なぞなぞ

基本的に僕は言葉を生業にしている方たちのことをとても尊敬していて、ネタやお喋りも出来るだけ好意的に見ようと思ってるんですけどたった1つだけ苦手なジャンルがあるんです。


それは謎かけです。落語家さんや木曽さんちゅうとコンビを組んでいた方( 名前忘れちゃったな〜… )が良く披露されているような即興謎かけと呼ばれるような芸です。

謎かけ自体は僕も大好きで、高校時代の部活中に謎かけをやりすぎてキャプテンに
「練習中に謎かけをするな!!」
と怒られたほどです。

ではなぜその大好きな謎かけの芸が苦手なのかと言うとテレビで披露されている謎かけはファーストフードでしかないからです。
本来うまい!と言わせるものが謎かけであると思っているんですが、速さを評価軸にしてしまうとどうしてもうまさは二の次になってしまう気がするのです。
テレビの特性上この速い!という部分が評価されるのは仕方がないことなのですが、もっとうまい!と言わせるような謎かけを僕は欲してるんです。


謎かけはもっと高尚な芸であって懐石料理になれる素質があると思うんです。

速さ重視の謎かけが蔓延していることはテレビで披露される謎かけがポーカーでいうワンペアのものばかりであることが裏付けています。

謎かけはいくつかに分類できて、ワンペアというのはお互いに同音異議語の1単語でそれぞれが意味の通る文になっている場合に成立するパターンです。


例)
一家の大黒柱とかけまして赤字続きの会社とときます。

その心はどちらも(父さん・倒産)でしょう。


これで 「おあとがHere we go! 」とでも言って漫才を締めてくれるものなら面白いんですが、それをメインとして持ってこられるとさすがにポテトもセットにしとけば良かったって後悔しますよね。

たまに2種類の同音異議語が掛かっている2ペアのものがすんなり出てきたりして、それはさすがだなと思うんですがそれでもやっぱり単語が並んでるだけだと物足りなさを感じてしまいます。
バーガー2つを単品で頼んでいいのは高校生までだと思います。


もちろん3ペア、4ペアも不可能ではないですが文章としてぎこちないものになってしまいますし、謎かけを成立させるために作られた文章であることが見えてしまうと少し冷めてしまいます。

そこで落語家さんはもっと謎かけを高尚な芸にするためにフルハウスやロイヤルストレートフラッシュを作るべきなんです。


これは普通に意味の通る文章中の音の区切り位置を変えると全く意味の違う別の文章として成立するという奇跡的な謎かけです。


ここまできたらもうテレビ映えを考えて数秒のうちに整える必要はありません。


大げさな演出を使ってCMまたぎで引っ張って結局、その心は次週!!なんていう視聴者のフラストレーションを溜めるような手法を使ってもいいのです。


これでいいのです。


こんなことを書いているとお前知った風な口を利いてるだけで謎かけできるのか?と思われてしまうので披露しておきましょうか。


では、お題はいま目に入った「鏡」にしますね。


鏡とかけまして、


鏡、とかけまして


鏡、、


出荷前のリンゴとときま、、、


鏡、、


冷え切ったサムゲタンと、とき、、

鏡、、



ロバが食べた最後の干し草、、、


風で開いた音楽の教科書、、、


鏡、、

羊が自作の羽毛布団に包まれながら見る夢、、


クワトロフォルマッジの第一象限だけがマルゲリータ、、、


シルバニアファミリーの家族会議、、、、



うーん

一旦持ち帰らせていただきます。

これでいいのです。

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