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BOBOSの洗練されたライフスタイル

BOBOSという新しい階級

ご存知の方も多いかもしれませんが、橘玲氏の著書『幸福の「資本」論』では"BOBOS"というアメリカの新しい上流階級について触れられています(※1)。

これは「ブルジョア(Bourgeois)」と「ボヘミアン(Bohemians)」を組み合わせた造語のようです。

ブルジョアは一般的には資本家階級のことを指します。

ボヘミアンとは、もともとはボヘミア住民のように定住地を持たないジプシーのような人々のことですが、転じて世間の慣習を意に介さず自分の価値観に基づいて行動する人達のことを意味する言葉として用いられてます。

つまりBOBOSとは、経済的にはそれなりに裕福でありながら、世間の常識やしがらみにとらわれず、自らの価値観を重視するような生き方をしている人々だと言えます。

このような生き方は、昨今(一部界隈では)話題のFIRE(Financial Independence, Retire Early)と共通点が多いように思います。

FIREとは普段から質素倹約に努めて資産を形成し、早い段階で経済的自由を達成してリタイアすることを言いますが、経済的に自立した上で世間一般の価値観にとらわれないライフスタイルを送っているという点で、BOBOSの生き方とよく似ています。

BOBOSの特徴

BOBOSのライフスタイルの具体的な特徴としては

ブルジョワ的な華美な暮らしを軽蔑し、かといって偏ったエコロジーに走るわけでもなく、最先端のハイテク技術を使って、自然の中で暮らす
ボボズはお金があっても、カジュアルでいることを好みます。アルマーニを着て三ッ星レストランに行くよりも、ユニクロを着て近所のビストロに行って夫婦でおいしいワイン飲もうとか、豪華クルーズよりも子どもたちと山に登って自然に触れるほうがぜいたくだよね、という価値観です
 テレビをあまり観ないのも特徴です。アメリカでは、フットボールのシーズン優勝決定戦「スーパーボウル」がすごい視聴率で、熱狂的な騒ぎになりますが、ボボズはそういうものには興味がない。ビールを飲んで盛り上がるより、ワイングラス片手に知的な仲間と語り合う時間を大事にします

といったことが挙げられています。

ハイテク技術を使いこなし、日常生活の効率・仕事における生産性を極限まで高め、余りある余暇を思い思いに過ごす。

世間一般の価値観に惑わされてむやみに浪費したりせず、本当に価値があると思うものに時間やお金を使う。

BOBOSと呼ばれる人達のライフスタイルは、自分が何に価値を感じるかということをよく理解しており、それを体現しているという意味で、合理的で洗練されたハイセンスな生き方だと思います。

BOBOSのようなライフスタイルを目指す

今回このことについて書いたのは、BOBOSのライフスタイルが自分の目指す生き方にとても近いと思ったからです。

しかし

努力して「フリーなスペシャリスト」の立場を勝ち取った人が、ボボズというクールな生き方を実現しているのです

とあるように、このようなライフスタイルを実現するには、ある程度の金融資本、人的資本が必要になってきます。

そこで、それを達成するための戦略として考えられるのが、金融資本を稼ぎつつ、同時に人的資本も積み重なっていくような仕事を選択的にしていく、ということです。

具体的には、収益の出やすい構造を持つ業界に身を置き、かつ業務内容がそれなりに楽しいと思えるような仕事をしていく、ということではないかと思います。

この
・収益性の高い業界である
・コア業務をそれなりに楽しいと思える

という2軸で仕事を選ぶということの大切さは、個人的に最近とても感じていることです。

多少金融資本が得られるとはいっても、人的資本を構成する自己実現という要素が欠けていると、結局は仕事は長続きしないのではないかということを最近になって思います。

逆にマーケット感覚を欠き、"楽しい"を突き詰めていくという発想だけでは市場の需要とのミスマッチが生じやすく、働けど暮らしは楽にならざりけりというような状況に追い込まれやすいと思います(※2)。

BOBOSのようなライフスタイルを実現するため、まずはこの2つの資本を同時に伸ばしていけるような仕事を探していきたいと思います。


※1:

※2:


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