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太田酒俱楽部オンラインマガジン

全国の居酒屋をめぐり、数多の著作を世に問うてきた 居酒屋探訪家・太田和彦のオンラインマガジン。 毎月2回更新される「コラム」「フォト日記」「太田図書館」「お便り交歓室」など多彩な… もっと読む
好評の「コラム」「フォト日記」に「太田図書館」「お便り交歓室」を加えた、太田さんの魅力たっぷりの品… もっと詳しく
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2021年10月の記事一覧

お便り交歓室 Vol.05

Offショット動画⑥ ロケ日和  いつもの小さな旅

  家呑みロケのスタジオからちょっと散歩にお出かけ。   大田流小さな旅の楽しみ方です。

盃つまんで Vol.15

墨田区にある「たばこと塩の博物館」に「杉浦非水 時代をひらくデザイン」展を見に行った。ここには何度か来たことがあり、最寄り駅の地下鉄浅草線・本所吾妻橋から一〇分ほど歩く道筋は覚えている。  初秋の晴れ渡った空。まだ半袖でいいやと伸ばした裸の腕に秋風が気持ちよく、振り仰ぐ東京スカイツリーが高い。  杉浦非水(1876~1965)は日本最初のグラフィックデザイナー。2000年、東京国立近代美術館で開かれた、おそらく初めての大回顧展を見て、その全貌に圧倒された。

フォト日記 Vol.15

※vol. 01 ~ vol. 05 までは無料で公開中

太田図書館 #5

日本の居酒屋――その県民性 / 朝日新書 836円 居酒屋から見た、各県の県民性を書いた一冊。  連載や番組で日本中を歩き、居酒屋にはその土地の風土、歴史、産物、文化のすべてが表われていた。それも東北、関西、九州、程度の地方色ではなく、同じ東北でも青森、岩手、秋田、山形など、一県変われば、言葉も気風も、話題も酒の飲み方も変わる。その地の古い居酒屋ほど、くっきりと県民性が表われる所はないと知った。 -------

盃つまんで Vol.14

九月二十一日、十五夜、仲秋の名月はほんとうにきれいだった。夜に仕事を終えて出た道の東は下り坂で、遠い高層ビルの上、雲が全くない夜空に、ややピントの合わない目にも、兎の餅つきがわかる。  歩き始めた帰り道の南は崖地になってぐっと下がり、遠く五反田の高層ビルの灯が、真っ暗な空を背にいくつも見え、その高くにぽっかりと満月が浮かぶのはいかにも都会の秋だ。暗がりに立って飽かず眺めた。

フォト日記 Vol.14

最近、夜の撮影の面白さに気づいた。フラッシュをたかないのがポイントで、今のデジタルカメラの性能はすごく、肉眼よりも明るく写る。手持ちの長時間露光ゆえ、どうしてもぶれるが、それが味になる。