見出し画像

盃つまんで Vol.67

六十三年ぶりの同級会(1)

長野県の学校教師だった父は何度も県内転任があり、家族も引っ越しを繰返して、私も転校が続いた。それゆえ小中学の同級会はどこからも案内が来たことはなく、私は少しだけ在校して、その後行方がわからない人だった。 
 その私に、二年生で転校入学した東筑摩郡麻績村、筑北中学の昭和三十六年卒業生同級会の案内が来た。少し前に再会していた級友の小川原君が手配してくれたのだ。会場は「シェーンガルデンおみ」という村営宿泊施設で、泊まりで参加できるとある。会費八〇〇〇円、宿泊費五〇〇〇円。これは行かなければ。

ここから先は

1,711字
好評の「コラム」「フォト日記」に「太田図書館」「お便り交歓室」を加えた、太田さんの魅力たっぷりの品揃えです。 お通しの料金で、皆さまのお越しをお待ちしております。

全国の居酒屋をめぐり、数多の著作を世に問うてきた 居酒屋探訪家・太田和彦のオンラインマガジン。 毎月2回更新される「コラム」「フォト日記」…