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我が家のワークステーション

2019 年に [PRESS] で掲載していたものを再編集しました。

https://pressblog.me

マルチタスクに対応する安価なワークステーション

僕は趣味が多い方だと思います。一眼レフで写真を撮って加工してプリントしたり、ポスターを作ったり、図面を書いたりもします。ビデオカメラは学生の頃からずっと触っていて動画編集までやりますし、最近はドローンを使った空撮、アクションカムを使った水中撮影もやっています。ゲームもやります。自動化のためのコーディングも好きです。

mac も憧れるのですが、既製品は多趣味な僕がマルチスレッドでガンガン動かせるような PC は大抵高額です。そのため、大学 2 回生のときに自作した PC を拡張して使ってきました。

初めて組んだ PC: ABIT 533

僕が初めて PC を組んだ頃は、DDR SD-RAM と Direct RDRAM の二種類のメモリーが覇権争いをしていて、デザインの秀逸さから、以下の記事で紹介されている Pentium 4 のパッケージを購入して、敗者になる方のメモリーを採用しました。

マザーボードは ABIT 製でした。もう手元に残っていないので、間違っているかも知れませんが以下の記事に掲載されているシステムバスが 533MHz のマザーボードだったと思います。

2 世代目: ASUS P4P800 Deluxe

128MB だとメモリーが足りなくて、でも、RIMM メモリーは高過ぎて買えなくて、悩んだ末に DDR2 のメモリーが搭載できるマザーボードに買い換えました。CPU は Prescot 版 Pentium 4 だった記憶があります。

3 世代目: GIGABYTE GA-X48-DS5

その後、ベースクロック 1,600MHz までサポートする x48 のマザーボードに乗り換えました。
CPU は当初、Core 2 Duo を購入し、値崩れした xeon x3350 を載せ替えて使っていました。xeon x3350 は、intel Core2Quad時代に業務用に作られた 4コアのCPU です。Core 2 Quad Q9450 と同じダイを使っていて、x3350 の方が少し安かったか、Q9450 が入手できなかったかどちらかで x3350 を使っていました。

グラフィックボードは ASUS の GeForce を2 個ほど利用したのち、この動画編集に特化した Quadro に落ち着きました。After Effects がリアルタイム再生できたためです。でもエンコードになると途端に遅くなり、フルハイビジョンの動画を仕上げるのに 丸 1 日とか平気でかかっていたので、買い換えたいと思っていました。

最終構成は以下の通りです。

  • マザーボード: GIGABYTE GA-X48-DS5

  • CPU: intel xeon x3350 2.66Ghz ※1.

  • メモリー: UMAX Pulsar DDR2-800 2GB ×4

  • グラフィックボード: ELSA NVIDIA Quadro FX 4600

4 世代目: ASRock X99 Extreme4

2016 年に買い替えました。自身の PC としては 4 回目で、友人や親戚の PC も含めると 10 台ほど組みましたが、今回も Intel を選択しました。

撮影日:2016年3月20日
  • マザーボード: ASRock X99 Extreme4

  • CPU: intel xeon E5-2648L v3 ES

マザーボードの剪定基準は拡張性の高さでした。H87 や Z87 と違い、X99 は業務用の xeon CPU を搭載することができました。メモリーも DD4 でクアッドチャンネルに対応し、選択する CPU によっては最大で 256GB まで増設できるところも魅力的でした。

まずは、24 スレッドの CPU を搭載

最初、ヤフオクで xeon E5-2648L v3 ES という中古の CPU を購入しました。

Xeon
まず Xeon(ジーオン と読みます)とは、インテル社がコンシューマー向けに展開している ラインアップ(Core i9 とか、Core i7)とは異なり、主にサーバーやワークステーションといった業務用途を想定して開発されたモデルです。

E5-2648
Xeon は 3000系、5000系というラインアップで展開されていましたが、2011年にハイエンドの E7 と、エントリーモデルの E3 の 2系統がリリースされて、2012年春には E5系が登場しました。僕が購入したのは、2014年3Q にリリースされた 2600系の CPU です。

L モデル
Lモデルは、CPUのクロック数を落として省電力化したモデルです。
例えば、E5-2650 v3 だと、クロック数 2.3 ~ 3.0Ghz で動作し、最大消費電力が 105W なのですが、これの Lモデルはクロック数 1.8 ~ 2.5Ghz で動作し、最大消費電力が 65W と半分近くまで抑えられています。

E5-2648L v3 は クロック数 1.8 ~ 2.5Ghz で動作し、消費電力は 75W でした。エンコードしていても CPU周辺の温度は30°を超えることはなく、非常に安定して動作していました。

ES モデル
市場小売り価格は $1544.00 が設定されており、もし当時 店頭で売られていたとすると 15~18万ぐらいだったのではないでしょうか。特に僕が購入したモデルは、ES(エンジニアリング サンプル)モデルといって市販されません。NDA(機密保持契約) を結んだ 限られたベンダーやメーカーに配布される試作版の CPU で、テストに利用されます。大きな声では言えませんが、、、これを販売するとルール違反なのだそうです。そのため、一般に流通するものではないです。

デメリットも数多くあります。
まず、正規品のように正常に動作するとは限りません。マザーボードと相性が合わなければ再起動を繰り返したり、故障の原因になることもあるそうです。
また試験時に高負荷をかけられている可能性が高く、ダイが損傷しているケースもあるでしょう💀それに、正規品より周波数が低く設定されていることが多いです。僕が購入したものは、1.4 ~ 1.6Ghz あたりで動作していました。

ただ、正規品と比べると破格で取引されています。僕は 2016年3月に 送料、手数料込みで ¥25,800 で入手しました。

ハイリスクな購入

ESモデルの購入はギャンブルだと思います。
そのため、僕の経験談は参考情報として捉えていただきたいのですが、問題なく動作したのでコスト以上のハイパフォーマンスが出たので当たりを引いたと思います。

Hyper-V で仮想マシンを止めることなく、After Effects でレンダリングしながら、Vegas Pro で編集し、裏では素材のダウンロードを行いしかも電気代がお得という最高の環境が相場の半額で手に入りました。

intel Core i7 5930K

ES モデルを 2 年使った後、2018 年 6 月に コンシューマー用 CPU「intel Core i7 5930K」に交換しました。

CPU はマザーボードやメモリのクロック数(周波数)よりも高速で動作するので、処理待ちが発生します。インテル社はこの待ち時間を有効活用して二往復させる「ハイパー・スレッディング」という技術を持っています。
ハイパー・スレッディングは、Pentium4 という CPU で初めて採用されましたが、その後、僕が購入した x3350 はハイパー・スレッディングがついておらず、物理 4個分の処理しか出来ませんでした。

買い替えた xeon E5-2648L v3 ES は、その物理コアが x3350 の3倍の 12個ついており、ハイパー・スレッディングも使えるので 24個(論理)で動作します。

xeon E5-2648L v3 で VegasPro を動かしたとき

上は、動画編集ソフト「Sony Vegas Pro 13」で動画をエンコードしたときの CPU使用率です。マルチスレッドに対応していて、24コアすべてをフル活用してエンコードしてくれていたので、動画作品が劇的に早く仕上がるようになりました。

でも、After Effects は旧バージョンの CS6 を使っているので 24コアすべてを使い切ってくれませんでした。

コアが多い方が早く処理ができるのか?コアごとのクロック数が高い方が早く処理ができるのか?動かすソフト側にも左右されるので、実際に動かしてみないと分からないものだと感じました。

そこで、値段が落ち着いてきた Core i7 5930K を購入して載せ替えしてみました。コア数は 6コア 12スレッドで、頭数で言うと半分になりましたが、3.5 ~ 3.7GHz で動作しますので、After Effects は高速になる想定でした。

グラフィックボードも nVidia GeForce GTX 1050 Ti に交換しているので、一辺倒には言えませんが、やはり After Effects のレンダリングが更に早くなったように感じています。

今リリースされている最新で最強のコンシューマー用 CPU は Core i9-9980XE です。

18コア搭載していて、36スレッドで動作します。

最大クロックは 4.4Ghzに達しますので、カタログスペックでは 3.5倍以上の性能差があります。しかし、10分の1のコストでこれだけ高速な CPU が利用できるなら大満足です。

ワークステーションの夢

今後、4K 編集が主流になり 3D をメインにした動画を常に編集するような状況になればスペック不足を感じるかも知れませんが、まだまだ CPU もグラフィックボードものびしろがあるので、フルチェンジはしないと思います。

僕が次に PC を組むならこれかな。と言うモデルを考えてみました。

  • マザーボード:intel S2600CW2 ¥75,000

  • CPU:E5-2699v3 ×2個(36コア/72スレッド×2) ¥1,118,878

  • メモリ:Kingston DDR4-17000 ECC 32GB ×16枚 ¥587,504

  • グラフィックボード:nVidia Quadro M6000 ×4枚 ¥2,547,600

  • RAIDボード:ADAPTEC RAID7805 ¥83,800

  • SSD:SSD Plus 240 ×4個(RAID0) ¥33,472

  • HDD:OSO3361 4TB SATA600 ×2個(RAID1) ¥34,272

総額 ¥4,480,526

もっと稼がないと無理ですね。夢のまた夢でございました。。苦笑


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