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【ドラマ感想】持続可能な恋ですか?

最終回も素敵な言葉が散りばめられていました。

「言葉」の意味

年も、生きてきた環境も違うし、
これからお互い理解できないことも出てくるだろう。
言葉を尽くしていくしかない。
辞書で「言葉」というものの意味を引くと、
「出来事や考え、気持ちなどを伝え合うた目に使うもの」と説明してある。
杏花が赤ちゃんだったころ
「パパ」「ママ」「だっこ」「おいしい」「好き」「やだ」「ぞうさん 大きいね」ってな、
一つ一つ言葉を覚えていくたんびに、心が震えた。
ああそうだ、言葉っていうのは誰かに気持ちを伝えるためにあるもんだって、
一生懸命、お父さんに話す杏花が教えてくれたんだ。
気持ちを伝えたい相手がいるということは、幸せなことだ。

9話で、林太郎さんが恩師に
「言葉は書物の中だけではなく、人と人の営みの中で生きているもの」
と言われているシーンがありました。
実際に、林太郎さんは陽子さんと結婚し、杏花を育てる中で、
言葉の意味というのも理解していったのだなぁということが伝わってきた。

相手のこと、分からなかったりすることが出てきても、
理解ができるか、してもらえるか分からなくても、
言葉を尽くすしか方法がない。
それは大変なことかもしれないけど、
気持ちを、知ってほしい思える人、知りたいと思える人がいることは
それ、そのものが幸せなのかもしれませんね。

晴太のプロポーズ

「お父さんになってもらえませんか?
お母さんにならなくてもいいです。
お父さんが二人いても、僕がお母さんになる時もあって、
どっちでもない、新しい家族でもいいです。
大体、今の気持ちが10年、20年、30年、永遠に続くって信じて、
こういうとこで誓うって、冷静に考えたらもむちゃくちゃな話で、
結婚すること自体、普通じゃないって思うんですよ。
上手く言えなないんですけど。」

「はい、何言っているかちょっと分かりません。
分からないけど、分かりたいです。
誰よりも晴太さんのこと。
晴太さんの話、聞きたいです。」

「じゃあ、聞いてください。
普通じゃないくらい、杏花さんが好きです。」

このやりとり、プロポーズ、素敵でしたね。
言葉そのものっていうよりも、
これまでのストーリーの中で、二人が変化して、
見つけた答えという感じがして、よかった。

お父さん・お母さんになることにこだわらず、
それぞれの家族が自分達に合った家族の形をつくること。
気持ちが永遠に続くことはなくても、
全てを分かり合えることはできないと知りながらも、
変化をしながら、分かり合いたいと思いながら、
一緒に生きること。

普通ではない
二人の見つけた答えが
スッと飲み込めるような、そんな感じがした。

結婚式バーン乗り込んで、
いきなりあんな喋り出すのは、
ちょっとありえへんぞ!って一瞬思った。

でも、そういう、ちょっと現実離れした展開を
ドラマならではのものとして楽しめる方がええなと。
何より、登場人物たちの感情の変化には
しっかり共感をできる素敵なストーリーだったので、
これはこれでありだなと思いなおす。

結婚とは

けっこん【結婚】
愛し合う他人同士が分り合いたいと願い、
共に年を重ね、互いの変化を慈しみ、
それでもなお、分かり合えないことを知る営み。
古来、人類が繰り返してきた、永遠に続く愛情へのむちゃな挑戦。

ドラマの最後に、
林太郎さんが「結婚」につけた語釈。
最後の一文が素敵ですね。

自分らしい生き方

ヨガには自分らしさは実は他人がつくるものだという考え方があります。
自然や時の流れに身を委ね、人に優しく、自分に優しく暮らしていると、
振り返ると、自分らしい道みたいなものができてるんじゃないかって。

1年後。
晴太はカレー屋さんをしており、
杏花はそのカレー屋さんで、ヨガ講師をしているという様子を描いてました。
その展開にはちょっと急すぎない?!驚きました。

でも、そうか、晴太はプロポーズをした時に「生きた」んだなぁと、解釈。

晴太の長所である、今を楽しむことができるところと、
杏花の長所である、目標を持ちながら頑張れるところ、
そういうのがちょっとずつ影響し合い、変化しながら、
二人らしい生き方をしている様子が
とっても素敵でした。

まとめ

最終回まで、試聴して、
本当に丁寧なつくりのドラマだなぁって思いました。

初回に出てきた離婚届の謎を回収したり。
別の回で出てきた言葉を、また別の登場人物がアレンジして使っていたり。
ちゃんと、言葉や出来事に意味があることがわかる。

登場人物たち、みんなそれぞれ優しくて、
変に意地悪したりすることがないのもいい。

颯くんとか、すっごいすっごいいい男でしたよね!
振られた時も、
杏花の颯を泣かせたくないという言葉を聞いて、
泣かなかったんだろうなぁって思うと、
こっちが颯の代わりに泣けてきたり。

虹朗くんもとてもいい子ですよね。
お父さんがお父さんぽくなくても。
どっちでもいいよって話たり。
両親の家を行き来しながら生活しているのを、
普通に楽しんで受け入れている感じが。
離婚後も、両親(晴太と杏奈)が「虹朗くんの親」として
誠実に生きていたことが伝わるし、
それを真っ直ぐに受け取って、すくすく育っている。

こういう家族の形も素敵だと思わせてくれる描き方が
このドラマの良さの一つと改めて思う。

誰かが意地悪したり、
変に仕掛けなくても、
「普通」の毎日の中でも色々なことは起こるし、
感情は動く。
普通の日々は、実は、ドラマティック。

普通の日々の中にあるドラマを
丁寧に掬い上げて、
少しだけ分かりやすい表現にしている。
そういう感じ。
最近はそういうドラマが好きなんだなぁって思う。

総じて、すこぶる面白いドラマでした、


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