根拠のない自信

自信は実力があることの証?

根拠なんて無くても良いから、とにかく自信を持てと言われたことのある人は多いのではないでしょうか。

就職活動なんかでも、自信を持って面接に臨みなさいと指導されることが多いようです。事実、採用する企業側も自信にあふれる就活生を求めているのだと思います。

それはやはり「自信がある=能力がある」と多くの人がみなしている、ということなのでしょう。

最も自信家なのは

ダニング・クルーガー効果というものがあります。これは心理学の用語で、能力の低い人ほど自分の能力を過信しやすいという傾向を指摘したものです。

経験・力量を横軸に、自信を縦軸にしてプロットすると以下のようなグラフになるとされています。

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このグラフをみると、最も自信を持っているのは全くの初心者(無学者)だということがわかります。

井の中の蛙、大海を知らずとはよく言ったものです。一度広い海に出れば、上には上がいることを知り、おのずと謙虚になっていくということをこのグラフは示しています。

過剰な自信家の正体はその道の真のエキスパートか、それともただの無能か。

たいていの場合は後者だということでしょう。

真の実力者は無駄に自分の力量をアピールしようとはしないものです。根拠のない過剰な自信は自分が無能であることの裏返し、言い換えれば根拠がないからこその自信だとも言えるかもしれません。

また現状を客観的に把握する力、メタ認知能力が低いために認知バイアスが生じ、自分の力量を相対的に高く見積もってしまっているというケースもあるでしょう。

自信とは自然とにじみ出るもの

根拠がなくても良いから自信を持て。そんな風に吹聴する輩は思いのほか多く存在します。

しかしそんな何の裏打ちもないお仕着せの自信を持っていたところで、それなりの実力者と相対せば砂上の楼閣のようにすぐに崩れ落ちてしまうことでしょう。

容易に瓦解することのない本当の自信を持ちたいと思うなら、必要なのはやはり地道に積み上げた実力・確かな実績だと思います。

やたら自信があるようにみえるいわゆる意識高い系が煙たがられるのも、過剰な自信の裏にある空虚さが周囲に見透かされてしまっているからかもしれません。

ハッタリをかますためにも自信満々でいることが大事なんだ。まぁそういう考え方を否定はしませんが、自信とは周りにアピールするものではなく、自然とにじみ出るものだと私は思います。

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