苦手な人との付き合いの中で得られるものもある

私が今、同じ職場で働いている同僚の保健師・Sさんはちょっと癖がある人だ。

○自虐や批判などネガティブな発言が多い
●嫌いな人に対しては、刺々しい言動を辞さない
○自分の悪いところ(短気とか、失言が多いとか)を「自分はそういう人なんで」と言い、変えるつもりは全くない
とかとか・・・

自分のやる仕事への責任感は強くて、
支援や記録というのはきっちりしている。
親しい人には優しい気遣いもある。

現在、私が攻撃対象になっているわけでもないから、
四六時中しんどいということはない。
でも、保健師の係員はその人と自分の2人しかいないので、
自分が疲れている時にはその人のそういった言動に対する
精神的ストレスも小さくない。

ただ、そういう苦手な人とのお付き合いの中で、
得られた気づきがあった。

Sさん上記のような特徴があるから
苦手だなぁとか、怖いなぁと思っている人は少なくない。

実際、Sさんが今の職場に異動になるとわかった時には、
上司の保健師たちからは心配され、何かあれば相談をと声をかけられた。
Sさんを知る保健師と研修等で顔を合わせた際には、
Sさんはどうしているのか?Sさんとうまくやれているのか?
とかなりの高確率でやはり気遣われて(?)いる。

私はSさんとは異なるというか、
組織における振る舞いという意味では真逆のタイプ。

どこで働いている時にも「ムードメーカー」と称される。
職場や周囲の人間にはなるべくニコニコと穏やかに接したいと思っているし、
実際にそうしている。
自分がギスギスした場所に身を置くことが苦手ということもあるが、
そうやってニコニコと楽しい雰囲気を纏いながら過ごすことに、
苦がない。それこそ呼吸をするように普通にやれる。

「ムードメーカー」と言われることは、
褒めてもらっていることだし、嫌な気持ちになることはなかった。
でも、なんか自分としては、
ただ、ヘラヘラしているってだけで、
何も大したことはしていないよなぁと、
さして評価されることでもないなぁくらいに思っていた。

Sさんは、
そういったことー職場の雰囲気をよくする振る舞いをするーが
とんとできない。

そのことを目の当たりにして
そうか、これが自然にさらりと出来るのは私の「強み」なのかと
実感ができた。

自分のいいところ、特徴って
自分のことだけを考えていても見えてこない。

他者との関わりをもち、
比較したりする中で浮かび上がってくるものなのかも。

似ている人や心地いい人と付き合うことの方が楽。
ストレスの発生する人間関係は疲れる。
でも、そうやって自分と全然違う考えの人や、
ちょっと苦手が行動をする人との間に
揉まれてこそ見つけられるものもあるのかもしれない。

嫌いな人とも仲良く付き合え!とまでは言わない。
全力で逃げた方がいいという相手もいる。
自分が傷付かない、心削られないように人付き合いをすることは大切にして良い。

ただ、好きな人とだけ付き合っていけるわけでもない。
時に苦手な人ともそれなりに関係を築かないといけない時もある。

嫌いな人、苦手な人との付き合いだからこそ、得られるものがあるかもしれない。
それを心に留めておくだけでも、少し楽になるかもしれない。