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秘密結社はいつだって中2心をくすぐる

モーニング(講談社)で絶賛連載中の注目作が今回ご紹介する「ダーウィンクラブ」です。

貧困。人種。環境。資源。教育……。格差が広がる世界で、次々狙われるGAFA的富裕企業。世界を動かす企業を襲うのは——?世界を脅かすクライムサスペンス、開幕!

(公式ウェブサイトより引用)

あらすじを読んで頂くと分かるように、格差から生まれるテロリズムと陰謀がテーマの主軸に据えられている作品です。物語の冒頭、「CEOと一般従業員の年収格差が千倍以上の世界的な企業に対し、このさを200倍未満にしてもらう」そんな要求をテロリストがターゲット企業各社に突きつけます。要求を受け入れない会社に対しては爆破などの制裁が課せられてしまいます。

そして、この漫画の魅力はある人物たちのセリフにあるのです。

ヒトの願望や努力のなんと儚いことよ。地質年代の全てをかけた作品に比べヒトがその一生で作り出すもののなんと貧弱なことか・・・。

「ダーウィンクラブ」第1巻 朱戸アオより引用

ヒトはその歴史の99.9%を狩猟採集民として過ごしてきた。我々が農耕を始めてからまだ1万年 産業革命からは260年 ヒトが成熟するまで20年 1万年ではたった500世代260年では13世代しかサイクルできない。変わるなんて不可能だ。人間の魂はまだサバンナと共にある。進化の足りない獣は改良しなければ。

「ダーウィンクラブ」第1巻 朱戸アオより引用

A)以前パタゴニアに行きましてね。
B)グアナコはご覧になりましたか?非常に興味深い動物ですよ
A)極めて用心深いそうですね
B)でも1頭あるいは数頭だけでいる時はとても好奇心旺盛

「ダーウィンクラブ」第1巻 朱戸アオより引用

これらのセリフはある秘密結社に所属する人間たちが語る言葉です。互いが仲間であることを相互確認する意味もあるようですが、自分の中の"中2心"をくすぐるセリフではないですか?この組織はとてもとても大きく政財界、警察組織にまでネットワークを広げて人々を監視しています。浦沢直樹原作の「20世紀少年」では友民党が存在しましたが、ダーウィンクラブも最凶最悪の秘密結社ではないだろうか。格差是正は何のために?組織の目的とは何か?謎だらけで気になることが多すぎる。気になって夜も眠れない。。。


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