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【MTG】ラストサン2020調整録/ジェスカイフェニックス解説【パイオニア】

11/15 最新リスト追記(Showcae Challenge 6-2 9位)
11/21 最新リスト追記(Qualifier 5-2 12位)
11/22 最新リスト追記(Challenge 5-2 11位)

■はじめに

久しぶりの記事になります。
otakkunという名前で競技MOやテーブルトップを中心にプレイしています、サカイです。

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本記事はラストサン本戦に向けた調整過程(パイオニア/レガシー)と、パイオニアラウンドで使用したジェスカイフェニックスのデッキガイドになります。一部有料としていますので、これまでの記事等を参考に検討していただければと思います。
※本記事は環境の変化等により、予告なく無料で全体公開する可能性がございます。予めご了承ください。

先日、大阪で開催されたThe Last Sun2020でTop8の成績を残すことができました。スイスラウンドはパイオニア6-0、レガシー3-2-1の成績で、久々のテーブルトップの競技マジックを心から楽しむことが出来ました。

普段調整はMOをひたすら回して個人でやることが多いのですが、今回は1か月前から友人と二人で調整を行いました。特にパイオニアの調整を入念に行い、スイス全勝と最高の結果に結びついてくれました。本当に感謝。


調整録~レガシー編~

私が紙で使っているレガシーデッキはジャンドホガーク、赤単プリズンの2つでした。今のUR環境を抜けられるとは思えず、友人からURデルバーを借りることを選択しました。

参加するプレイヤーの多くがレガシーのプロフェッショナルだと予想し、これまでUR系デッキを使ってこなかった私が多少の練習でプレイングによる差を付けることは困難と考えました。

URデルバーのメインデッキは非常に強力な60枚で完成されている(はらわた撃ち/邪悪な熱気の選択をする程度)こともあり、サイドを多少練る程度に留めています。また、最低限のプレイング・サイドボーディングを身につけることを目的に以下に取り組みました。

URデルバーを普段から触っている人、レガシー知識が深い人への調査
 →サイドボーディング、細かいサイドカード選択。
想定される上位Tierデッキとのスパーリング
 →ある程度のサイドプランの理解、勝利までの道筋の確認、明確な打ち消し所への把握。
サイドボードの調整
 →私のプレイスキルで勝ちづらい相手も”不利なデッキ”と捉え、意識的に調整を行いました。(エルフ、UR同型、青単ファクトなど)

最終的にこのリストとなり、結果はID込みで3-2-1。
先手を取れた回数が多く、上手く回ってくれた印象でした。練習量に対してこの結果には満足していますが、練習不足で落としたゲームは明確にあったと認識しています。

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調整録~パイオニア編~

大半の参加者がレガシーの方が得意という認識でいたので、差を付けるならパイオニアの方が良いだろうと結論付けて細かく調整しました。
当時の調整感を伝えやすいと思うのでLINEやExcelも載せます。(掲載許可済)

調整は1か月ほど前の友人の言葉から、イゼットフェニックスでスタート。ここからふんわりイゼットフェニックスをリーグで回し始めます。(この時はまだ赤単バーンと揺れていた)

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友人により、《僧院の導師》が異常に強いことが発覚

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メンターを推されて感心する私

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その後、パイオニア神の少し前からラストサン本戦まで頻繁に連絡を取り合います。主に以下の繰り返しでした。

リーグを回しての感想の共有
 →基本は友人に提案・リストの共有をしてもらって私が回す形。回している最中に感じたことはなるべくメモし、後で私が通話等で共有・提案。
確かめたいマッチのスパーリング
 →サイドカードがどこまで有効か確認(特定のマッチアップのサイド後だけを何度かやってみる)
 →ゲーム中のプレイの最適化など(二人でリプレイを見ながら意見を交わす等)
・デッキリストの調整
 →スパーリングと話し合いを経て調整。翌日以降に私がリーグで試す。

私の方がマジック出来る時間が多かったため、友人からの意見を取り入れてリストを共有後、リーグや紙のイベントで回して記録していました。

[リーグを回した際に記録したスプレッドシート(一部)]

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リーグを回してメモした内容

・どうやって殺されたか
・勝った時は何が有効だったのか
・サイドボーディングはどうしていたか

上記を必要に応じて別シートに画像と共に追記。これを夜友人に共有し、実際に気になったマッチはMOで何度か対戦して感覚を確かめます
これらの調整により、満足のいくリストを完成させることができました。

当日のデッキが出来るまでに生まれた大量のリスト

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当日のメタは多い順に以下を想定していました。今回はこの認識がほぼ正しかったことも大きく勝利に繋がったと感じています。

・イゼットフェニックス、ウィノータ
・バーン、UWコントロール、UWエンソウル
・ロータスコンボ、隆盛コンボ
・他

スイスラウンドでは1Bye込みで6-0と最高の成績を残すことができ、デッキリストには非常に満足しています。本リストの詳細は次章にて記載します。


■ジェスカイフェニックス解説

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mtgo用テキストファイル

■ジェスカイフェニックスとは

1ターンに3つのインスタント・ソーサリーを唱えることで復活する《孤光のフェニックス》、場に出してからインスタント・ソーサリーを4度唱えると裏返り、場の生物をバウンスさせた後に巨大なクロックで殴りかかる《氷の中の存在》によってライフを削る、ミッドレンジ~コントロールデッキです。

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デッキ内の殆どを土地・ドロー・火力で構成しているため初手事故が起こり辛く、墓地が肥えることで《宝船の巡航》を自然と使えるのでリソース切れし辛いが特徴です。多くのドロースペルにより、他のデッキに比べてサイドカードを探しに行きやすいのもメリットです。

《考慮》《火遊び》《表現の反復》といった強力なスペルを手に入れことでより強化され、最近は環境に台頭してきています。

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一方でクロックを2種類のカードに依存させているため、サイド後は墓地対策・単体除去に弱く、別の勝ち手段を用意する場合がほとんどです。今回は白を足すことで、相手の対策カードをかわせるよう工夫していました。

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■デッキ選択理由

メタ上位のいずれともやり合うことができ、頭一つ抜けて強い認識だったため選択しました。パイオニアで最も強いカードである《宝船の巡航》を4枚使えることも魅力でした。

2021/11/10現在のメタゲームです。これに加え、国内のパイオニアではロータスコンボ、ジェスカイの隆盛コンボがある程度存在している、5Cニヴが多め、というのがMOとの違いの認識でした。

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ラストサンではプレイヤーがメタ外のデッキを使ってくることは考えづらいことも踏まえ、これらのデッキを見据えた上でイゼットフェニックスを使うことである程度の勝ちを見込めると考えました。


■カード解説

本デッキの全カードを解説します。
足りない箇所があれば教えてください。追記します。

・土地

メインは白を一切使わないため、必ず青赤のどちらかが出る土地を選択する必要がありました。さらに1ターン目は《選択》《考慮》といった1マナのドロースペルからスタートすることが多いため、青マナが出やすいように構成しています。

土地枚数に関して
既存のリストを見ると、20枚、もしくは19枚+2-3枚の《棘平原の危険》が主流となっていました。これらのリストよりも軽めのドローカード(=《巧みな軍略》)を多く採用することで、枚数を落としつつ土地の事故率は上げないよう調整しています。
初手の期待値が2枚を超える18枚か19枚で検討し、ルーティングなどにより多く引いた土地を捨てられることから19枚で固めました。


2色土地
4《蒸気孔》(赤・青)
3《尖塔断の運河》
(赤・青)
2《さびれた浜》
(青・白)

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色拘束が厳しめのデッキであるため、2色ランドは積極的に採用しました。
《蒸気孔》:2点のライフルーズが気になったが、色マナ安定を優先して4枚。
《尖塔断の運河》:中盤以降のタップインが気になったが、色マナ安定を優先して3枚。
《さびれた浜》:中盤以降に引きたいため、2枚。

今後、赤青のスロウランドも使えるようになるため、新たに検討する必要が出てくるかと思います。


両面土地
4《河川滑りの小道》/《溶岩滑りの小道》(青・赤)
4《連門の小道》/《霧門の小道》(白・青)
2《針縁の小道》/《柱縁の小道》(赤・白)

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常にアンタップイン可能な両面ランドもこのデッキでは非常に強力でした。実質山としての運用になってしまう《針縁の小道》/《柱縁の小道》以外は4枚採用しています。異なる両面土地が手札に来た場合は、赤青両面土地は温存して、今後のドロー次第で色を決定すると良いと思います。


・生物

4《孤光のフェニックス》

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このデッキの主役です。最速3ターンで出ますが、基本的には4~5ターン目に出せるのが理想的です。対コントロールや墓地対後などは手からキャストすることもあるため、ディスカードで捨てる際は考えてから捨てましょう。


4《氷の中の存在》

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このデッキの主役です。2ターン目に出せるのが理想ですが、後引きした場合はディスカード用に使うのか、壁として運用するのか、裏返すのかを状況に応じて判断しましょう。

裏返った際のバウンスは「ホラー以外」です。お互いの場の他の《氷の中の存在》は勿論、《騒乱の歓楽者》《永遠の災い魔》《獲物貫き、オボシュ》《悲哀の徘徊者》などもバウンスされないので念のため意識しておくといいかと思います。


・ドロースペル

4《考慮》
4《選択》

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《孤高のフェニックス》の誘発をさせるため、1マナのドロースペルはフル投入します。《考慮》の登場で墓地が肥えやすくなったため、《宝船の巡航》がより使いやすくなりました。《氷の中の存在》が出るまで待つようなことはせず、積極的にプレイしていきます。幾らでもドロースペルは引けるためです。


4《巧みな軍略》
3《航路の作成》
1《イゼットの魔除け》

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2マナのドロー兼墓地肥やし枠。この3種で最もこのデッキにマッチしているカードが《巧みな軍略》、次点で《航路の作成》だと考えています。1枚で3枚墓地を肥やすことができるため、《宝船の巡航》に繋げるカードとして最適でした。手札の《孤光のフェニックス》を捨てつつドローもしたい為、他の2種も散らして入れています。

既存リストよりも2マナドローを多く取ることで、土地を19枚とした時の安定化に貢献してくれていました。

《信仰の繕い》は手札が増えないことが致命的、かつ白マナの用意も難しいため不採用としました。《イゼットの魔除け》も手札が増えないという点で弱いものの、打ち消しモードと2点モードとしての使用を鑑みて、1枚採用としています。


3《表現の反復》

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スタンからレガシーまで広く使われる最強カードですが、4ターン目以降に強力となるため3枚です。墓地は肥え辛いものの、3枚見て2枚使えるのはやはり強力。サイド後は割と抜ける候補になりがちです。


1《パズルの欠片》

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3マナと重いですが、墓地肥やし+カード2枚を手札に加えることが出来る為非常に噛み合った1枚。重さがネックなので1枚。


4《宝船の巡航》

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最強なので4枚。墓地を数えると持っていることがバレるので、常に墓地の枚数が分かるようにカードを広げておくと良いかもしれません。


・火力

2《火遊び》
2《マグマのしぶき》

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1マナの火力枠。相手プレイヤーに投げられるかどうか、追放できるかどうかが違います。《マグマのしぶき》は、青白コントロールなどの非生物デッキに対して腐ることが多く、今回は2-2で散らしました。ボロスバーンやウィノータ、赤青フェニックスミラーに対しては《マグマのしぶき》の方が有効です。《火遊び》の占術1もこのデッキではかなり強く、自分のアップキープに占術をしてスペルを連鎖させていくケースもありました。

また、似たカードに《焦熱の衝動》《棘平原の危険》が存在しており、この辺りも併せて検討する必要があります。

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4《稲妻の斧》

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《孤光のフェニックス》などを墓地に落としつつ除去することが出来る為、非常に噛み合っています。今回はミラーマッチとウィノータデッキが多いと予想しており、タフネス4の《氷の中の存在》《軍団のまとめ役、ウィノータ》はマストで除去する必要がありました。それを踏まえて4枚採用です。


・サイドカード

1《侵襲手術》

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