徳川将軍家との深いゆかりを持つ増上寺は、江戸時代、日本有数の大寺院へと発展しました。 室町時代には、浄土宗の伝法制度を確立した了誉聖冏(りょうよしょうげい)上人(浄土宗第七祖)、増上寺の開山である酉誉聖聰(ゆうよしょうそう)上人(同第八祖)へとその法脈は伝えられていきます。

詳しいお寺の情報は増上寺HPをご覧ください。

都会のど真ん中、東京タワーのすぐ目の前の大伽藍はいつお参りしても心が落ち着きます。そんな立派なお寺へお参りし、増上寺を讃える「増上寺和讃」をおとなえしてみませんか?

写和讃もどうぞ


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