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『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』を観る前に、『最後のジェダイ』をおさらいしよう

 岡田斗司夫です。

 今日は、2019/12/15配信のニコ生・岡田斗司夫ゼミ「『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』特集」からテキスト全文をお届けします。

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本日のお題

 こんばんは。岡田斗司夫ゼミ、12月15日ですね。

 もう12月も3回目なんですよね。1回目が明治の面白物語をやって、2回目が『On Your Mark』をやったので、今月はかなり疲れてて。

 基本、僕は「毎月毎月、全力でやるのは2回まで」と決めてるんですね。3回やると死んでしまうのがわかってるから。1回は再放送で、もう1回はお便りや雑談。そんなふうな感じでやってるんですけど。今月は5回ある月なので、まあ、これでいいんですけど。

 だから、今日は出来るだけ軽目にやるつもりでいます。『On Your Mark』はね、本当に疲れたんですよ。その前の明治のやつも、インターネットとはいえ、国会図書館にアクセスして、かなり目がシバシバするくらい疲れたので、軽目にやってみたいと思います。

 今日は無料も限定の方も、そんなに長くないように頑張りたいと思います。

 なんか『シン・ウルトラマン』に関して、新しくデザインが発表されたので、それを喋ってくれよというコメントが、今、流れてたんですけど。

 今のところ、別に感想はないんですよね。「成田亨の元デザインのままのウルトラマンでやる」というのに関しては、今のところ良いも悪いもない。それがどう見えるのかが、まだよくわからないという感じですから。

 ただ、「そんなに気合い入れた企画でもないのかもな」という気が、ちょっとしてますね。今から公開の時期がほぼ決まっているというのもあるんですけども、「これはスケジュール通りにやってくれそうだな」という気もしますね。

・・・

 今日は『スター・ウォーズ』の話です。来週は、新3部作のラスト『スカイウォーカーの夜明け』が、ついに映画館で公開されます。

 実は、来週の木曜日に前日上映があるそうなんですけど、それには申し込んでないので。金曜日から公開なんですけども。

 それに合わせて、金曜ロードショーで、一昨日13日の金曜日に『フォースの覚醒』が放送されて、来週はその続きの『最後のジェダイ』をやるそうなので、まあ、今回は一応、それに合わせてみようと思いました。

 というのも、『スター・ウォーズ』って、シリーズが長くなり過ぎてて、初心者の方にはよくわからないような話になっているんですね。ベテランの人も、あんまり復習してないとわからない、と。

 なんで、僕が「わからない」と言うかというと、僕、昨日、久しぶりに『最後のジェダイ』を見てみたら、内容を全く忘れてて、「えっ? こんなシーンあったっけ?」というシーンが、そこら中にあったんですね。「えっ? こいつ死んでたの? 知らんかったわ」というのが。

 なので、「ベテランの人も復習しておかないと、これ、忘れてるんじゃないのかな?」と思うんですけど。

 一応、アンケートを出してみてください。

(アンケート)

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> Q:『スターウォーズ』を見てますか?
>
> 1. 全部見てる
> 2. 昔のは全部見た
> 3. 最近のは全部見てる
> 4. 全然見てない

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 どうでしょうね? 「昔の」とか「最近の」って、大雑把な聞き方で聞くんですけども。

 はい、結果を出してください。……ああ「全部見てる」がかなり多い。48%。「昔のは全部見た」が31%。「最近のは見てる」がやや少なくて、「全然見てない」が20%。

 プレミアムの方でも、「全然見てない」が30%で、「全部見ている」って人は30%台なんだ。なるほどな。

 つまり、最近のを全部見てる人よりも、昔のは全部見た人の方が多いということは、やっぱり、一番最初の第1シーズン、『新たなる希望』から『帝国の逆襲』『ジェダイの帰還』までを見て、その後は「なんか、ちょっとね」という人が、わりと多いんじゃないかなと思います。

 なので、今日は、これまで見たことがないとか、完全に忘れているという人のために『スター・ウォーズ』を、軽く語ってみようと思います。

『スター・ウォーズ』の「特撮の革新」とは

 『スター・ウォーズ』というのは、1977年から42年間……長い。42年間にわたって続いている、映画業界でも、たぶん最長のシリーズの1つだと思います。

 一番長いのは『007』だと思うんだけど、『007』って、1話完結で、どれを前後ろにしてもあまり変わらなくて、同じ俳優さんがやっているわけでもないので。同じ俳優さんを使って明らかに続きモノのストーリーとしてやっているシリーズとしては、『スター・ウォーズ』が一番長いんじゃないでしょうか。

 『ターミネーター』みたいに、「これは続きモノです」って言ってるのもあるんですけど、あれも、シリーズの中でしょっちゅうリセットが掛かるので。たぶん、1つのお話を延々とやっているシリーズでは『スター・ウォーズ』が映画界では最長だと思います。

 42年間もやっているもんですから、最初の映画を14歳で見た人も、今は56歳なわけですよね。なので、シリーズ全部に付いてきている人って、わりと少ないわけですよね。

 さらに、年代によっても、一番好きな『スター・ウォーズ』は違います。

 例えば、50歳以上のオタクの男性に人気なのは『帝国の逆襲』ですよね。2作目であるエピソード5。

 この「エピソード5」とか「エピソード6」という言い方がややこしいんですよ。これ、僕も嫌いで。

 一番最初に作られたのは、エピソード4、5、6なんです。まあ、この一番最初のシリーズが、6年かけて1983年に完結した、と。みんな「これで終わりだ」と思ったんです。この時は「エピソード〇〇」とか覚えなくてよかったんですよ。『スターウォーズ』『帝国の逆襲』『ジェダイの帰還』これだけ覚えてれば良かったんですけど。

 なので、今日からこの最初のシリーズを、岡田斗司夫ゼミの中だけでは本家スターウォーズと呼ぶことにします。

 で、本家があるんだから、その前のお話は元祖なんですよ。この元祖スターウォーズというのが次に作られることになったから、ややこしいんです。

 本家スターウォーズ(エピソード4~6)が終了してから、20世紀も末になっての1999年、まさかの続編の制作が始まります。これがまた、本家の30年くらい前に遡る話だったんですね。

 元祖スターウォーズは、最初のエピソード1が1999年に始まって、以後、3年毎に新作が公開されて、2005年にエピソード3で完結。これで、もう今度こそ終わったはずだったんですよ。

 ジョージ・ルーカスも、ファンイベントで聞かれても「うるさい! もう絶対に作らない!」って言ってたんですけども。

 ここまでを整理すると、1977年に最初の『スター・ウォーズ』が出ました。その2年後の1979年に『機動戦士ガンダム』だから、そういう時代ですね。

 以後、1983年までの6年間で3本作られて、「これで終わりか」と思っていたら、元祖スター・ウォーズが出てきて、1999年から3年毎に3本。「いくらなんでも、これで終わりだろ」と思っていたら、2015年、4年前から、今度は2年毎に3本が公開され、今年に最新作が公開される、と。

 これが、今やっている、本家、元祖に続く続スター・ウォーズなんですね。

 つまり、もともと本家があって、その前の時代の元祖があって、今は続スター・ウォーズというお話として、やっと時系列が後ろに流れてきた段階なんです。

 なんで毎回、こんなに「これで終わり」とか「まさかの続編」というパターンになったのかと言うと。実は、それぞれのシリーズ、本家、元祖、続、それぞれに特徴があるからなんですよね。

 例えば、本家スター・ウォーズは「アナログ特撮を極めた」という特徴があります。

 とにかく、映画技術の革命を、やりたくてやりたくてしょうがなかったジョージ・ルーカスが、それまでは滅びたと思われていた特撮映画とか怪獣映画みたいなものについて、「今の技術を使ったら、そういう滅びたジャンルの映画も作れるよ!」というふうに、映画界に問いかけた革命行為。それが、本家スター・ウォーズのポジションなんですね。

 それに対して、元祖は「デジタル合成という技術があるんだ」と。

 「これによって、ロケとかセットとかにとらわれなくって構わない。実は映画というのは、監督のイメージ通りのものが作れる時代になったんだよ!」っていう宣言であり、アジテーション。これが、元祖スター・ウォーズなんです。

 「元祖スター・ウォーズ以降の21世紀になってからの映画というのは、CGをいっぱい使っている」って言われるんですけど。これは、監督のイメージをそのまま映像に出来るということであり、それがジョージ・ルーカスの提案であって、現に世界中の映画は今、そういうふうになっているんですよね。

 今やってる、続スター・ウォーズは何かと言うと、「そういう作家性・テーマを持った、言いたいことがいっぱいあるジョージ・ルーカスの手から離れて、ディズニーに渡った」んですね。

 いわゆる「宮崎駿が死んでしまって、鈴木敏夫とディズニーの手に渡ったジブリ」みたいなものですよね。だから、わりと普通の映画になったのが、続スター・ウォーズなんです。

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 じゃあ、話は戻って、本家スター・ウォーズで行われた「アナログ特撮などの映画技術の革新」というのはどういう意味かと言うと。

 本家の3本というのは「こんな映画が本当に作れるのか?」「こんな映像が本当に作れるのか?」というチャレンジの塊みたいなものだったんですよ。

 例えば、1本目の『スター・ウォーズ』というのは、コンピューター制御のカメラでミニチュアと背景の合成を完璧にしてたんです。

 というのも、『スター・ウォーズ』以前の特撮映画では、カメラ位置が固定でミニチュアの動きも一方的だったんですね。

(ロケットの模型を取り出して)

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【画像】アーク号

 例えば、これは『地球最後の日』という映画に出て来るアーク号というロケットなんですけど。これを映画の中に登場させる時は、だいたい、アーク号が進んでいる方向は一方向。それに星空が合成されて一定の方向に動いているというのが、ほとんどだったんですよ。

 今だったら「カメラに向かって寄って来てから離れる」みたいな構図が当たり前ですよね? そういうのが、昔の特撮は一切なかったんです。

 なぜかと言うと、飛んでいるアーク号のシーンを作ろうと思ったら、アーク号の周りに合成用のマスクというのを切って、そこに星空を流すから、一定方向にしか動かなかったんですよ。

 その上、これをやるためのセットも、メチャクチャデカくなったんですよね。

(パネルを見せる 『地球最後の日』原題:WHEN WORLDS COLLIDE、1951年、より)

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【画像】アーク号のセット

 アーク号時代のミニチュアって、まあ、長さが1.5メートルくらいある、かなりデカいもんだと思ってください。これは、この後、ラストシーンの撮影で、1.5mのアーク号のミニチュアが、レールの上を走って山の上へ登って行って、ドーンっと発射されるんですけど。

 この、1メートル以上あるロケットのミニチュアにレールを走らせて上まで登るシーンが一発撮りなんですよ。火薬でロケット噴射を再現して、途中、誤魔化しもなくレールの上を走って行って、上まで行っちゃう。どんなにデカいセットかわかりますよね?

 だから、昔の特撮映画って金がかかったんですよ。金がかかるから、こんなものすごいシーンって、映画全体でも4カットとかに5カットくらいしかないんですよ。

 日本の怪獣映画は、もう本当に、世界の映画の歴史から見たら例外的に、特撮カットが多いんですよね。1本の映画の中に40カットも50カットも出て来るんですけど。その代わり「着ぐるみがミニチュアの町を壊す」というような、いわゆる物理的なシーンが多いんです。

 海外のやつは、もっとリアリティを重視するので、どうしても合成とか、デカいセットが必要になってくる。だから、1本の映画の中で4、5カット出てきたらいいところなんですけども。

 ところが『スター・ウォーズ』の1作目というのは、こんなすげえカットが、だいたい60カットくらいあったんですよね。

 それはなぜかと言うと、このミニチュアを撮る時に、まずカメラの側を動かして立体的に撮ってから、後ろの背景をそれに合わせて、普通に星空の背景があるところを、コンピューター制御のカメラで全く同じように動かして撮影するというモーションコントロールカメラのシステムがあったからなんです。

 このおかげで、ミニチュア合成が簡単になって、カッコいいシーンがわりと安く撮れるようになったんですね。そこら辺が、第1作目の『スター・ウォーズ』が成し遂げた功績です。

 ジョージ・ルーカスというのは、基本的に映像作家なんですよ。

 金儲けが好きな映像監督というよりは、金儲けを手段として山ほど技術革新をして、常に新しい映像、誰も見たことのない映像を見せたい人であり、同時に「世界中の映画業界に革命を起こしたい! みんながこっちの方に行くようにしたい!」というアジテーターでもあるんですね。

 だから、新しい実験がなければ映画は作らないし、映像の革命なしに『スター・ウォーズ』の新作なんか作らない。これが、ジョージ・ルーカスの信念でした。

 なので2作目の『帝国の逆襲』では、彼は完璧な合成をテーマにしたんです。

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【画像】スノースピーダー

 完璧な合成というのは、例えば『帝国の逆襲』の一番最初に出て来るスノースピーダーです。これ、前にも話したんですけども白いボディなんですね。この白いボディが真っ白な雪の上を飛ぶんですけども。この「白の背景の上に白のミニチュアを合成する」というのは、それまでのSF映画では禁断の技術だったんです。

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【画像】スノースピーダーと白い紙

 なぜかと言うと、合成する時に、周りに青いチラチラが出るんですけども、白画面だったら、それがものすごくハッキリわかっちゃう。だから、宇宙空間の合成ならともかく、白い雪の上に白いミニチュアを飛ばすなんていうのは自殺行為なわけです。

 ところが、『帝国の逆襲』では、それをふんだんにやった。おまけに、向こうから、また白とかグレーの巨大な象みたいなスノーウォーカーAT-ATってヤツが歩いてくるという、頭のおかしいシーンをやったんですよね。

 これが、もう本当に映像の革命だったんですよ。つまり、これによって事実上、合成できないものはなくなったんですよ。「ありとあらゆる合成が、おそらく、ここから先は可能になるであろう」と。

 ただし、「それは画面上で5個~10個くらい」という個数的な限度はあるんだけど。「どんなものでも映画の中に出せる」ということを証明したんですね。それが『帝国の逆襲』での革命でした。

 3作目の『ジェダイの帰還』では、個数の革命と言うのかな? 多重合成の限界まで行ったんですね。

 今、言ったように、『帝国の逆襲』では「1つの画面の中に、2つ、3つ、4つくらいだったら何でも出せる」ということを証明したんですけども。『ジェダイの帰還』では「1つの画面内に60いくつの要素を同時に合成する」ということをやってみせたんですね。

 この合成の数が、なぜ難しいのかと言うと。昔はオプチカル・プリンターっていう、フィルムの上に直接焼き付けるような形で合成してたんです。

 つまり、「1つ目の素材を撮る」→「フィルムを2秒間巻き戻す」→「2つ目の素材を2秒撮る」→「フィルムを2秒巻き戻す」→「3つ目の素材を撮る」→「フィルムを2秒巻き戻す」というのを、本当に60回繰り返したんですね。

 そのために……フィルムの横のパーフォレーションという四角い穴がありますよね? フィルムの横に歯車が入るようになっている送り穴があるんですけども。そのパーフォレーションの穴がボロボロになってしまったんです。

 もう、そんなことはやってられないから、ルーカスは、普通はフィルムを縦にバーッと送って撮影するところを、横方向に送ることで、パーフォレーションの数を増やし、それで1コマあたりの丈夫さを確保していって、何とか60数個の要素を合成することに成功したんです。

 『ジェダイの帰還』のクライマックスで、第2デス・スターの前で、Xウィングとか敵の宇宙船とか、タイ・ファイターとかがガーッと入り交じって戦争するカットって、60いくつの要素があって、頭がおかしいような映像になっているんですけども。まあ、これがアナログ合成の頂点なんですよ。

・・・

 もちろん、ジョージ・ルーカスは「それだけでなくて、もっともっと!」って考えてたんですけども。どう考えても、アナログ合成では、これが限界だったんですね。

 なので、本家スター・ウォーズは『ジェダイの帰還』で終わった、と。もう、ごくシンプルに、これが第1の理由なんですよ。

 なぜ、本家スター・ウォーズは3作で終わってしまったのかと言うと、それは革命が限界に来たから。これ以上、フィルム上で出来ることが何もなくなってしまったんですね。

 もちろん他の事情もあります。

 一番デカい事情は「『ジェダイの帰還』が終わった頃に、ジョージ・ルーカスの離婚問題というのがあって、この時、奥さんのマーシアに財産の半分を取られて、スッカラカンになったから」というのがあるんですけど(笑)。

 ただ、もう本当に、やれることがなくなってしまったというのが、一番の理由だったんですね。

 というわけで、まずは「これ以上のイメージを作るのはアナログの特撮の世界では不可能だ」と。

 もちろん、ジョージ・ルーカスは、最初から『スター・ウォーズ』は全6作とか全9作で作りたいと思っていたから、続編を作りたいと思ってたんですけども。まあ、「奥さんだったマーシア・ルーカスとの離婚で、財産の大部分を失ってしまった」と。

 次に、「続編をやるとしたら、前の元祖の部分、いわゆるクローン戦争と呼ばれる『スター・ウォーズ』の本家より前の時代の作品をやりたい。しかし、それはアナログ特撮の限界を遥かに超えるような映像技術が必要だ」と。まず、戦争を描かなきゃいけないし、出て来るモンスターも、これまでみたいな着ぐるみとかでは嫌だし、いろんな状況があって、もう技術的に無理だ、と。

 あと、3番目に、一番最初の『スター・ウォーズ/新たなる希望』って、ジョージ・ルーカスが監督をやったんですけど、その時に「自分は現場というものに、とことん向いてない」と気がついたんですね。

 例えば、ハリソン・フォードという、バンバン意見を言ってくるヤツに対して、自分は満足に言い返せない。彼が他の役者さん達に対して、ちょっと高圧的に当たるのも止められないし、セリフを直してもらうにしても、全ての役者に対して……例えば、オビ=ワン・ケノービ役をやったアレック・ギネスというイギリスのシェイクスピア役者にちょっとバカにされながらも演技指導しなきゃいけないんだけど。なんか、言い切れないとか、そういうストレスが重なったんですね。

 その結果、『帝国の逆襲』と『ジェダイの帰還』は、他の人に監督を任せたんですよ。でも、そうすると、思ったものに仕上がらない。なんか、自分は子供向けのファンタジーのメッチャ良いやつをやりたかったのに、他の人に監督を任せると大人向けの作品に作ってしまう、と。今で言う、マーベルヒーローみたいなものに近くなっちゃうんですね。だから、『帝国の逆襲』って、オタクの人に評判がいいんですけど。

 ジョージ・ルーカスがあくまで目指していた「12歳の子供が全く手加減なく本気で見れるもの」ではなくて、「20、25、30歳くらいの人でも、わりと身を乗り出して見れるもの」に『スター・ウォーズ』の2作目3作目はなってしまった。

 なので、ジョージ・ルーカスは「次をやるとしたら、やっぱり俺が監督をやるしかない! でも、もうあんな監督の仕事をするなんて嫌だ!」と。まあまあ、ロケ行くのも嫌だし、人と会うのも嫌だということで、ジョージ・ルーカスは続編を諦めていたんですね。

 以上の理由で、本家スター・ウォーズのシリーズは終わり、このまま続編も作らないはずだった。

 しかし、意外なことが、この後で起きるんですね。

 やべえ、ここまでで20分じゃん。俺、今日、無料放送は30分で終わる予定だったのに(笑)。

「背景もCG」という革命で作られた元祖3部作

 じゃあ、初めての『スター・ウォーズ』その2に行きましょう。

 さっき話したように、1977年から83年までの3部作の本家スター・ウォーズは「ルーク・スカイウォーカーという田舎の星に住む普通の兄ちゃんが、ジェダイの騎士になって銀河帝国を倒す」という、シンプルな大冒険のお話でした。

 まあ、「落ち込んだりしたこともあったけど、私のフォースは元気です」みたいな感じで、紆余曲折ありながらも、ストレートな良い話なんですよ。

 それが終わった後、「元祖スターウォーズというのを作る!」と、ジョージ・ルーカスがいきなり言い出しました。これが、1999年から2005年です。

 これは、ルークの父親の話なんですね。ルークの父親のアナキン・スカイウォーカーという、もう完全に子供です。その子が『クレヨンしんちゃん』くらいの歳から、青年に成長するまでの話ですね。

 ところが、「その成長の途中で、悪の手先に転がり落ちる」という悲劇を描いたんですよ。

 『スター・ウォーズ』が、ひたすら「正義はやっぱり勝つんだ! 正しいものが勝つんだ!」という盛り上がりなのに対して、この元祖スター・ウォーズというのは、ツラくて悲しい話を描かなきゃいけなかったんですね。

 本当は、ジョージ・ルーカスとしては、もともとシリアルシリーズという、「1本の映画を30分で作って、毎週、映画館で新作を掛ける」という、今で言うNetflixとか、ああいうテレビシリーズみたいなものとして作りたかったんですよ。

 それだったら、第1話から少々悲しい話で始まっても、4週目、5週目でバーッと盛り上がったら、ちゃんとお客さんもついて来てくれたんですけど。元祖スター・ウォーズシリーズって、悲しい話を2時間映画で3本作ったわけです。となると、かなりハンデがあるわけですよね。

 で、今やっている、続スター・ウォーズというのは、その先の話。「本家スター・ウォーズの後の時代に、正体不明のレイっていう女の子の過去探しに、アナキンの孫のカイロ・レンというヤツが色々と絡んでくる」という話なんですけど。

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 もともと、作者のジョージ・ルーカスは、本家スターウォーズで止める予定だったんです。理由は「ここから先のイメージを本当に映像化したら、予算は無限にかかってしまうから」。

 ところが、スティーブン・スピルバーグという、ジョージ・ルーカスの友達……大学時代に自主映画を作ってた頃から、「こいつ、メチャクチャすごいな」という感じで友達になってたヤツなんですけど。そいつが『ジュラシック・パーク』という映画を作ったんですね。

 この『ジュラシック・パーク』を作る時に、特撮部分をILM(インダストリアル・ライト&マジック)というジョージ・ルーカスの会社に発注したんですよ。

 最初はスティーブン・スピルバーグは、恐竜を実物大の巨大なロボットで作るつもりだったんです。ベロキラプトルも何もかも、わりとロボットで作るつもりだったんだけど。

 でも「ロボットは、やっぱり動きがよくない」と。特にティラノサウルス・レックスって、デカいから、やっぱり動きが重くなってしまう。「恐竜は鳥の祖先である」という説を説明するためにも、やっぱり、恐竜の動きというのを、これまで誰も見たことがないくらい軽やかにしたかったわけですね。

 「どうやって撮ればいいんだろう? やっぱり、誤魔化してミニチュアとか、人間の手が中に入っているようなパペットで撮るしかないか」と思ってたら、ILMのコンピューターグラフィックスチームが、「コンピューターグラフィックスで恐竜を作ってみた」と言ってきたんですね。

 スピルバーグも、最初はそれを全然信じてなかったんだけど。実際に見てみたら「これ、メッチャ使える!」と。特に、ティラノサウルスなんか、一番最初、骨だけのティラノサウルスが動いて、その上に筋肉を付けたら、筋肉の動きが見えるようにちゃんと動いてて、上に皮膚を貼ったら皮膚が筋肉の動きで歪んでシワが出来て、ものすごいリアルに見える。

 スピルバーグは「コレだっ!」ということで、それまで発注していたロボットの恐竜を一部キャンセルして、結局『ジュラシック・パーク』は、コンピューターグラフィックスがメインのキャラクターになるという、すごく珍しい映画になったんですけども。

 それ以上のショックを受けたのが、ジョージ・ルーカスだったんですよ。

 ジョージ・ルーカスは自分の会社にそんな研究をさせておきながら、コンピューターグラフィックスによる生物なんて信じてなかったんですね。

 とりあえず、映像作家だから目の前にあるものは信じるんだけど、「そんなコンピューターグラフィックスとやらで、どこまでの物が出来るかな」と。もちろん、『帝国の逆襲』とかにも、一部使ってたんですけども、信じてなかったんです。

 だけど、『ジュラシック・パーク』を見て「これはいけるかもしれない」と思ったんですね。

 『ジェダイの帰還』の時に、やっぱり嫌になったのが、ジャバ・ザ・ハットというモンスターを動かしている時だったんですよ。

 『帝国の逆襲』でヨーダを出した時は、パペットとして出したんです。下から手を入れて動かす、いわゆるタオルくんタイプのキャラクターだったんですよ、ヨーダっていうのは。で、この動きがすごく良くて、まるで生きているみたいだったんですよ。

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【画像】タオルくん

 なので、これを使ったフランク・オズのチームに、金を山ほど渡して「今度は、長さ3メートル近いナメクジの化け物みたいなのを作ってくれ」と言ったら、フランク・オズのチームは、すごく頑張って、長さ3メートルのナメクジを作ったんです。本当に、20人掛かりで操作するやつですよ。

 でも、どう見ても、やっぱり「長さ3メートルの着ぐるみ」にしか見えないわけですよね。やっぱり、ジョージ・ルーカスが思っているようなものにはならなかった。

 『ジェダイの帰還』の中には、青い象さんとかが出てきて、エレクトーンみたいな楽器を弾くシーンがあるんですけど。それも、やっぱり「青い象さんの着ぐるみがエレクトーンを弾いている」ようにしか見えないんですよ。

 いや、あの時代のアナログ特撮って、味があって僕は好きなんですけど。やっぱりね、ジョージ・ルーカスは「味があって良いね」と言う人じゃないんですよ。映像作家ですから。

 本当に、ジョージ・ルーカスが、ジェームズ・キャメロンみたいなオタクの大馬鹿者だったら、たぶん『帝国の逆襲』とか『ジェダイの帰還』の時のお安い特撮でも、ニヤニヤしてOKを出してたと思うんですけど。ジョージ・ルーカスは映像作家ですから「味があって良いね」ではなくて、「これでは映像の革命にならん!」と思ったわけですね。

 なので、「この『ジュラシック・パーク』に使ったコンピュターグラフィックスの技術があったら、もっとまともなエイリアン作れるじゃん!」というふうに思ったわけですね。

 「これだったら、やっと元祖スター・ウォーズ、つまり、30年以上前の時代のクローン戦争を描いた映画を、本当に作れるかもしれない!」と思ったんです。

 しかし、ジョージ・ルーカスは、離婚したばかりで金がない、と。

 そこで、コンピューターグラフィックスの練習も兼ねて、本家スター・ウォーズを修正することを思いついたんですね。

 本家を修正して、一部のシーンにCGを足す。例えば、Xウィングファイターがデス・スターに行く時に、飛行機の数も少なくて、カメラアングルも単調だったので、ちょっとこれを立体的にした。さっき言ったモンスター達、エイリアン達も、デジタルで入れ替えました。

 そうしたら、まあ、映画はヒットして、ビデオも売れまくったんですね。

 つまり、ただ単に一部のシーンをデジタルに切り替えて、CGを足すだけで、ファンは喜んで見てくれる。それで、お金がいっぱい入って、やっと新作を作る金も出来た、と。

・・・

 さらに、この実験を通じてわかったのが、「背景の世界すらもコンピューターグラフィックスで作れる」ということだったんです。

 これは、モンスターとかエイリアンよりも遥かに映画界に革命を起こせるんですよ。

 かつてのハリウッドには歴史大作というジャンルの映画があったんですね。

 例えば、『クレオパトラ』とか『ベン・ハー』。昔は、そういう歴史を描いた映画がいっぱいあったんですよ。僕が小学生の頃くらいに見た『十戒』という映画も、モーゼが出てきて、「神の力を見よ!」とか言ったら、紅海が真っ二つに割れて、そこにユダヤの民達がわーっと逃げていくというのがあったんですけど。

 それらは、ある時期を境にパッタリとなくなっちゃったんですよ。

 なぜかと言うと「セット作るのが大変だから」です。

(パネルを見せる)

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【画像】『イントレランス』のセット

 これは、映画の歴史の中でも、ごく初期に作られた『イントレランス』(1916年公開)という映画のセット、古代に繁栄した悪の都バビロンなんですけど。これでセットの一部なんですよ。

 下の方で、無数にわーっとやっているのが人間で、メチャクチャ高い門を作って、その門の上に人がいて、さらにその上に塔があって、その塔の上にも人がいて、その上に象の作り物とかがあって、この上にも人がいたりするんですけども。

 とにかく巨大、あまりにも巨大で、このセットは壊すことすら出来なかったというんですね。「映画を作ったはいいが、セット壊せないよ」と。

 とにかく、こんな時代ですから、それでも一応、遠近法とかを使って大きく見せる工夫はしているんですけど、そんなに性能が良いレンズがないんですね。なので、もう、馬鹿正直に「実物大のセットを奥行きそのままで作る」しかなかったんです。

 これはグリフィスという監督が作った映画なんですけど。基本的に、歴史モノって、こういうものなんですよ。

 だから、『ベン・ハー』を撮るにしても、大航海時代の船の映画を撮るにしても、もう出来るだけ実物大のセットを作って、その中で人間を動かすしかないので、歴史ものってメチャクチャ金がかかるんですよ。

 そんな歴史モノが、ハリウッドで、特に映画がカラーになった時代に流行ったんです。

 「映画がカラーになりました。じゃあ、何を見せましょうか?」と。最初は「踊り子さんたちの服が綺麗だ」とか、そんなの見せてたんですけども、それだけだと観客が納得しないんですね。そうじゃなくて、エジプトとかローマとか中国とか、いろんな時代の、もう本当に絢爛豪華できらびやかな宮殿の中を見せると、やっと観客が映画館に来てくれるわけですよ。

 その結果、映画を1本作るのにとにかく金がかかった時代というのが、1950年代から60年代にあったんです。

 で、そんなに金をかけているから、映画が1本外れると、つまり大ヒットしないと、映画会社が潰れてしまった、と。

 まあ、一時期のエニックスみたいなもんですね。とにかく『ドラクエ』が1回でも外れるとエニックスが潰れる。とにかく『ファイナルファンタジー』が1回でもヒットしなかったらスクウェアが潰れるという時代があったんですけど。あれと全く同じ状態だったわけですよ。

 その結果、映画会社がバッタンバッタン潰れた、と。まあ、そんな時代が1960年くらいにあったんですけども。結局、それによって、大作映画とか歴史モノというのがジャンルごとなくなってしまったんですね。

 ジョージ・ルーカスというのは、映画界に革命を起こすことで、同時に、失われたジャンルの映画を復活させたいと思っていたんですよ。

 『スター・ウォーズ』の新しい特撮によって、モンスター映画、宇宙映画、SF映画、怪獣映画という、ハリウッドでは作られなくなってしまったオバケ映画みたいなものを復活させた。結局、『スター・ウォーズ』がヒットしたおかげで、あの技術があったおかげで『ゴースト・バスターズ』みたいな映画も出来たわけですから、本当にそうなんですよ。

 ジョージ・ルーカスが元祖スター・ウォーズでやりたかったのは何かと言うと、「歴史モノを復活させたい」ということだったんですね。

 金がかかってしょうがなくて、1本コケたら映画会社が潰れてしまうような歴史映画。もう作られないと思われていたこのジャンルだけど、もし、コンピューターグラフィックスで背景を作って、その中に人間を入れ込むことが出来たら……つまり、今となっては評判が悪い「全部グリーンの幕の前で演技しろ」ということなんですけど。でも、これが出来れば「コストをそんなにかけずに『グラディエーター』みたいな歴史大作が作れるようになる」ということなんですよ。

 そんな革命をジョージ・ルーカスはやってくれたわけですね。

 これが、元祖スター・ウォーズで、ジョージ・ルーカスがやったことです。

 それが出来たのは「自分の映画を作りたい!」という以外に、「新しい革命を起こして古いジャンルの映画を蘇らせたい!」というジョージ・ルーカスの夢があったからなんです。

 例えば、これも前に見せたことがあるんですけど、『タワーリング・インフェルノ』という、1970年代にハリウッドで作られた「ただ単に、高いビルが火事になって、スティーブ・マックイーンとかが消防士としてそこに行く」というだけの映画なんですけど。

(パネルを見せる)

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【画像】『タワーリング・インフェルノ』のセット

 これは、その映画の中で出てくるグラスタワーというビルのミニチュアなんですけど。ここに立っているのが作業員なんですね。作業員がクレーンを使って立ててるんですけど、このミニチュアの高さが、もう40メートルくらいあるわけですよ。

 ここまでのセットを作らないと、パニック映画を作れなかったんですね。パニック映画も、とにかく金がかかって仕方なかった時代なんですけど。

 これも、ジョージ・ルーカスが元祖スター・ウォーズの時に確立させた「コンピュータ・グラフィックスを合成させる」という技術によって、こんなデカいミニチュアは作らなくてよくなったわけですね。

・・・

 そうやって完成したのが元祖の3部作です。

 元祖3部作では、ジョージ・ルーカスのイメージ通りに、いろんな惑星の風景を出せたわけですね。

 例えば惑星ナブーにある水中の都市とか、あとは、クライマックスの溶岩に覆われた火山の惑星とか。

 あとは、その中で、ルークの父親アナキン・スカイウォーカーが、どのようにしてダース・ベイダーになってしまったのかというのを、溶岩の上での決闘というので語ることが出来た。

 これは、本家スター・ウォーズを作っていた時からルーカスが思っていた「この一家の悲劇、お父さんは悪の手に落ちてしまって、息子はどうなるのかという流れを描かないと、息子の話だけ描いてもしょうがない」という、大変大事な前フリだったんですけど。それをやっと撮ることが出来た。

 ともかく、この元祖3部作というのは、ルーカスの思い通りに作れたわけです。

 ルーカスは、この出来に満足して、またもやファンたちに宣言するわけですね。

 「『スター・ウォーズ』はこれ以上は作らない」と。「本家があって、元祖があって、もう、これ以上は作らないよ」と。

 なぜかと言うと、「今や、デジタル技術でどんな風景でも見せることが出来るし、どんなモンスターも出すこと出来るようになった。もう、これ以上、映画の歴史を変えるような革命は存在しない」というふうにジョージ・ルーカスが思ったからです。

 だって、元祖スター・ウォーズでは、嵐の海というのすら出したわけですから。いわゆる、海みたいなものも、雲の中も、水中も、全てCGで作って、その中に俳優さんを入れることが出来るとわかったから、「もうこれで、これ以上の映画の革命はないな」と。

 まあ、ジェームズ・キャメロンが、3Dで『アバター』を撮った時に「あれ?」と思ったジョージ・ルーカスは「じゃあ、『スター・ウォーズ』も3Dで作るよ」って、ちょっと言い出してたことがあったんですけど。

 それは「3Dで作ることによって新しい映画の革命があるかも」と思っていたからのことであって、やっぱり、ジョージ・ルーカスとしては「そこまでのものじゃないな」と思い直したので、3Dで作ることを止めたわけですね。

 だから『スター・ウォーズ』というのは、実はこの2005年の元祖シリーズが終了した時点で終わるはずでした。

 ここまでが、『最後のジェダイ』の前振りなんですよ。ここから『最後のジェダイ』の話を軽くするんですけど。

中国人にも日本人にもアピールできなくなった『スター・ウォーズ』

 「最初の本家スター・ウォーズの3部作と、時代を遡った元祖スター・ウォーズの3部作がある」と言いました。

 元祖のシリーズが終わった後、2012年、ルーカスフィルムを買収したディズニー社は、マーベルシネマティックユニバース(マーベルヒーロー映画)の成功によって、「『スター・ウォーズ』シリーズはこれからも続けるべきだ」と主張しました。

 ジョージ・ルーカスは、これに対して、「いや、俺はやらないけど、やるんだったら協力するよ」みたいなことを言ってたんですけど。

 その結果、2015年から今に続く3部作の公開が始まりました。

 この新シリーズで最も必要だったのが「キャラクターの世代交代」だったんですよ。つまり、「前シリーズまでのキャラクターに頼らない」ということ。

 なぜかと言うと、もう、実に簡単で。中国市場という問題があったからです。

 実は『スター・ウォーズ』というのは、中国では全然当たらないハズレコンテンツなんですね。面白さが伝わってないし、知名度も低い。

 なぜかと言うと、ちょうど一番最初の本家スター・ウォーズが公開した頃、中国は文化封鎖というのをやっていたので、西洋の映画が中国に入って行かなかったんですね。なので、中国の人達というのは『スター・ウォーズ』の面白さを知らなかったんです。

 彼らが初めて見た『スター・ウォーズ』は、元祖スター・ウォーズのエピソード1~3の、暗い『スター・ウォーズ』だったんですね。アナキン少年がダース・ベイダーになっていく話だったんですよ。なので「あれ?」と。あんまり盛り上がらないままだったんですよ。「この後には、すごい痛快なルーク・スカイウォーカーの冒険がある」というのが、よくわからないままあれを見ちゃったものだから、「あれ?」になってるわけですね。

 なので、新シリーズを作っても「ルーク・スカイウォーカーが~」とか「ダース・ベイダーが~」とか「アナキンが~」とか言っている限り、中国では客が来ないわけなんですよ。

 だから「もう、全部1回やり直して、キャラを新しくする」というのが理想だったんですね。

 ところが、ジョージ・ルーカスは、ディズニーにルーカスフィルムを売った時の「『スター・ウォーズ』の続編やっていいよ」という話し合いの中で、「前の『スター・ウォーズ』を大事にしろよ?」という条件を、当たり前ですけど、厳しく付けたわけですよ。

 なので、ディズニーとしては「さて、どうしよう?」と。「中国でヒットさせるためには、もう『スター・ウォーズ』の名前だけを使って、とにかく完全に新しくした方が良いのはわかっている」と。「しかし、本当にそんなのを作ったら、たぶん中国以外の世界中の『スター・ウォーズ』ファンが怒るよ」と。「それはまずい」と。

 ジャー・ジャー・ビンクスという、世界中で嫌われたキャラがいたんですけど、あの時の騒動がみんなの頭の中にはあるんですね。なので、嫌われるようなことはやりたくない。でも、中国の人にもアピールしたい。

 そんな、すごく難しい状況の中、新しい3部作を作らなければいけなくなったんですね。

 そうやって、作られた『フォースの覚醒』という新シリーズだったんですけど。

 その続編である、これから話す『最後のジェダイ』は、悲しいことに、やっぱり中国市場でヒットしなかったんですよ。どれくらいヒットしなかったかと言うと、『最後のジェダイ』なんて「公開途中で打ち切りになった」ってほどですから。俺、『スター・ウォーズ』で、そんな話、聞いたことがないんですよ。「客が入らないから打ち切りになった」って。

 『最後のジェダイ』は、中国では、それくらいヒットしなかったんですね。

 なぜかと言うと、やっぱり、前のシリーズを背負う形になっちゃってて、「結局、ルーク・スカイウォーカーって誰なの?」とか「結局、ダース・ベイダーって誰なの?」っていうお話になっちゃったからなんですよね。

 虻蜂取らずというか、二兎を追う者は一兎をも得ずというか。まあ、そんな感じだと思います。「前作からのキャラや設定をゼロに出来なかったからだ」と僕は思っているんですけど。

 で、今、日本でも同じような状態なんですよ。

 日本でも「『スター・ウォーズ』を見たことがない」とか「もう、長過ぎてよくわからない」とか、そういうふうな人がいっぱいいる。あとは、もうストーリーも混乱している。

 なので、今日は、来週の金曜ロードショーでやる『最後のジェダイ』の楽しみ方を、無料の最後に話そうと思います。

『ドラゴンボール』で理解しやすくなる『スター・ウォーズ』

 結論を言います。

 『スター・ウォーズ』だと思うからわからないんですよ。あれはね、『ドラゴンボール』だと思ってください。

 『ドラゴンボール』だと思ったら、急に全体がわかりやすくなりますから。

 2015年から始まった、続スター・ウォーズというのは、前のシリーズとは時代が違う、後の世代のお話なんですけど。そこに出て来るキャラクターというのは、だいたい前のシリーズのキャラクターの子供達なんですね。

 だから、『ドラゴンボール』で言えば、孫悟空ではなくて、孫悟飯が主人公になったと思ってください。『ドラゴンボール』にもあるじゃないですか。ハイスクール編というヤツが。僕、結構、好きなんですけど。

 悟飯君が高校生になって、学校に通いながら、謎のスーパーヒーローになって、同級生のビーデルちゃんという女の子から「あんた怪しいんじゃないの?」とか言われる話。アレだと思ってください。アレをやっているんですよ、延々と。

 ところが、みんなは「悟空は出てこないの?」「悟空はまだ?」と言う。作っている側としては、「いや、この新キャラの高校生の悟飯を見てください」って言ってるんですけど。

 その高校生の悟飯に当たるのが、カイロ・レンとか、レイという新キャラなんですよ。ところが、その新キャラの裏にいる、ルークとかハン・ソロというヤツが、もうお馴染みすぎて、みんな「あいつらはまだなの? まだなの?」って思ってる。その結果、『ドラゴンボール』では、やっぱり孫悟飯は主役になれなかったわけですね。

 今の『スター・ウォーズ』シリーズの悲劇というのは「レイとかカイロ・レンというキャラが弱い」と言うか、「前のキャラが強過ぎる」ってことなんです。やっぱり、みんな、ベジータや悟空が出てきたら、喜んじゃうんですよ。その辺りだと思ってください。

 ということで、前の主人公の悟空のイメージが強過ぎて、なかなか主人公になりきれなかった孫悟飯の話というのが、今の『スター・ウォーズ』なんです。

 今回の主人公のレイというも、まあ、前のシリーズのルークやアナキンのイメージが強すぎて、霞んでしまっている。

 まあ、だから、『最後のジェダイ』を楽しむ1つ目のコツは、「『最後のジェダイ』って、やっと孫悟空が出てくる話」なんですよ。つまりルーク・スカイウォーカーが出てくるんですね。

 なので、「これはルーク・スカイウォーカーを見る話だ」と割り切って見たら、かなり楽になるんですね。

 『最後のジェダイ』は、レイがルーク・スカイウォーカーに会うところからスタートします。

 というか、正直に言うと、その前に20分もあるんですけども。レジスタンスとファースト・オーダーという、2つのやつらの宇宙船の艦隊決戦とかがあるんですけどね。ここは、録画で十分なんですよ。金曜ロードショーで見る時も、最初の20分は録画しておくだけでいいです。見なくても大丈夫です。

 とにかく、「レイという身体中に包帯巻いた柔道着みたいな服を着たお姉ちゃんが、ルーク・スカイウォーカーに会う」という、「ようやっと悟飯君が悟空に再会する」というシーンを、ワクワクしながら見てください。

 「やっと悟空と悟飯が会えたぞ! どんなやり取りをするんだろう? オラ、ワクワクすっぞ!」みたいな感じで見てると、ちょうどなんですよ。艦隊決戦は、後でビデオで見るので大丈夫です。

 孤児の悟飯君は、宇宙の最果ての島みたいなところで、もはや世捨て人になった孫悟空と会うんですよ。

 まあ、この悟空は、本当のお父さんではないので、拗ねてた時期のピッコロさんみたいなものだと思ってください。

 「ピッコロさん、僕を修行して鍛えてください!」と悟飯君は言うんですけど、ピッコロさんは「俺はもう地球とは関係ない」とか言う。そんなところから始まるんですよね。

 ところが、悟飯君はなんでこんな所に来たのかと言うと、フリーザ一味みたいな敵がいるわけですね。本当はファースト・オーダーと言うんですけど、それも、もう覚えなくていいです。

 「フリーザ一味みたいなやつらから宇宙を救ってください」と言いに、ピッコロさんところに来たんですけども、ピッコロは無視した。仕方なく、修行だけをさせてもらうんですよ。いわゆる『ドラゴンボール』で言う「気」の修行ですね。気の修行のことをこの世界では「フォース」って言うんですけど。

 あの、『ドラゴンボール』の気と『スター・ウォーズ』のフォースは、ほぼ同じ意味だと思って問題ないです。それを使って飛ぶことも出来れば、場合によってはレーザー光線止めることも出来るという。「何でもありだ」と思っておいてください。わりと似てるんですよ、フォースと気って。

 そうやって押しかけ弟子になるんですけども、ピッコロは冷たく、「関係ない、関係ない」と言うんですね。

 どうも、ピッコロさんの心の中には、昔の弟子に裏切られたというトラウマがあるみたいなんですね。この昔の弟子は、カイロ・レンというやつなんですけど、まあ、ベジータみたいなやつだと思ってください。

 この辺から、『最後のジェダイ』という映画は、レイという主人公の女の子はどうでもよくなって、ルーク・スカイウォーカーの話がどんどん面白くなっていくんですよ。

 なので、ルークは後に……彼には、すでに死んでいる亀仙人みたいな師匠がいるんですよ。小柄な亀仙人みたいなヨーダっていう師匠なんですけど。まあまあ、死んだ亀仙人と話したり、「オラがいないほうが、宇宙のためにもいいんだ」みたいな、一時期の悟空みたいなことを言い出したりするんですけど。

 この辺まで見たら、ようやっと巻き戻して、最初に録画したレジスタンスとファースト・オーダーの宇宙艦隊の決戦を見てもいいです。

 それを見ると、ずーっと追っかけっこやってて、いよいよ「燃料がないよ! どうしよう!」という話になっています。

 その途中で、年を取ったブルマみたいなおばさんの、レイア姫というキャラクターが出てくるんですけど、そのレイア姫が真空の宇宙空間の中にバーンと吹っ飛ばされるんですよ。

 そしたら、気の力、フォースの力で戻って来たりするんですけど。あれも、『ドラゴンボール』の舞空術だと思えば納得出来ると思います。「宇宙空間に吹っ飛ばされたブルマが舞空術で戻ってくるという話だ」と思ってくれたら、まあ、ほぼ間違いないですね。

 この宇宙艦隊に追いかけられるという追いかけっこを解決するために「ヤムチャみたいな黒人とアジア女とのコンビが、別の星に行く」というくだりがあるんですけど、後で、これが全くの無駄足だったとわかります。

 本当に「何のためにこのシーン入れたの?」というような話だから、ここも後で時間が空いた時に見るので大丈夫です。

 『最後のジェダイ』って、こういう実は要らなかった話がすごい多いんですよ。

 これって、それぞれのキャラクターを描くためには必要なんですよ。「ストーリーの本質には関係ないんだけど、キャラクターを描くために必要」という。

 つまり、これって、どう考えても、テレビシリーズ用の脚本なんですよ。テレビシリーズで考えていた、もともとのシナリオを、無理矢理、映画にしたような感じになったから、こんなことになったんだと思うんですけども。

 とにかく、レジスタンスの人達は、ようやっと隠れ家の星に逃げ込んだ。

 その一方で、孫悟飯ことレイは、因縁のベジータ、つまりカイロ・レンにとっ捕まって、フリーザ様の前に連れて行かれます。しかし、ここでまさかのベジータの裏切りで、フリーザ様は死んでしまうわけですね。

 「フリーザ様」ってずっと言ってますけど、本当はファースト・オーダーのスノークっていう悪いやつです。まあ、でも、もうフリーザと覚えて大丈夫です。

 ここで感動の「孫悟飯とベジータが2人で力を合わせて戦う」という良い展開があるんですけど。しかし、ベジータが「俺達2人で宇宙を支配しよう」と、まあ、ベジータだったらいかにも言いそうなことを、カイロ・レンというヤツが言うんです。それに、レイはドン引きして、そのまま逃げてしまう。

 フラれちゃったベジータは、かつての同僚で今は部下の、ナッパみたいな、軍服を着たヤツがいるんですけど。そのナッパと一緒にムキになってレジスタンスの隠れ家に最後の攻撃を仕掛けに行くんですよね。

 この辺りも、もう、見ててちょっとイライラします。

 なぜかと言うと、レジスタンスって、さっきの追っかけっこの結果、もう、ほとんどが死んでるんですよ。最後の隠れ家みたいな星に行った時には、30人くらいしか残ってないんです。「30人のレジスタンスをそんなムキになって追いかけるか?」という問題が1つ目。

 もう1つは、追いかけて行ったファースト・オーダーの宇宙艦隊が……『ジュラシック・パーク』の第1作で女の博士役をやってたローラ・ダーンという役者がいるじゃないですか。このローラ・ダーンが、宇宙船の艦長になっていて、その人が最後にワープを使った特攻を掛けるんですね。そしたら、それだけでファースト・オーダーの宇宙戦艦は、ほぼ全滅しちゃうんです。「そんな手があるんだったら、なぜ『スター・ウォーズ』の第1作から使わないんだ?」と。

 そんな、ワープ特攻のおかげで、ファースト・オーダー艦隊は、ほぼ全滅なんですよ。なのに、意地になって隠れ家の惑星へ乗り込んで行くという。

 片や、逃げる30人程度のレジスタンス。片や、ジュラシック・パークのローラ・ダーンにやられてしまい、僅かな残存勢力のファースト・オーダー。そんなのが、隠れ家惑星で最後の対決するんですけど。

 ……いや、疑う人がいるかもわからないですけど、本当に『最後のジェダイ』ってこんな話ですからね? これを最初に頭の中に入れておかないと、何を見ているのかわからなくなるんですよ。

 さっき話した「途中で関係ない星に行く」っていうシーンでも、そこはギャンブルばっかりやっている惑星なんですけども、見せ場はいっぱいあるんですよ。でも、それを本気で見ていると、「あれ? これ、何の話だっけ?」ってわからなくなるんですけど。

 メインストーリー、今言ったようなものなんですね。

 さて、いよいよレジスタンスは全滅かと思ったら、そこにルーク・スカイウォーカーが瞬間移動で現れるんです。

 もう、本当にアレですよね。「オラ、ナントカという星で瞬間移動の方法を聞いてきた」という孫悟空みたいな感じで現れるんですよね。「ちょっと待てよ!」と。「宇宙船もないのに、お前、どうやって来たんだ?」って。

 ポンとルーク・スカイウォーカーが現れて、ラストは孫悟空とベジータの一騎打ちが始まるわけです。カイロ・レンが十字架型のライトセーバーを出して、ルーク・スカイウォーカーと、ライトセーバーでの一騎打ちが始まるんですけど。

 ルーク・スカイウォーカー役をやっているマーク・ハミルって、もう、60超えたジイさんですから、動くのがやっとの状態なのを、たぶん、スタントマンを使ったりアングルを考えたりして、何とか互角の戦いをやってるように見せてるんですけど。

 しかし、「その孫悟空の正体は、実はフォースで作ったホログラムだった!」というような、まあ、驚きのオチというのがあって。またまた関係ない話だったわけですね。もう本当にこの映画、「クライマックスかと思ったら実は関係なかった」というのが多過ぎるんですよ。

 で、まあ、このカイロ・レンというベジータは、ルーク・スカイウォーカーが出てきたもんだから、艦隊の生き残りたちに「ちょっと待て。みんな、手を出すな」とわざわざ言ってから、1対1の対決を始めるんですね。

 しかし、ルーク・スカイウォーカーと……まあ、ホログラムなんですけど。1対1のチャンチャンバラバラに気を取られ過ぎてその間に、30人しかいないようなレジスタンスに、むざむざと逃げられてしまうという。本当にね、酔っぱらいが考えたようなストーリーでしょ? こんな話なんですよ。

 でも、孫悟空ことルーク・スカイウォーカーは、気を使い過ぎて、まあまあ、死んでしまうわけですね。

 たぶん、このルーク・スカイウォーカーの死に方も、わりと良い死に方なので、界王様にお願いしたら、あと1回か2回くらい出番がありそうな感じ満々なんですね。

 「これ、界王様いるな」と。たぶん、『スター・ウォーズ』世界には、界王様みたいな存在は出てこないだろうけど、「これは、居るな」という感じで、出てきそうなんですよ。

 「たぶん、界王様にお願いしたら、ちょっとくらい、こっちに帰って来れるから、あんまり悲しまないでくれよ」と。「悟飯、あんまりオラのことは気にするな。母さん(レイア姫)のことは頼んだぞ!」みたいな感じで死んじゃうわけですね。

・・・

 だいたい、こんな感じなのが『最後のジェダイ』のお話です。

 聞いてわかる通り『最後のジェダイ』で進んだ話というのは、まず、「一番悪いスノークが死んで、カイロ・レンが悪役トップに成り上がった」ということ。

 次に「頼りになるルーク・スカイウォーカーが死んじゃった」ということ。

 「主人公のレイは、ちょっとだけ強くなった気がする」ということ。まあ、修行をちょっとだけやったので。

 で、「レジスタンスもファースト・オーダーも、両者とも大打撃を受けたので、実はこの時点でお話は、ほぼ終わっている」ということ。

 最後に「途中、カジノの星とか、ルークとレンの対決とかがあったんだけど、まあ全部が無駄だった」ということ。

 なので、実は、来週から公開される新作映画の『スカイウォーカーの夜明け』って、おそらく、これまでの経緯を気にせずに見に行っても大丈夫だと思ってます。というのも、両者の力関係とか人物関係が、全部リセットされているんですよ。

 ここまでの話って、たぶん、テレビシリーズの12話くらいでやったら、メチャクチャ面白いんです。それのダイジェストだから、僕が今言ったような、とっ散らかしたような感じになっちゃうんですけど。僕は「これ、テレビシリーズの企画をそのまま映画化したというのが失敗だったんじゃないかな?」と思っています。

 この『スカイウォーカーの夜明け』とか、あとは、2022年からまた3部作を作るって言ってるんですけど。それがどんな話になるのかというのは、限定の方でちょっと話をしてみようと思います。

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