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ZEPETOにみる「"好き"で繋がるZ世代コミュニティ」の変化

「#〇〇な人と繋がりたい」

よくよくInstagramで目にするハッシュタグですが、実際に『繋がれた!』という方も多いのかもしれませんね。
...もしもあなたが、そんな風に「自分と同じものが好きな人・関心を寄せている人と繋がりをつくりたい」と思った時、最初はどんな行動に移りますか?

プラントベースワッパー(ジェトロ撮影)

ハッシュタグを活用する方法もあれば、「友人や知り合いが興味がないか聞いてみる」「Twitterで検索して気になる人をフォローする」「Googleで検索してみる」などが思い浮かびますね。

今や、同じ興味関心を持った人を探すにはリアルよりも圧倒的にオンラインの方が早くコミュニティへの参加の敷居も低い。その理由としては、すでに私たちがソーシャルメディアに慣れ親しんでいることと、「コミュニティの捉え方が劇的に変化している」ことが挙げられます。

とりわけ、1990年代後半に生まれ幼少期からソーシャルメディアに馴染んでいるZ世代では、コミュニティのあり方はデジタルパイオニアのミレニアルと比べても大きく変化しています。今回のnoteでは、そんなZ世代を中心に「"好き"で繋がるコミュニティのあり方」について考えていきたいと思います!
お届けするのは1997年生まれで自身もZ世代の 岸本たくみ。Twitterでは"Z世代実況レポーター"として、Z世代カルチャーやソーシャルメディアにまつわる情報を発信中です。

『Z世代のインサイトを探りたい』
『Z世代をターゲットとしたプロダクト制作の参考にしたい』などなど...

本記事の内容があなたにとってエンターテイメントプロデュースの参考情報になれば幸いです!

1. "好き"で繋がれる場所 - ゼペット とは?

AR3Dアバターで遊べるというユニークさから、登場以来破竹の勢いで成長、リリースからわずか3ヶ月で世界35カ国のアプリ市場トップに躍り出たアプリをご存知でしょうか?

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それこそが、Z世代に絶大な人気を誇るソーシャルメディア「ZEPETO(ゼペット)」。今や利用者数は1億5000万目前(2020.4月時点)にとなるほどの流行ぶりです。
...なぜ「"好き"で繋がるコミュニティ」という主題の中ゼペットを取り上げるかというと、ARやDアバターという点ばかりが取り上げられるゼペットには、ユーザー同士のタッチポイントが驚くほど多く実装されているからです。

ゼペットでは、どうぶつの森のように自由に動き回れる「マップ」と短尺動画が閲覧できる「フィード」が主なチャネル。

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【どうぶつの森のように自由に動き回れる「マップ」】

しかしそれだけに留まらず、Twitterのようなタイムライン「つぶやき」やLINEグループチャットのように複数人でチャットできる「Crew(クルー)」、Tinderのような「マッチング」や「Ask(質問)」、「ゲーム」などなど数あるチャネルで他者と接点を持つことができます

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【短尺動画が表示される「フィード」】

2. エンタメと"好き"が一体化するコミュニティ

タッチポイントの多さによって、"好き"で繋がることがより容易になります。アバターという等身大の自己を介して「自分の"好き"」と「他者の"好き"」を照らし合わせ、リアルで高解像度なコミュニティ形成が可能となります。

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【フィード投稿の一例】
(※ 画像添付のリンク先で動画を視聴できます)

昨年11月、ゼペットは約11億の資金調達を果たし、その調達先はいずれもエンタメ領域企業でうち1社はBTS(防弾少年団)の生みの親Big Hit!
韓国生まれのゼペットは、K-POPアイドルをはじめとするエンタメ・ファッションブランドとのコラボレーションアイテムを多数公開しています。言わずと知れたK-POPアイドルBlack Pinkとのコラボや、ハローキティ、ディズニー、GucciやNIKE... 最近ではなんとワンピースとのコラボも発表されました!

ここから、ゼペットとエンターテイメント領域との深い接触を見て取れます。
チャネル多様化とエンタメとの密な繋がりが功を成し、フィード欄は常にK-POPアイドルを模したダンスや音楽付きのアバターのダンス動画で溢れ、グループチャット「クルー(Crew)」では大好きなアイドルグループについてユーザー同士が語り合うプラットフォームとなっています。

3. 「情報の雑多さ?」Z世代がコミュニティを分化させるワケ

多くのソーシャルメディアに備わっているよう、ゼペットにもフォロー機能が実装されています。
ゼペットでは数あるチャネルを通してコミュニケーションできるため、TwitterやInstagranなどの主要SNSにみる「フォロワーや投稿・ハッシュタグをベースにした繋がり方」とは一線を画しています。繋がりを作りたければ、自分の"好き"に見合うチャネルを選びそこへダイブすればいいだけ

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もしもTwitterやInstagramで、Z世代が「自身の関心ごとにフォーカスしたアカウント」を仕上げようとしたなら、"雑多さ"を避けるためアカウントを複数用意する必要があるでしょう。

ビジネス情報・漫画の話・K-POPアイドル・趣味の旅行の写真・地元の友達の話などが1アカウントに流れ込めば、他ユーザが自身の”好き”を特定するのを妨げ、フォロワーのタイムラインにその人が興味のないコンテンツを表示させてしまうことに。Z世代は「自身のタイムラインが情報雑多になる / 他者のタイムラインを雑多にしてしまう」ことを避ける傾向にあります。
Z世代のアカウント保有数が多いと言われているのも場所(地元・学校・職場など)や興味関心をベースにコミュニティを分化させ、情報雑多なアカウントになるのを避けるためなのです。

4. まとめ|感情ベースで分化するZ世代の新コミュニティ

2人以上の「共通の志向を持った人」が集えば、すでにそこではコミュニティが形成されます。
学校のノリの合う友人・バイト先で同じ趣味を持つ同僚・健康増進のための地域スポーツクラブ... ソーシャルメディア登場前はそうした「土着のリアルコミュニティ」がベースになることがほとんどでした。
しかし、前略プロフやmixi、Facebook、Twitterに始まったソーシャルメディアが急速に成長、普及していき、コロナ禍を経てコミュニティ形成の比重は一層オンラインに傾倒していきました。

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デジタルとリアルの境界がますます曖昧になったこの時代、ソーシャルネイティブZ世代は複数のアカウントを持つことでコミュニティを分化させます。

多数のタッチポイントを備えたゼペットでは、ユーザー同士のコミュニケーション手法は文字・画像・短尺動画と多様化し、インタラクティブかつ自由なものに。
フォロワーやハッシュタグ、タイムラインへの投稿を超え、"人となり"や"雰囲気"などが基盤となり「より高次でリアルな"感情ベースのコミュニティ化"」を図るよう変化していると考えられます。

5. お問い合わせ

オタラボZは『明日も生きたいと思えるエンタメを創る』をモットーに、
タレントやVtuberのマネジメント・エンタメ領域でのプロデュース事業を推進する OTAGROUP株式会社(オタグループ)が運営しています。

詳細情報やお問い合わせは以下リンクをご確認ください。

・お問い合わせ先
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・運営
OTAGROUP株式会社(オタグループ)

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