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「弱肉共食」とつぜん考察

【6/18 追記】
・私的考察ルールと全楽曲に通ずるルールを少し変更しました。
大きな変化はありませんが、他楽曲による影響です。
・小見出し「結論:低い自尊心」に追記。
ハルカの精神疾患について思い当たるかもしれないものが見つかりました。
【6/10 追記】
・大見出し「まとめ」に追記。
 分からなかった婉曲表現の片方について、自分なりに考察できました。

MILGRAM考察、始めました。
初っ端最難関のこの曲を苦しみ悶えながら考察してみました。
劣等感と嫉妬の曲。

※MILGRAM初考察記事のため、前書き長めです
※精神疾患について突っ込んで話します。苦手な方はバックしてください
※徹頭徹尾個人の意見!!!!!
※誤字脱字はスパイス(そうか?)
※図解としてYoutube公式動画からスクリーンショットさせていただいていますが、問題があると判断した場合即削除いたします
※note使用自体初なのですべてがガバガバです

導入


実早登です。

突然MILGRAMにハマりました。

相互さんがずっと前に聞いていたのを、あ~いい曲だな~かわい~~!とタイトルだけメモって(愛なんですよ)、それをふと思い出して調べたらなんかごっついHPが出てきてファッ!?!?ってなったのが全ての始まり。

既に第一審の投票期間は終わっておりネット上に大量の考察が載っているのは承知・確認済みですが、それでも自分の中で改めて噛み砕いてみたいなと、全楽曲を考察してみることにしました。
お暇な方はお付き合いください。よろしくお願いいたします。

MILGRAMにおける私的考察ルールは、アバウトですがこんな感じで行こうかなと。

  • アンダーカバーは今のところは世界観を総合した楽曲だと思っているため、「アンダーカバーそのもの」の考察はパス。キャラごとの楽曲を考察するときの材料として使用

  • 説を提唱するときは、MV・歌詞・尋問・ボイスドラマ・ツイート・台詞・デザイン等の推理根拠をなるべく都度用意する

  • グッズやアートワークスなど、楽曲外のコンテンツも公式が楽曲をもとに制作したと判断できれば考察に使用。逆にミニグラム等番外編として強く想定されているコンテンツは考察に加えない(特に使用するのは二周年記念アート、バースデーイラスト、公式ファンアート、ボイスドラマ)

  • 作者そこまで考えてないと思うよ」の観点も推測

  • CDに入っている既存曲カバーは参考程度にし、歌詞のガチ考察はしすぎない(元々が彼らのために作られたわけではない曲だから。あえていうならという曲を選んでいそう)

  • 私自身の裁定はここには書かない。理由は後述

また、全楽曲に通ずるルールについて私はこう考えています

  • 歌詞はMVの流れと常にあっているわけではなく、必ずしも時系列を形成しているとは限らない(MVは出来事を描写しているが、歌詞はその人全体に通ずる考え方や価値観を通して歌っていると思われる。先に歌を作ってからそこにMVを作っているから(トレーラーが先に出てたり、ミコトのMV完成が遅刻していたりする)

  • 楽曲の表現に完全な嘘はない。隠したり言い換えたりすることはあるのでそういう時は裏を考えるが、ガチの嘘情報は流さない(「弱者の蠕動」より、MILGRAMでは記憶から直接歌を取り出しているとのこと)

  • 囚人の心情は、とある実在する精神疾患・あるいは思考癖に傾向が似ていて、出来事もそれに従っている(ミコトは解離性同一性障害、ムウは自己愛性パーソナリティ障害、など…)

  • 隣り合ったキャラはペアであり、このペアは罪状やテーマなどが非常に似通っている(1,2:渇愛 3,4:いじめ 5,6:奉仕 7,8:外面 9,10:発散)。こういった大まかなテーマ以外にも、非常に多くの場所に類似・あるいは対比が見つかる

  • 全MVにはいくつか、メインとなる婉曲表現が存在し、全て重大な意味を持つ。これらの婉曲表現はCDジャケットにも使われていることが多い(弱肉共食の場合は水、花火などの落書き、黄色い花、目、スポットライト)


あと、全楽曲について個人的主観に基づいてステータスとか作って見ました。
毎回ここから考察を始めたいと思います。

楽曲ステータス


〇推理難易度 ☆☆☆☆☆ 1/10人 異常性・出来事・感情全部曖昧。最悪
〇殺人描写推理難易度 ☆☆☆☆★ 殺したのかどうかはっきりしない描写おおすぎ!!
〇心情描写推理難易度 ☆☆☆☆☆ 根幹は分かるけどメカニズムがわからねえ!
〇殺人対象推理難易度 ☆☆☆☆★ どっち…っていうか誰なんだよ!?
〇時系列推理難易度 ☆☆★★★ 2番の某シーンだけ流れが妙
〇反省度推理難易度 ☆☆☆☆☆ 歌詞を噛み砕いてようやく気付くことがある
〇周囲環境推理難易度 ☆☆☆☆☆ 信用できない語り手のめっちゃ狭い視点きつい
〇必要リアル知識難易度 ☆☆☆☆★ 彼の精神構造を把握するには一定の精神疾患知識が必要
〇歌詞難易度 ☆☆☆☆★ 文字が簡単でも精査必須
〇ホラー度 ☆☆☆★★ MVの雰囲気と、あと考察が中程まで進むと狂気と被害者の量に気づいてこええ
〇胸糞度 ☆☆☆☆☆ なに最後笑顔で終わっとんねん!!

はじめに


むっっっっっっず(溺死)

正直なんで彼がトップバッターなんだよ!!ってくらい難しい。
初っ端最高難易度と考えている。これ書くまでカズイが一位だったんだけど、噛み砕くうちに抜いた。
個人差あると思うが、私みたいな「提示された確定情報でパズルする」タイプの考察人間との相性は劣悪。

MILGRAM、人によって除く思える楽曲と難しいと思える楽曲が全然違うの、面白いと思うんだよ~。(フータを除く たぶん誰でも楽なので)

私はマヒルやムウの考察がとても楽しくてやりやすく、自分の中でいいロジカルができている。
逆にハルカとカズイがぜんっぜんわからない。カズイはよく分かったといっている人を頼り、ハルカはもうなんもわからん。

私は最初は曲ごとの難易度は誰にとっても共通だと思っていた。でもあちこちの考察を巡ると、結構感想が違う。
さらに、ついMILGRAM熱を一方的にドバーーと通話で打ち明けてしまった相互Aさん(仮名)にも全楽曲を見てもらったが、まさかの「カズイ…わかりやすすぎるよ…!!(大爆笑)」。

ええ…(困惑)

しかも逆にマヒルが全然わからないという。これは…超面白いなと…。
(相互Aさんは今後も各考察文にぽろぽろ登場します)

  • 対象キャラの考え方が多かれ少なかれ理解できるorちょっと心当たりがあるかどうか

  • 求められる考察方法が自分の考察方法と一致しているかどうか

  • 対象キャラの持つ精神疾患or精神傾向の類を熟知しているかどうか

この三点がそれぞれの人にとっての楽曲への難易度のイメージに影響を与えていると思う。
だからどの曲の考察が特にかみ合うかは人によってばらばら。こういうの楽しいなあ。

それとこういう話も。
今した話の裏を返せば、自分がどんな思考を片隅に抱いているか分かっちゃうんだ。
誰の思想を理解できてしまったか。若干同意する、あるいは同族嫌悪的に否定してしまったか。
そこから逆算すれば、考察人間の思考回路までわかっちゃうシステムな気がする。

こっっっっっわ!!!!!!!!!なんだこのコンテンツ!?!?

…という話はこの辺にしておいて、さっそく考察を始めます。

楽曲の公開順と難易度


この楽曲まじでむずすぎるという話から。

ハルカの曲は、被害者が誰か曖昧過ぎる
特に最後にハルカに(おそらく)絞殺された、ハルカによく似た幼い少年。

ハルカと違って前髪で目が隠れていない。かわいいね


初見でムービーを見ると、たぶん大体の人は「ハルカの幼少期」だと考え、最後のシーンでハルカは幼いころの自分の記憶と決別した…という考察をすると思う。
それはそう。MVでは二番の時に少年が自分の手を見るシーンがあるが、手が汚れていると思ったら急に手を見るハルカのシーンになっているからだ。他には、ハルカが少年を突き飛ばして落ちていくと思ったらハルカが落ちてるシーンとかもある。こんなん見たら誰でもそう思う。

でも、たぶんそうではない。
ここで、「アンダーカバー」のMVを確認する。
この楽曲は、ラストサビで全員が殺人する瞬間と思われる立ち絵が映される。これは超貴重な資料。全員がどんな凶器を使い、どんな姿勢でどう殺人を行ったかが分かるようになっているからだ。
殺人描写が明瞭じゃないキャラもちょっといるので、そういうキャラの考察にとっても便利。

で、これによると、ハルカは何者か(代理エス)に馬乗りになる形で絞殺をしている。この描写、弱肉共食のMVの最後で見ましたね…
ここから考えると、ハルカは少年を実際に絞殺して「殺害」しているはず。その罪をここで問われているはず。
となると、あの少年は過去の自分などのような非実在存在ではないはずなのだ。

…誰?!?!

となると、この少年があっちこっち出まくるこのMV、あらゆる場面の意味が一気にわからなくなる。
これが、このMVがむずい!といえる所以の一つになる。(まだあるけどな)

いやーー楽曲、難易度順に公開すればよかっただろ~~!!
…と思うけど、なんであの順番になったかというと。たぶん発表する楽曲の順番にバランスをもたせるためなんじゃないかと思う。
要は似た雰囲気の曲が続かないように、ばらしている。

まず、楽曲公開順は男女が交互になるようになっている。これだけでもいろんな雰囲気の曲を次々聴ける。
そしてシドウ・カズイなどのようにある程度雰囲気の似た曲(しっとり)は、間にだれか入れて分ける。
だれかとはいっても誰でもいいのではなく、シドウカズイの場合ならマヒルのように激しく雰囲気の違う曲(元気いっぱい)を割り入れてる。逆にマヒル・アマネのようなはつらつとした曲が続くならカズイのようなしっとりした曲を割り入れる。
こういうことをして、なによりもマンネリを生まないようにすることを優先したんだと思っています。楽曲コンテンツとしては正しい。

正しいんだけど!最初これかよ~~~!!

エス「お前は7人目くらいで来るべきだ」

ほ  ん  と  だ  よ

この楽曲がくそむずい理由


引き続き難易度の話。
ハルカの楽曲のいみわかんなさを構成する要素は以下と思っている。

  • 被害者不明

  • 明らかに精神疾患なのになんの精神疾患なのか微妙に不明

  • メインとなる婉曲表現いみわかんない(特に水、花火、落書き)

  • 信用できない語り手(精神疾患や被害妄想に起因)

  • やけに要求される精神疾患知識

分からない要素について、いったん無視してわかるところだけ考察するというのもいい手である。
しかしハルカの場合、「あの少年が何者かわからないとそれぞれのシーンの意味が分からない」ので一旦おいて次に進むことがしにくい。全部ハードルですらなく、もはや壁。ちゃんと全シーンに向き合わないと、ハルカと被害者に何があったかは分からない…。

精神傾向からハルカの性格の根本を探る


何もわからないなら、せめて一つだけ確定判断材料が欲しい…ということで、最初にハルカの持つ精神疾患・精神傾向がなんなのかを自分の中で決定させることにしてみた。

「だれでもできることぼくにもできたらな」「スタート位置がちがうまま始まった」といった歌詞から見る限り、ハルカは一般的な生き方をできない、何かしらのディスアドバンテージがあるというのは読み解きやすい。

MILGRAMというコンテンツは精神疾患については描写がガチリアル。マヒルの場合、「愛着障害」で検索すると歌詞中に出てきた内容がまんま載った記事が出てくるレベル。
原作の山中さんが心理士資格を取得しており、他作品でも心理学要素をゴリゴリに出すクリエイターということもあって、心理を取り扱う時は下手にファンタジーにせず真剣に描くことができているのだろう。
だから思い当たる疾患で検索して歌詞に似た内容が出てきたら、マジでそれを題材にしてるんだと信じたい。

なので、まず楽曲からハルカの持つ要素を取り出してみる。

①人と同じように物事ができず劣等感をもつ
②被害者意識が強い
③愛されたいという願いが強い
④恵まれた人間への嫉妬・憎悪

①人と同じように物事ができず劣等感をもつ

先ほども言ったように、「だれでもできることぼくにもできたらな」「スタート位置がちがうまま始まった」などから読み解ける。

ここでアンダーカバーのMVのラストサビ前のシーンを見る。
ここでは10枚の、実際の情景を描写しつつキャラクターは黒塗りしたシーンのイラストが登場する。MVと違い婉曲表現が一切ない、ほぼ現実を切り取った写真のような情景のため、考察するには超貴重。


このうちハルカに該当するのは一番最初の、ベッドの上にいるらしきシーン。ぬいぐるみのデザインがMVに登場するものと一致する。ハルカは17歳だが、明らかに年齢に合わないおもちゃの類が目立つ。これは趣味ではない。尋問で趣味を聞かれたとき記入がない。この意味をなんととるかに非常に迷うが、もし知能が年齢相応に追いついておらず、おもちゃで遊ぶのがやっとだったら…?あるいは、これらのおもちゃは精神疾患のあるハルカのための遊戯療法の一環だったら…?どちらにしても、ハルカの生活スタイルは一般的な年頃の健全なものでは無い。

またこれはほかの考察者さんのツイートを見て気づいたが、歌詞に使われている漢字は小学生で習うものまで。なるほど…。ハルカの部屋の状況と一致している。なんなら尋問もそうじゃん。気づいた人すごい…。
これは彼の待遇や学習状況を表現したかったのだと思うから、ひらがなになってしまった部分の意味の読み替えとかはする必要なさそう。
部屋の意味については後でもう少し読み解きたいが、多かれ少なかれ人よりできないことが疾患という形であるのは違いないはず。

漢字をあんまり覚えられないor書けない障害だとしたら、限局性学習障害のさらにいえばディスグラフィア(漢字が書けないとか覚えられないとか)かなあ…。
他には「昨日をくり返してあきらめって大事だけど」から、何度も同じミスをして次につながらない症状とみて発達障害、とくにADHDと想定する手もあるかも。ボイスドラマ中で難しい話を聞いて一発で理解することが苦手そうだったが、それも発達障害の症状としてある。

そして、ハルカはそういった自分についてとにかく擦る。劣等感がある。自尊心がとにかく低い。自分は出来が良くない、とことあるごとに主張してる。
なんならキャラボイスでは生まれつき人を不幸にすることは得意とまで言っている。尋問では父親がハルカに「がっかり」した(MVに出ないのはたまたまか、この家を出て行った?)っぽいし、自分が周りを狂わせているという自覚はあるのかな。

②被害意識が強い

ハルカは歌詞中あるいは外部で、他者が自分についてがっかりしている、
あるいは自身を見捨てているということを主観的に言い切っている。
例えば、「ぼくのこどくは望まれていたんだ」、「ぼくががっかりさせてしまったんです」など。

周りがみんな自分を見下しているのだという考えは、歌詞だけでなくMVでも表現されている。
MV中ではいくつか落書きが登場するが、結構攻撃的な絵も多い。

例えば。ハルカが少年を掴んでいるシーンでは、背景に大量に目があってハルカを見ている。1番と2番の間の感想でも目がハルカを見ていて、犬が撲殺されたシーンでは血だまりからハルカを見ている。
この目はハルカ以外を見たことはないが、めっちゃ怖いしどう見ても優しい目ではない。攻撃的。何度も目を細めるようなアニメーションも、人が嫌な感情を感じたとき目を細めるのに似ている。
アンダーカバーなど外部を踏まえてもクレヨンを使用しているキャラがハルカしかいないとなると、この婉曲表現を作り出している、あるいはこういった考え方をしているのはハルカだろう。
これは、ハルカを周りが冷たい目で見ている「と思っている」ハルカの想像の産物かも。

他には町中に怪獣がいて火を吹いていたり、外の空が真っ赤だったり。
現実で空が真っ赤なのはあり得ない。怪獣がいるのもあり得ない。これはハルカの主観であるはず。
イントロでハルカがネックレスをいじるシーンで、ドレッサーの前のキャラが少年に変わっているとき窓の外の空が真っ赤になっているのだが、逆にハルカがいるときは通常の青空になっている。

窓の外は正常。作中では超絶レアな、婉曲表現ゼロのシーン


スポットライト、赤い空など一気に現実ではありえない描写が加わる


少年がいるときはさらにはスポットライト(これも実在する現象ではない)まであたっているため、これは多少なりともハルカの主観が入った表現になっており、すべてが現実ではない。逆に青空が映っているシーンは完全に事実と言えそう。

このMVは婉曲表現が大量に含まれていて、それが全くない、完全にすべての描写を現実と信用できるシーンというのは非常に珍しいのである。
他に婉曲表現がないシーンと言えばベッドでハルカが目覚めるシーンだけ。

何が言いたいかというと、それほどハルカは正しく現実を見れていない
特に、相手が嫉妬を感じさせられるような比較対象であったとき、へんなフィルターがかかりまくる。

自分の周りに目を見てしまうほど人の見下すような視線を感じ続けるし、外の世界を真っ赤に感じて、また怪獣のようなものまで配置して、それほど恐ろしい場所だ「と思っている」。
実際に空が赤いからとか怪獣がいるとかではなく、それがありそうなほどに自分にとって生きづらい場所だと考えているのかもしれない。

だから、ハルカが言う自分の境遇の主張については全部本当と捉えない方がいい
ハルカが愛されていなかったことは数々の描写からも確定そうだが、親のハルカに向ける心情についてはほぼ語られていないし、親がハルカを実際に叱責する場面はMVに一切ない。
愛されていないだろうが、本当に孤独を望まれてまでいたかなどは不明。

ここまでが被害の感じ方の話だが、ハルカは辛さに嘆いているだけではなく、実はけっこう理不尽に感じてキレている
ボイスドラマでも殴られたら「何するんですか!」ってすぐ言い返すし、理不尽だと思ったらけっこうすぐ反論するタイプな気がする。

例えば「ちがってたハズの未来は不平等にこいをした」という歌詞。
婉曲の激しい歌詞については、さらに精査するためにYoutube内で英訳を表示して比較するとよいはず。(他の考察者のされてた方法で、たしかにいい精査になりそうだと思ったのでお借りしました)

英訳は「The right future unfairly chose the wrong me.」
訳すと「正しい未来は、不公平なことに間違った私を選んだ」。なるほど。

実際は自分が疾患を持っていて誰でもできることができない、それが正史になってしまった。本当はそんな運命じゃなかったかもしれないのに…ということを言ってるのかな。
自分は悪い子だから、とただひっこんでいるわけじゃなく、こんなのおかしい、とは思っているっぽい。

その考えは1番や2番のAメロにも表されている。

「どうしてはなれてくの?~「ひきょうだね」ってぼくをわらう」
→なんで自分が責められてるのって言おうとしても、言う前にその言葉に自分の中で結論が出てしまう。
なんでというのは本当は分かっている。自分が繰り返しミスをするような疾患を持っている、あるいは取り返しのつかない殺人行為をしたから。分かっていても、どこかで人のせいにしたい…?

「どうしてこわれてくの?~「ダメだね」っておこるくせに」
→言わなかったら言わなかったで、何がおかしいか考えようともしなかったとか怒られる、って発想。

「いいよぼくのせいだ~あきらめって大事だけど」
→自分が何度も失敗してしまったことについて、はいはいぼくが悪いんだよと開き直りが見える?

「いいよよくないけど もういいよ思ってないけど」
→しかし「ぼくが悪いんだよ」も本来は思ってない。上辺で言ってるだけ。

「知ろうとしたところでまたイヤって顔するなら」
→同じく、自分の何がだめか知ろうとすると周りが嫌がるからできない、という言い方をしてる。

ハルカ主観では、おかしいことしたら愛されない、でもおかしいことしないように聞こうとしてもだめ…というように八方塞がりになっている?
本当は八方塞がりじゃないよね。「直接言う」ということは歌詞中ではしてないんだから。
いや、ボイストレーラーでなら言ってる。
「じゃあどうすればよかったんだよ!? 教えてよ!」って。でもその後に「バカなぼくにも分かるようにさぁ!?」って言ってる。ただし、言われても分からない、丁寧に教えてもらわないと伝わらないよという言い方。

う~~ん…これ、自分の不出来を言い訳にしてやるべきことから逃げているように見えるな…。
しかもそれを分かるように教えてくれない、教えてと言わなかったら怒る、と周囲のせいにして周囲を加害者っぽく演出して、自分は八方塞がりの被害者になろうとしている…のだろうか。

リアルで はきそう

たぶんなんだけど、丁寧にこういうことをしてはいけない、何故ならこうだから、と教えても
「だからぼくは人と同じようにできる力がないんだからできないんだって!」ってなるんじゃないか…?
めちゃくちゃリアル。こういう考えに陥ってしまう人、リアルにもいるんじゃないのかな…?

となるとサビの「間ちがっていたのはぼくだった」すら本心か怪しいな…。
MILGRAMだとほぼ全員(コトコ以外)の楽曲に、歌に歌詞と同じセリフが小さめに被る場所がある。
ハルカの場合最後の最後「ぼくに気付いて~そう、ぼくだったんだ」がそれにあたるが、最後の「ぼくだったんだ」は自分を責める声というにはかなり淡々としている気がする。そういうことかも…。

これは言っておきたいが、決して疾患を責めているわけじゃない。精神疾患は気合で直らない。絶対に、バカにしてはならない。
それは本当にちゃんと向き合って丁寧に治していかなきゃいけない。簡単に口出ししてはならない。ここに断言します。
ここまで深堀りしているのは、MILGRAMが架空の物語であると理解しているからです。

ハルカにたいしこうすればよかったんだよと教えても、疾患のせいでどれくらいうまくいくかわからない。なんとか試してもまた失敗して嫌になり、挑戦することもできなくなる。
この悪循環、どうしたらいいんだろうね…。

トップバッターの曲から扱うテーマがギリギリすぎるんだよ!!
(扱うテーマ、特に1と2がギリギリ。なんで?)

③愛されたいという願いが強い

ハルカは自分自身が愛されていないということを強く主張しており、今作の主軸になっている。
ぼくに気付いてということを曲中で何度も歌うし、MVでも親の愛を求める描写が多い。
なんなら、彼は自分にかまってくれるような反応だったら大体なんでも欲しそう。尋問で恋と愛の違いについて聞かれても「どっちも好きってことじゃないんですか」と言っていたり、価値観のライン引きが微妙。
ただ、否定行為は嫌。それに散々縛られてきていて、だからこそ何をしゃべるにも大急ぎで「あぁいや…」と否定するところから始まる。殴られたときの反応も普通に反論。しかしその後「逃がしてもらえると思うな(普通に囚人として)」とキレられたとき思わず笑っているのは、絶対に見放さないでくれると思ったからだろう。別に暴力が嬉しいわけではない。見捨てないでずっと構ってもらえるのが嬉しいのだ。ハルカは楽曲中ずっと母親から愛情を受けたくて、しかしあまりにも受けられず、その愛情を逆に非常に良く受け取っていたと思われる少年と自分を比較していく。

その結果MVに登場するのがスポットライトである。
作中、ハルカ以外のキャラクターの頭上を必ず照らしているスポットライト。勿論現実のものではないのでハルカ目線の婉曲表現に当たる。
最後の最後、ハルカが少年を殺した後スポットライトが当たり、それに気づいたハルカがようやく笑みをこぼす。そのため、これこそが愛情…というか興味関心の象徴なのだと思う。

④恵まれた人間への嫉妬

少年と自分を比較してハルカが感じるのは嫉妬心である。
彼が女の子を見た場面や少年が犬を追う場面で、黄色い花が映ることがある。これはおそらく薔薇。

黄色い薔薇の花言葉は「嫉妬」。女の子を見た時のハルカの感情・表情にはぴったりのはず。Ibで学んだ
特にサビ前、ハルカは恵まれた人間、愛されている人間を見て腹を立てる、嫌がるような顔になって、背景に黄色い薔薇を見せながら犯行に及ぶといった流れが多い。

犯行後、ハルカのもとに興味の象徴であるスポットライトが当たりそうになり、少し期待しそうになったところでふと自室のベッドで目が覚める、といったことを二回行う。
殺人後何があったか描写はないが、殺人後疲れて寝たから家族によってベッドに運ばれたとか、医者が来て鎮静剤撃たれてやはりベッドに運ばれたとかなのか?

そもそもハルカはなぜ殺人をしても逮捕されず自室のベッド直行なのかだが、精神疾患持ちのうえに未成年となるとかなり情状酌量がありそう(詳しくは分からないが)だからか?
それも(おそらく)学校に通えていない、文字を書くのにも不利があるレベルの疾患。

人を殺してもそれで済んだ(というか済んでしまった)のは本人にとって良かったように見えるが、実際は違う。
ハルカはどんな形であれ親からの興味が欲しかった。また、その興味をすでに持たれている存在に強い嫉妬を覚えていた。

結論:低い自尊心

以上をまとめて、なーんかぱっと「この疾患かも」というのが出なかったので、なかでも特に気になった「劣等感」「嫉妬」「被害者意識」といったワードに「精神疾患」「病気」などをつけて色々検索をかけた。
…正直ぱっとこれだという名称は見つからなかった…。一瞬だけこれかな?と思ったのは妄想性パーソナリティ障害で、「被害的になりやすい」「嫉妬しやすい」「恨みを抱く」「拒まれることに敏感」とか出てきたのでおっこれかと思ったが、さらに調べたら「自尊心が強い」が出てきた。ハルカと根本的に違うので没。どちらかというと常に周囲が自分に害を加えてきているのではないかと警戒する疾患らしい。

と思ったらこんなのが出てきた。自尊心が低い人の傾向

ま、まんまや~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!
探していたものはこれだ!! 病名は出てこなかったけど、傾向ということでいいでしょ!!

【6/12 追記】
反応性アタッチメント障害か…?

5歳までに発症し、小児の対人関係のパターンが持続的に異常を示すことが特徴であり、その異常は、情動障害を伴い、周囲の変化に反応したものです(例:恐れや過度の警戒、同年代の子どもとの対人交流の乏しさ、自分自身や他人への攻撃性、みじめさ、ある例では成長不全)。この症候群は、両親によるひどい無視、虐待、または深刻な養育過誤の直接的な結果として起こるとみなされています。

A. 5歳以前の発症
B. いろいろな対人関係場面で、ひどく矛盾した、両価的な反応を相手に示す(しかし間柄しだいで反応は多様である)
C. 情緒障害は、情緒的な反応の欠如や人を避ける反応、自分自身や他人の悩みに対する攻撃的な反応、および/またはびくびくした過度の警戒などにあらわれる
D. 正常な成人とのやりとりで、社会的相互関係の能力と反応する能力があるのは確かであること


低い自尊心というのは、主観であれ客観であれ自分より優れた人間によって傷つくもの。
ということは、「自分より優れた人間」がMV中に出ていて都度比較されていなければおかしい。
それはイントロの時点から比較され、何度もハルカが嫉妬の目で見ている少年のはずである。
つまり、この少年は概念や過去の自分などではなく、れっきとしたパーソナリティーの異なる人間である。

でも尋問だと家族構成に弟いなかったよね…?となるが、殺したからという可能性は十分ある。
例えば自分に弟がいたとして、何かしらの要因ですでに亡くなっているとする。その状態で「家族構成教えてください」と聞かれて、弟と答えるかというとたぶん答えない。外す。
「あ、弟さんいるんですね!おいくつですか?」って聞かれて「…いや、亡くなってるんです」って言ったら、えっ家族構成に入れたんじゃ…って思われると思う。だから亡くなった以上加えないのはおかしくもなさそう。

さらにここでハルカのバースデーイラストを確認してみる。

気になるモチーフといえば、ケーキの下にあるうさぎのぬいぐるみ型のクッキー二つである。作中では大きなぬいぐるみが一つしか登場しなかったはずだがこのケーキだと二つ。大小に分かれているということもあり、これが兄弟を表しているのではないだろうか?
…というように、弟がいたようなことを示唆する要素もあちこちで登場しているのである。
これは、少なくともこの考察中では弟説で確定してしまいたいところである。
ので、以降「少年」は「弟」と呼称していく

ついでにバースデーケーキの他の要素についても見てはおくと、ブルーベリーと苺が目立つ。全体的にブルーベリーが面積を占め、アクセントに苺があるような雰囲気。
ブルーベリーの花言葉は「知性」「知恵」「実りある人生」「思いやり」など。苺の花言葉は「あなたは私を喜ばせる」「幸福な家庭」「尊重と愛情」など。うーん…別に関係はないっぽい? というか、むしろこうだったらよかったのに!って花言葉なんだよなあ~
苺についてはフータのバースデーケーキにもいっぱいあるうえにフータにも全然関係ない花言葉だから果物の花言葉とかはあんまり関係ないような気がする。この要素は無視する。
MV要素他のキャラにはあったからある筈なんだけど、しいて言うなら果物の比率…?くらいしか思いつかない。優れている弟(多いブルーベリー)と劣っている自分(少ない苺)ってことか…? ちょっとこれは確定とまで言い切れない。でもどこかに意味はあるはずなので誰かよろしく!!
…ブートニア(胸元の花)は多分意味あるので、「その他」項目でのちのち考察していく。

ところでバースデーイラストのハルカ、うれしそ~~~~!!
他の子と比べても圧倒的満面の笑み!!
ハルカって服について「あるものをきます」って言うし、収監中囚人服の下に着てる服とMV中で着てる服完全に一致しててそれ以外の服着てないし、おしゃれとは完全に無縁なんだよな…。だから今まで着たこともないようなおしゃれで整った服着れて髪型までおめかしできて誕生日を祝ってもらえて(生まれたことを感謝するイベントだし)、どんだけ嬉しいんだろうって話だよな…

ファンタジーだと自尊心低いキャラ=攻撃性ないってなりやすいけど、実際は強い嫉妬につながるんだなあ…
………………わかる(絶句)
こうして噛み砕くといきなりハルカの思考がわからんでもなくなってきた… 怖いよ~。

そういえばMILGRAMの声優インタビューを見つけたのだが、そこでハルカの声優の堀江瞬さんは「僕自身の性格も割とハルカに近い」という言い方をしている。適役じゃん!?(そういうこと?)

精神疾患や殺人という点を除外しても、低い自尊心や嫉妬というポイントは誰かしら共感できてしまうのでは。
そう、MILGRAMのキャラクターは罪こそ理解できなくても価値観は理解できてしまいかねないコンテンツなのだ(たぶん)。そしてハルカについては、それがおそらく低い自尊心と嫉妬ということなのだろう。

各殺人の概要


少年を弟と確定したので、ようやく三つの事件の概要を考察できる。

少女殺害事件

弟と仲睦まじく手をつないで遊んでいる少女。順当に考えるなら弟のガールフレンドだろうか。
彼女を見て嫉妬心(黄色い薔薇)を感じ、手を伸ばし、おそらく殺害。

影の最下部、よく見ると青いノイズが入っている。
ノイズは犬・弟の死体には明確に加わっていた表現である

スポットライトが当たろうとするシーンをよく見ると、女の子の横顔のような影が映っている。弟同様馬乗りになって殺害したと考えられるが、断定までは一応しないでおく。

MV中で彼女の顔が母親と同様落書きのように塗りつぶされているのが気になる。ハルカの憎む対象というのは母親も同じ描写だからあり得ないし、それなら弟も塗られるべき。女性だから塗られたというのも、ハルカが苦手なのは子供や動物であって性別については言及がないから何とも言えない。ここは保留。

二人が手を繋いで走っているとき、後ろでクレヨンで描いたような花火が大量に上がる。これもジャケットに描かれるほど重要な表現。

実は、ハルカは尋問で「思い出に残っている出来事」として花火を挙げている。作中の時間軸で見たものなのかははっきりしない。それより前に見たものともどっちともいえる。

しかしハルカが花火を一人で見に行くだろうか。これは根拠のない完全な憶測だが、家族全員で見に行ったか、あるいは弟が生まれていないときに両親と見に行ったか、のように考えている。憶測なので考察には加えない。

花火が上がる場面は弟と少女が一緒にいるとき、サビ前の間奏でハルカが一人立っているとき(犬を殺した後変わらず放置されている状況?)の二場面。
羨望の対象を見ているときに上がっているようなイメージがあり、恵まれている相手を照らすことで相手の恵まれ度合いを過剰に強調しているようなイメージを感じる。ハルカ自身がその花火の光に照らされることはない。
(あるいはハルカが過去に幸せだった記憶を無理やり映し出し、自分の方がいい思い出持ってる!と比較して自尊心を保とうとしているとか…。)
また花火が上がっているシーンでは必ずハルカは水の中にいて泡が浮き上がっている。前者なら花火が上がるほど幸せな相手と花火の上がるような場所にいない自分という意味がつきそうだし、後者なら花火が濡れちゃったら上がるわけないのに無理やり自慢頑張ってる切なさを感じる。

動機は何だろうか。
この殺人をする前から弟の首根っこを掴んで突き飛ばしたりするようなことをしているので、嫉妬の感情は弟に対してあるはずである。
人に愛されて幸せそうにしている弟が嫌だったから、幸せにさせている存在である少女を消したかった…? 次に死んだ存在も弟を笑顔にさせている存在だったから一理ありそう。

犬殺害事件

木々が生えている場所の少し奥まったところで飼い犬を石で殴り殺した。そのあとベッドで目が覚めるまでは一緒。

冒頭のシーンで母親と弟が犬をかわいがっている。
尋問でハルカはペットについて「ぼくはかってないです」と言っているが、「ぼくは」ということで、ハルカの知らないうちに親や弟が同意しあって飼っていて、そこにハルカは一切関与しておらず、そのあとも交流がなかったと考えるとうなずける。

その背景に木が描かれている。全く同じ木がアンダーカバーにおけるハルカがベッドに座っている足元の画用紙にも描かれており、実際にハルカが描いた木の投影と考えるのが自然。

木の周りにあるごちゃごちゃしたカラフルなやつ何…?
左下。全く同じ絵。

この場面には木の絵と積み木があるわけだが、これを見ると発達障害テストを想像してしまう。どの面の精神発達に問題があるかをチェックするテストが実在し種類もいくつかあるのだが、その中に積み木を並べるものと、木を描いてくださいと言われるので思ったように木を描くもの(バウムテスト)がある。
本物のテストでは積み木も専用の積み木を使うし木を描くときも鉛筆一本で描いてといわれるから、この情景はテスト中ではないけど!

ただバウムテストでは、木をどう描いたかによってその人の心理状態などが分かるようになっている。

ピンク色の山の上に木が生えているように見えるが、山は親への依存という意味があるらしい。
…でも正直でかい木とか広がる枝とか周り舞ってる虹色のなにかとかハルカの心情と全然関係なさそうだったし、ここまで言っておいてだが無視していいと思う。(なんで語ったんだ)
ついでに山のふもとにいるヘビのようなひょろ長いなにかも一応気になった。

MVではかわいがられていた犬が突然森の方へ走っていくので、弟がそれを森の奥まで追いかける。
ところで、1番のときの情景はビルが多く立ち並ぶ都会ではなかっただろうか? なぜ2番は山がそびえ立ち木々が連なるド田舎なのだろうか。
もしかすると1番で少女を殺害したことで元居た家に住んでいられなくなり、人目のつかない山奥に引っ越したのではないか。

ビルが並ぶ大都会
山に森、一面のクソミドリ

正直少女を殺害したのにハルカに影響がないどころか、一応人殺しに関与していないとはいえ家族の暮らしにも一切変化がないというのは気になっていたが、引っ越ししたと考えると納得がいく。

やがて弟が犬の足跡を見つけたあたりで、何かの形で自分の手に血痕が付いているのに気付く。
すると突然自分の血まみれの手を見て動揺するようなハルカのカットに移行するため、ここで少年=過去のハルカと思った人も多そう。
この場面について精査しておくと、弟が手を見て驚くシーンの後汚れた手がアップで映るが、次にハルカの顔が映ってから再度映った手を確認すると、指の曲がり方が違う(右親指の角度の違いが分かりやすい)ため、実は描き直しがされている

最初に映る手
それ以降映る手

しかも前者の絵は手首がしっかり映っているが、後者の絵は血で汚れた袖も描かれていて、長袖になっていることが分かる。作中弟は半袖、ハルカは長袖の服を着続けているため、最初の一枚目だけが弟の手で、それ以降はハルカの手になっているということになる。このシーンはいつの間にかハルカ視点に切り替わっているというわけである。紛らわしすぎだろ!!

その後衝撃の撲殺シーン。少女と違ってこちらは明らかに殺害。最初は石に血まではついていなかったが、後半から血がついている。
最後はどう見てもぐちゃぐちゃになっている犬だったものまで映る。遺体部分には目が映っており、ハルカを見ている。見下す目と同一ということもあって、やってしまった、という気持ちと恐ろしさの表れだろうか。
(自分の手についた血を見てびびってから撲殺してるのはなんで…? ここだけ時系列のずれが起きている?)

弟殺害事件

それでも仲睦まじく暮らしている母親と弟がハルカの目に映る。
いや強すぎだろ。自分の家族が殺人事件起こした上にかわいがってた飼い犬まで殺して、それでも一応元気に暮らせるのか…
とはいえハルカ視点なので、いかにも元気そうなところしか見えていない可能性もある。犬の死を嘆いたり、肩身の狭さを嘆いたりしているところは周囲を正しく見れていないハルカの目には映っていないのかもしれない。

今までは自分より優れた弟の周りにいて彼を愛している存在を衝動のように殺してしまっていたが、最終的にはついに母親の愛を奪っている彼自身が憎くなり凶行に及んだ。
尋問で「ぼくにはそんなしかくないです」って言ってるけど、顔が隠せてないよ…(後でそういう考えに至ったのかも)

殺害方法は先述した通り、アンダーカバーで描写されているような絞殺。MVでは立った状態で首を絞めているが、ラストでは馬乗り状態になっているので途中で姿勢が移行したと考えられる。

殺害後いつも通り笑うが、ついに涙を流している。またひとしきり笑った後顔を押さえて泣いている。これが尋問やボイスサンプルで言っていた「後悔」だろうか。
そして最終的についにスポットライトが当たり、ようやく笑う。今まで虫を貫いてきた母親でも、さすがに我が子を殺されたら黙っていられないし許せないどころではないだろう。でもその詰め寄りすらもハルカにとっては嬉しいのかもしれない。そういう意味でのスポットライトだと考える。

ハルカにとって小さい子供や動物はいつだって嫉妬の対象で、自身から愛を奪っていく対象だった。
だから尋問でもボイスドラマでもかたくなに子供や動物を恐れた。当然ではある。

でもアマネ見たら別の意味でビビると思うけどな…優れてるとか優れてないとかそういう次元じゃないぞ

一連の事件についてまとめたうえで、今作の最大の婉曲表現である水が持つ意味を考える。

イントロで沈む場面はハーバリウムみたいで綺麗です
(じゃあなんでその場面にしなかったの?)

①比較
ハルカは水の中に基本逆さの状態で沈んでいて、そこから弟を見ているシーンがよくある。そういった場合基本弟は誰かと手を繋いでいたり幸せそうな顔をしていたりする。しかしハルカは逆に羨望の目を向けていたり、怒りの目を向けていたりする。
また水中だから、弟には差し込んでくる光(スポットライト)も差し込まない。この境遇の違いの表現に関わっていそう。

②不自由さ
水の中では普段のように自由に動くことは叶わない。何かしらの不自由が生まれるはず。
普通の人と違う疾患を抱いている彼の生きづらさを例えている可能性はあるだろうか。

それっぽいのはこの2つ。
他キャラと違って婉曲表現が表すものが覚悟たる物あるいは名詞ではなくぼんやりした概念なのが難しい…。

母親の愛

ここまでMVの内容について軸になる部分はほぼ考察した。
ところで母親は本当にハルカについて一切愛情を向けていなかったのか、再度精査してみようと思う。

いきなりになるが、ハルカのつけているネックレスについて触れたい。

このシーンから一審が始まる。印象的な場面。


尋問で「あるものをきます」と言うほど服がないと思われるし、普段着も飾り気がなく真っ白なハルカ。おそらくほかの私服を持ってすらいなさそう。毎日同じ服を着ているし、囚人服の下の服すら全く同じ服。そんなハルカが着ける唯一の装飾がネックレスである。
MV中も弄るシーンがあったから、大事なアイテムであることは間違いないはず。
ハルカのネックレスはチェーンが首元から下に垂れないほど短いのだが、ここが重要。

相互Aさんから聞いて驚いて調べてマジだったことだが、チェーンが短いネックレスは女物らしい……

ファ―――――!!!!(絶句)
知らんかった 私普通に自分の創作でやらかしてたかも…

このMVに登場する女性は母親と弟の恋人ちゃんだけ!!そしてハルカと過去接触している可能性が高いのは母親だけ!!
そのネックレス、母親がくれたやつですねーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!

となると、このMVの序盤のシーンの意味が急に分かってくる。

・ハルカがドレッサーを見てネックレスをいじっている
→母親から受けた(というかもらった)数少ない愛情を見て弄って自尊心を満たしている

・弟の幻影が登場
→自身よりずっと物も愛も受け取っている弟を思い出す

・苦しそうな顔つきになり、化粧水?を払い落とす
→わずかな物で満たそうとした自尊心を傷つけられ(というか自分で勝手に思い出して自分で勝手に傷つけて)苦しむ

ということではないだろうか。ひええ~…

ということは、母親からハルカへ物は送られているのである。いつもらったものかはわからないが。単体を買い与えるにはなぜ女性ものを…?という疑問が生じるので、余った・あるいは用済みのネックレスをあげているというほうが自然か?
それに部屋の物だってそう。本当のネグレクトならハルカの部屋にぬいぐるみ・クレヨン・積み木すらないはずだし、状態も悪いものではない。ひどく汚い部屋でもない。

それではハルカは母親から愛されていたのか?
というと、全然そんなことはないと思う。それだったらハルカはボイスドラマであんな喋り方をしていない。
あんな喋り方というのは、何を言うにも「あ、あぁいや…!」と最初に否定の断りを入れるやり方。これ散々今まで何やっても否定されてきた人の防衛行動だ…。
主観が入っているとはいえ、ハルカは「何しても何言っても否定される」ということをMVで主張し続けていて、何かしらのトラウマにはなっている。完全な言いがかりとみなすにはハルカの怯え方が尋常でない。

でもそれだけだったら「何でもいいからとにかく構ってほしい」ハルカにとってはまだ百歩譲っていい。(よくないけど)ここまで愛に飢えた様子からはおそらく、構われてもいない。
ならなぜおもちゃの類を買い与えられているのか。正直ここは答えが出ず悩みまくったので、相互Aさん(久々の登場)に急にディスコでチャットを送った。
帰ってきた解答はざっくりいうとこんな感じ。

「子供のことがどうでもいいなら、お医者さんや周囲に虐待って思われないくらい、治療に必要な物や生きていくのに必要な物だけ与えて放置ってことだってあると思いますよ」

悪   魔   で   す   か

つまり、治療はちゃんとしてますよアピールで遊戯療法に必要なおもちゃの類を与え、最低限の服(わずか一種)は与え、ごくまれにいらないネックレスとか与え、あとはノータッチ説。
失神した。
尋問で「大人が苦手」って言ってるが、そりゃ苦手になるわ。

母親については、ハルカがこう生まれた以上もうどうしようもなかった気がする。あまりにもかわいそう。

しかし、母親は本当に純然たる加害者なのだろうか。

母親は「一応」ハルカを見捨てず、最後まで自宅で養育した。
正直自宅で養育さえすれば他なにやったっていいとは微塵も思わないが。
そしてハルカが疾患を持って生まれ、手が付けられなくなり、やがて生まれた弟に愛情を傾け放棄。

そこまでは加害者。問題はそこ以外。
ハルカが弟に暴力を振るうようになり、身勝手な殺人を犯し、元の家にいられなくなって引っ越してから。

疾患のせいとはいえ身内を物理的に傷つけ、また息子が人殺しをしたというレッテルを貼られ、元住んでいた場所にいられなくなり、さらには愛する犬まで殺され、「どうすればよかったんだよ」。
これは彼を抱えて生きていくのが苦しい。付き合う気が0.000001から0になるのも分からなくもない。ここまで来れば兄のことは放置して弟を必死に育てようと思うような気もする。
なんだかなあ…。少なくとも弟にとっては最高の母親だったと思う。

MILGRAMとは、視聴者に囚人の裁定を任せるコンテンツである。
つまり、「赦す」といわせるような要素も、「赦さない」といわせるような要素も、全ての囚人が等しく併せ持っているのである。
完全に無害な被害者である囚人はいない。

後悔や反省

尋問で後悔の有無について聞かれたとき、ハルカは「あります」と答えている。ボイスサンプルでも後悔について語り、ボイスドラマでも「身勝手な人殺し」「ぼくのしたことを全て知ったら見捨てるに決まってる」と言っている。
彼は自分がどんなことをしてしまったか、それがどれだけとんでもないことだったか自体は分かっている。それを知られたら、相手に見捨てられてしまうほど重大なことだと思っている。
しかし、罪状を把握したうえで「でもそうするしかなかった」とも思っている。
「精神傾向からハルカの性格の根本を探る」でも言ったように、ハルカはムウのような傲慢さはないが、自分の不出来(主観)に起因した責任転嫁的部分がある。
だから後悔は強くしていても、反省できているかは微妙。同じような目に遭ったとき、個人的には「またやらなきゃいけない」という考えに走るのでは…?

弱肉「共」食とは

元の単語は言わずもがな弱肉強食。楽曲中でも「弱者」という言葉がよく登場する。

ハルカのボイスドラマのタイトルが「弱者の蠕動」で、公式によれば
「ハルカの」心の蠢きを見てね、といったことを言っているので、このタイトル中の弱者はハルカで確定。疾患を抱えている、劣等感を抱いているという意味でも、弱者は普通に考えればハルカだろう。

一方、「愛される弱者になりたかった」という歌詞が気になる。え、ハルカ弱者じゃなかったん?
ところでハルカが(おそらくも含め)殺害している対象は年下の少女、犬、弟。年齢や実際の立場的に見ると、全員ハルカよりも弱者なのである。
精神的には弱者であっても、立場的には強者。面白い対比である。

もしかすると、このタイトルはダブルミーニングなのかもしれない。
カズイやミコトなどのキャラもタイトルがダブルミーニング以上が確定しているので、可能性はある。
精神的側面で見れば弱者で、「みんなに望まれて孤独にさせられる」という形で食われるハルカ。
また立場的側面から見れば強者で、「生きるために邪魔なものを消したい」と弱者を食うハルカ。

次に、「共」と漢字を変えた意味は何か。
話が飛ぶが、アンダーカバーの歌詞にはそれぞれの囚人を指すパートが存在している。
ハルカの場合、その歌詞は「赦すなら共犯者」。他のキャラが何を意味するか分かりやすいのにハルカだけわかりにくかった…。
エスの歌ということもあって漢字こそ使われているが、キャラごとにある程度語調を寄せたりもしているから「大体」キャラクターの思考を描写しているものと捉えたい。

「共犯者」。「共」の字が出ている。ということはこの「共」は「共犯者」の「共」でもあるっぽい。
先述した精神的側面では、「周囲がみんなで」自分を孤独にさせているという意味での「共犯者」。
立場的側面では、人を殺したうえでそれでも愛してほしい構ってほしいという願い、つまりは自分の罪を求めてほしいという相手に求める役目としての「共犯者」。
という想像をしてみる。

どうすればよかった?

ハルカはボイストレーラーで「じゃあどうすればよかったんだよ!?」と叫んでいる。確かに、この事件を回避するにはハルカはいったいどうすればよかったのだろうか。
殺人をしなければよかったのか? 確かに殺人をしたことで決定的に愛は受けられなくなったはずだが、MVの序盤、殺人をしていない時点で愛を受けられていたかというと、全くそんなことはない。
母親に思ったことを言えばよかったのか? 耳を傾けてくれる親かどうかは分からない…。そもそも父親がいなくなるような環境とハルカの状態で、母親が今更ハルカに愛情を抱くだろうか。無理がありそう。

ハルカの物語は、犬の殺害を除いてほぼ全てのシーンが自宅の中で完結している。ほぼ登場しない外の世界を歪に描き続けているものの、ハルカが外の世界をしっかり見ることはほぼない。
ハルカは、外の世界を知らなすぎる。

しかしおそらく、ハルカを愛してくれる人は外にならたくさんいるのだ。
現にミルグラムにきてからはハルカを構ってくれる人がとても多い。なんなら尋問などで「苦手な人」にハルカを挙げる人はいない。それどころか、多くの人がハルカと仲良くしてくれている。ボイスドラマではユノやマヒル、ミコトが優しくしてくれるらしい。うおおんしてくれそう…。
ムウだってよく話しかけてくれるし、馴れ合いが嫌いそうでみんなを見下しているフータですら、なんとハルカだけは気にかけて世話をしているのだ。
これはすごい。価値観はひどく攻撃的だが基本的には善人のフータだから、疾患を持つ人をないがしろにはできないのかも。あと男だし。ハルカが女だったらたぶん構ってなかった。

閉じこもってしまっては母親の愛しか知らないし、そのことだけで比較を続けてしまう。
なんとか外に飛び出して、ただ誰かと話してみる、それだけでもよかったのかも。
それは母親の愛ではないかもしれないが、それでももっともっとたくさんの愛を受けられた…かもしれない。
なんかそういうやりなおしエンドない?(空中へ聞く質問)

その他考察

花言葉

ハルカの誕生日:6月22日
誕生花:ガマズミ
ガマズミの花言葉:「私を無視しないで」

そんなことある?

なんとなく気になって調べたけどたまたま…たまたまかもしれないじゃん…
ただ、バースデーケーキイラストでハルカがつけているブートニア(胸元の花)は小さい白い花で、まさにガマズミの見た目と一致している。
6月22日の誕生花には他にスイカズラがあるが、花一つ一つが大きいし独特な形をしていたので違うはず。マジで意図して誕生日を設定してたり…しないよな?

げ、言及してる~~~~~~~~!!!!!!!
言及してるならビンゴやんけ!!花言葉、関係ありま~す!!!

苗字・名前

MILGRAMのキャラは、苗字に全員樹木の漢字が使われている。
ハルカの本名は「櫻井遥」ということで。櫻と桜は旧字体か新字体かの違いのようなので深くは考えない。
桜の花言葉は「精神美」「優美な女性」「純潔」が一応あるが、正直無視していいと思う。というのも全キャラクターは「樹木」で統一されており、花言葉のない木も多い。木を総じて使用している以上隠されたギミックについてもある程度統一はされていると考えたいので、全員に適用できないギミックについては無し、考察しなくてよいと思った。

ここで急に桜についての伝説を考えてみる。
真っ先に思い当たるのは女神コノハナサクヤヒメの伝説。

ニニギノミコトが美しいコノハナサクヤヒメに一目ぼれして彼女の父神に結婚を申し出ると、父神は大喜びで彼女…だけでなく、同時にイワナガヒメという姉も二人同時に彼に嫁がせたという神話。
しかしイワナガヒメはとても醜く、ニニギノミコトはその要望に恐れおののいてしまい彼女を父神のもとへ送り返してしまい、さっさとコノハナサクヤヒメと一夜の契りを交わす。これに対して父神は怒る。
イワナガヒメは岩石や大地の女神で、永遠の象徴である。彼女がいればニニギノミコトはいつまでも岩の如く命が続き、またコノハナサクヤヒメがいれば 桜が咲くように栄えたはずなのに、そういう願いを込めて二人を送ったのにと。だからコノハナサクヤヒメしかいなければニニギノミコトの命は桜のように散る、つまり永遠のものではなくなる、と言った。(イワナガヒメがそう呪ったともされる)
こうしてニニギノミコト、さらには子孫である天皇の寿命は永遠ではなくなった、というものである。

この伝説、見た目に優れ寵愛を受けたコノハナサクヤヒメと見た目が醜く愛されなかったイワナガヒメ… と考えると、今作における兄弟の関係に似ている。
それもハルカはコノハナサクヤヒメ側ではなく、どちらかというとイワナガヒメ側。
さらに「遥か」(=遥)という名前は、「距離・時間・程度が極めて隔たっている」という意味合いを持ち、イワナガヒメの持つ「永遠」の象徴と非常に似通っている。
これは意図したネーミングなのではないだろうか?
(ハルカ、いわ・じめんタイプか… 水4倍じゃん(絶対関係ない))

えっこれ直接MILGRAM関係ある?急に何でこんなことを調べた? …というと、これはユノのせい。
アンビリカル考察時に触れるが、実はユノ、一人だけわっっっかりやすく某女神の伝説になぞらえた苗字・名前をしている。そしてその神話がどう考えてもアンビリカルと縁がある。
だからユノがほぼそういったギミックを持つことで確定なら、ひょっとして他のキャラの名前にも神話・伝説などをもとにしたギミックが隠されているんないか?と調べているところ。
全員分それっぽい話ちゃんと見つかるかな…(むりそう)

婉曲表現の正体

水:比較、不自由さ
花火:思い出、幸せの象徴?
落書き:現実への恐れ
黄色い薔薇:嫉妬心
目:見下す視線
スポットライト:関心の対象

まとめ


本当にむずかった。4日かかりました。
MVのごとく溺れるように悶えながら考察しました。でも楽しかったんです。信じてください。
概要がさっぱりつかめなかったハルカだったからとにかく歌詞もMVも細部まで線でつなげてつなげて必死こいてパズルしたことで、なんとか飲み込めるレベルにはまとめることができました。
勿論急ピッチでまとめたことなので、私と違って2020年から考察を続けている方々にとっては疑問に感じる箇所も多々あると思います。だが俺の答えはこれや(火炎瓶)
一応さらに気づいたことや修正したくなったポイントなどがあったらまた直しに来るかもです。

あと、結局分からなかったポイントもあります。
例えばこれ。

こういうのサイハテでみた

このマークなに…? 花火のシーンで花火と一緒に打ちあがってたりもします。

【6/10】追記
考察できました。たぶん「人間」「モブキャラ」の象徴です。
このマークは
・1番歌唱中の部屋の地面のあちこち
・首根っこを掴まれた弟の近くの地面
・花火
の場面で登場する。

一番の根拠は、ついさっきまで母親と手を繋いで後ろを歩いていた弟が、ハルカに首根っこを掴まれたとき母親が近くにおらず、代わりに母親がいたはずの場所の地面にこの円状のマークがあって収束するように消えていった場面。突然登場したこのマークと突然消えた母親を繋げるなら、このマークは母親に近しいものを表現していると思われる。
そしてこのマークが、大都会で母親と弟が歩いている場面であちこちに大量にあります。逆に舞台が山中に移動してからは登場しない。大都会にいっぱいあって辺境の山中にないもの、それは人間ではないだろうか。

左側。消えるモーションも唯一異なる

このマークは花火が上がっている中でもしれっとまぎれている(マークの下に縦線がいくつも伸びたもの)が、他の花火がまさに花火のようなモーションで登場し消えていくのに対し、このマークだけにゅるっと消える。これはこのマークだけ花火ではないからではないだろうか?

ところでなぜ人間をこんな平らなマークで描くのかという話になるが、このマークは実はおそらく既出である。

上のスクショの目の中全く同じマークで瞳が描かれている
ハルカにとって、あのマークは人…というより目なのではないか?
そう考えると先ほどの花火の時に描かれた群衆のような何かも、目に体のようなものがくっついたなにか→人間と説明できる。
これはハルカのように他者からの評価・目線を気にし続けている存在ならわかる描写である。人=目に見えてしまうのだから。うーん他者が見えていない…
まとめると、大都会にたくさんあったマークと花火に紛れたマークは群衆、弟の足元で消えていったマークは母親と推測できる。

となると作中ハルカはずっと家の中にいたが、「本当にハルカは楽曲中ずっと家の中にいたのか」は怪しくなる。そもそも家の中に大都会はないし群衆もいない。
ひょっとしたら家すらも婉曲表現…?
これに意味があるとしたら、自分の価値観・妄想に引きこもって出てこないハルカを象徴している…とはわりとすっきり考えられる。人が大勢いるような外に出ようが心は自分の中

もはや今作一番のホラー要素

あとこの下にいる人魚みたいなのなに…
目光ってる…歯ギザギザ…こっわ…

前の方で説明したが、母親と少女の顔が塗りこめられている表現もまだ不明。
現時点でまるで不明なのはこの2点。

ハルカはただの儚い存在ではなく、山中さんらに「気持ち悪い」「蠕動」などと無茶苦茶言われているのも分かるような、醜さも併せ持ったキャラ。
堀江瞬さんの熱演がそれを表現しようと光りまくる。ボイスドラマのどもり、聞いて。ちゃんと何言ってるか聞き取れるのに、めちゃくちゃリアルなどもり方する。急に声張り上げるところとか、「あぁ~いや」(出だしは素早く後半はねっとり)とか、「ぼっぼっぼくなんて」(ねちっこい破裂音)に思わず拍手しちゃった…。

だけどそれも含めてほんとうに生きている人間らしい脈みたいなのを感じました。
プロフィールにもありましたが、どんなにおぞましい要素を内包していても、ハルカの本来の気質は「優しい」んですよ。
私はどうしても不完全で人間臭いキャラクターを好きになりがちだから、そういうキャラしかいないMILGRAMに惹かれたんだろうな~と思っています。
ハルカは手放しで赦してはいけないけど、でもアンダーカバーの言う通り全てを知ったうえで叱責しながらも赦すことを忘れないでいたいなあ。

ちなみに私が(少なくともnote上では)裁定を下さない理由ですが、いろいろあります。
まず一つ目は、価値観バレるからです(最悪)
二つ目は、今言ったように全員が善悪の要素を内包していて、片方の裁定で判断するのがまだ厳しく感じているからです。
三つ目は、特にフータについてになってしまいますが、裁きを下した時点で囚人の二の舞でしかなくなってしまいそうだからです。
最後に、私の決めた裁定になんか誰も影響してほしくないからです…。
考察を参考にしても、なんか最終決定は皆さんそれぞれでやってくれたらうれしいな!という!個人の!気持ちです!!

あっでも二審投票はします。
思うことはあれど、推しコンテンツを盛り上げるという意味では母数になりたいじゃないですか。だから毎日投票できたらいいな~。

フータにずっと赦さない投票入れ続けて精神へし折れるとこ見たい(正体あらわしたね)


ここまでお付き合い誠にありがとうございました!
次はユノの楽曲・アンビリカルです。がんばるぞ~~!

【NEXT】

【MILGRAMとつぜん考察】


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