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若者の市販薬乱用、依存、オーバードーズ問題から思うこと

若者の市販薬乱用、オーバードーズが社会問題に

薬物依存といえば、かつては覚醒剤や違法ドラッグ、睡眠薬などが思い浮かぶかもしれませんが、最近の若者にとってはそれだけではありません。

市販薬のかぜ薬やせき止めなどの過剰摂取「オーバードーズ」は、一時的に精神的苦痛を和らげるとの情報がSNSなどで広まり、服用をやめられない若者が急増しております。こうしたことから市販薬の過剰摂取の問題は、テレビやインターネットのニュースで報じられる機会が多くなってきました。

市販薬へのアクセスが手軽になったが、、

セルフメディケーションが推進されるとともにドラッグストア等の量販店やインターネット販売などで手軽に入手できるようになった市販薬ですが、使い方を誤ると危険な依存をもたらしたり中毒で死に至ることがあります。

こうした現状より、いくつかの成分が濫用等のおそれのある医薬品として規制(原則一人1包装の販売など)されておりますが、規制されていない成分も存在します。

市販薬を販売する現場では

市販薬の販売に関わる私としては、市販薬の販売時は一人一人の来局者とのコミュニケーションを大事にしております。それは来局者の症状にピッタリ合った薬を選ぶため、また持病などがある方には選んではいけない薬を選ばないようにするためです。こうした日頃からのお客様に寄り添った声かけは、乱用を防ぐことにも効果的だと私は考えています。

しかし市販薬の販売時に積極的に声をかける薬剤師や医薬品登録販売者が勤務する薬局がある一方で、さらっとレジで購入できる薬局があったり、会話をすることなくインターネットでも購入ができるため、乱用を目的とした購入をブロックすることは現状では難しいと考えています。また若者を中心になぜ市販薬を乱用してしまうのか、背景を理解する必要があります。

市販薬乱用・依存患者には、10代の若者も多い

市販薬乱用・依存患者には、10代の若者も多いといわれています。市販薬の乱用者全員が快楽を得るために服用を繰り返しているわけではないということを理解する必要があります。悲しい出来事や深刻な悩みがあっても周辺に相談する人がいないなど様々な理由で、一次的な逃げ場を求めて違法ドラッグも含めて市販薬に手を出してしまう人がいます。それぞれの事情を知り、患者さまに寄り添った対応を行うのが大切だと思っています。場合によっては、依存症の専門病院などへつなぐことも必要でしょう。

薬剤師や医薬品登録販売者がゲートキーパーに

私ができることとしては、販売者側となる薬剤師や医薬品登録販売者の知識向上を目的として、中毒患者の現状や対策、成分、中毒量などを情報提供していきたいと思います。学ぶことで、現場での緊張感をもった対応、そして背景を理解した寄り添った対応につながればと考えております。

また一般の方にダイレクトに薬についての教育、いわゆる薬育を小学生から大人まで取り組んでいけたら良いなと思っております。

市販薬に関わる薬剤師として、この問題の解決に向けて自分なりに考えてコツコツと活動していきたいと思います。最後までお読みいただきありがとうございました。

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