「ウィッシュ」感想

2024年3月31日 23:30

ディズニー映画が大好きなのでずっと観たかった100周年記念作品「ウィッシュ」、
観に行く時間が取れず諦めていたのですが二度と来ない100周年記念作品やぞ！諦めるな！の気持ちでまだ上映している映画館を探した所シネマイクスピアリがヒット

同じく時間が取れなかったけどウィッシュを諦め切れない同志と駆け込んできました
流石ディズニーの息がかかった映画館……ありがとよ……

観た感想としては、とにかくこの映像を映画館で拝めて良かった！

元々ディズニーのセルアニメが大好きなので、正直ラプンツェル以降の3Dアニメ作品は、観ていて少し寂しい思いがありました。
ディズニーの3D技術は凄いし、モアナなんか特に水の表現が素晴らしくてあの世界観は3Dこそだとも思うし、絵柄が大きく変わった訳ではないし……3D作品を主体にした理由も何となく察せられるし、その理由に納得もいくし……。
ただ、「あぁ……もうセルアニメの長編は見れないのかな……」という落胆がどうしても自分の中にある事も事実で。

なので今回のセルルック調の3D表現は正に「大好きだったディズニーアニメが帰ってきた！」でした。映画館でどうしても観たかった理由もコレです。

液体の質感や奥行きを感じるシーンでは、「最近のディズニーアニメだ〜」という感じもありつつ、今までのセルアニメへのリスペクトを、
スターの動きに合わせた効果音からは、最初期のミッキーマウジングに対するリスペクトを感じる、正に100年間を全部詰め込んだアニメーションでした。
手前に映り込む草花の質感なんか、完全に眠れる森の美女で見たやつ。最高でした。

音楽も良かったです！
吹替で観ましたが、生田さんの伸びやかな声がすごく綺麗で良かった。
福山雅治はマジで福山雅治で、歌い始めると「福山雅治だ……」「福山雅治のシングルだ……」になっちゃってちょっと気が逸れましたが笑、とても良かったです。
山ちゃんのナンバーも期待しちゃいましたが山ちゃんは歌わなかった。あれは吹替ならではの遊びっぽいから仕方ないのかな。

あと動物が皆ハチャメチャに歌うまで笑いました。メインじゃないキャストに濱田めぐみさんが居るという話は聞いてましたが、やたら歌が上手いリスがおいでなすって真っ先に「濱田さんか……？」って疑いました。濱田さんだった。

エンドロール後の吹替クレジットにも、「その他の出演」でまとめてはいけないだろ！？という面子がちらほら。平野綾がアライグマのママ2て。
キャストといえば最近ディズニー好きタレントとして番組に出演されている浅倉さんと風間パイセンも出てましたね？何役だったのか気になる……

曲も良かった〜！主題歌の「この願い〜」で綺麗なメロディを歌ってから「ない」でグッと下がって終わる感じ、意志の強さを感じて好きでした。再起の歌だ……！
曲的には輝く願いが一番好きでした。曲の後半で曲調が変わって2人がハモリ続ける所好きだな〜〜！

と、良いところは色々あったんですが……ストーリーはちょっとスッキリしない終わり方でした。

いやだってマグニフィコ王〜〜〜〜！！あの終わり方は不憫過ぎるて！！！！
マグニフィコ王、家族を失い、その悔しさからあらゆる魔術を会得して、それを人の為に使おうとしている辺り、根っからの悪人ではないと思ったんですが。国を築いたのだって、同じように故郷を失った人達の居場所を作りたかったのかなとすら思えるんですよね。

王に願いを渡すと自分の願いを忘れてしまう、その事をありがたい現象として受け入れている国民の有り様は「SFのディストピア社会みたいだな……」とは思ったんですが、それもマグニフィコ王の「願いが潰された時の悲しみを見たくない」という優しさ故の現象で。歪んではいるんですが、根底には確かに国民を思う気持ちがあったなと思うんですよ……。

絶対に王国の脅威たり得ない願いだけを叶えるという選定理由も、職権濫用かつ傲慢ではあれど、最大多数の最大幸福を絶対に維持したいという統治者としての信念があったのだと思うし、
禁断の魔術に手を染めていく過程だって、根底には「国を守りたい」という強い思いがあったのだと思うんですよ。

そこに過去に故郷を潰されたトラウマや、願いを叶えて欲しいという国民からの要求によるストレスが重なって追い詰められてしまった……。
「優しすぎる」が欠点として働いているのは、アーシャではなくマグニフィコ王の方なんじゃないか？と、正直観ていて思いました……。アーシャも良い子だよ！！！！

功利主義と個人主義の対立の話だ……という感じで、終盤にさしかかっても完全な悪人は存在しない話だと感じてしたし、
「みんながスター！」と歌っていたので、最終的には和解するものだと思っていたぶん、マグニフィコ王の末路には面食らいました。勧善懲悪モノで終わっちゃうのか……と……。
「みんながスター！」の"みんな"にマグニフィコ王も入れて差し上げてよ！！！！

あと何より、生い立ちがちゃんと行動原理に結びついてて、キャラクターとしてのバックボーンが主人公よりしっかりしてるので、ちゃんと救済があるんだろうと思ってしまった。

主人公がコーンロウ？ブレイズ？ヘアだったり、いろんな人種の人がいたり、昔の作品をリスペクトしつつ新しい表現も沢山取り入れている作品だなと感じたし、
アナ雪なんかでも受動的な愛情ではなく自発的な愛情が問題を解決したり、モアナでも完全な悪が居ない物語をやっていたぶん、ウィッシュでもそういう新しい展開をどうしても期待しちゃったんですよね……。

アーシャ達に合流した王妃と一緒にマグニフィコ王を禁書の呪縛から解き放つ方法を皆で探して、見つかって、抵抗するマグニフィコ王をスターと協力して倒して呪いを解き、
目が覚めたマグニフィコ王が今までの国の在り方自体を改めて、新しい形でまた国を築く事にして、
願いは自力で叶えなければいけなくなったけど、ロサス王国はこれからも幸せで、マグニフィコ王も失った信頼はあれど、きっとまた皆から愛される王様になれる……それが王の忘れていた願いだった……
みたいな流れだったらスタンディングオベーションだったのになぁ。

それをお前…‥地下牢、地下牢て……お前…………おまおま…………

観終わった後に友人と「革命には犠牲が付きものなのかもね」と話していたんですが、
こんな事ならもっとマレフィセントみたいな絶対的な悪として君臨して欲しかったよ……😭

あとアナ雪のハンスから何とな〜く感じるヴィランを軽視する流れ、ラストのマグニフィコ王への扱いからもちょっと感じたんですが、やっぱりあんまり好きじゃないなと思いました……。
うんまあハンスは割と悪どいやつだったけども！

更に言うと……個人的に最近の主題歌、ちょっと歌が技巧的過ぎる……
などなど、色々言いたい事はあるんですが、これだけ長々と話せる位には楽しめる作品でした。文句にはなっちゃってるけど、こんだけ語ってるんだからもう好きなのよ。

なんだかんだ字幕も観たいし、ディズニーのオマージュも沢山隠れていると思うので、ちゃんと探したいです。

でも次の作品ではもっとストーリーもスッキリした後味で、子供も覚えやすい歌いやすい主題歌だと良い、な……！

映画の後は10年ぶりくらいにイクスピアリを散策し、ディズニーストアやoverrideを物色して、ボンボヤージュを見て回りました。
イクスピアリにあるTGI FRIDAYS、初めて入ったけどメニューぜんぶ美味しかった。苺と胡桃とバルサミコ酢のサラダが凄く気に入りました。家でも真似して作りたい。

それから、見納めになるだろうからと40周年のリゾラを動画に収め、40周年デザインのフリーきっぷも購入。
40周年、今日が最終日だったらしいですね？良いタイミングに来れて良かったです。