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補陀落山寺、那智参詣曼荼羅、文覚上人、熊野三所大神社。そしてみどりやに宿泊

2024年5月4日@熊野
熊野の旅2日目
神秘ウオークのつづき
補陀落山寺、熊野三所大神社へ。

初めて熊野に来た時に三山巡りバスに乗り、バスの中で流れた熊野の紹介ビデオで補陀落渡海(ふだらくとかい)のことを初めて知った。

南方の彼方に観音菩薩のいる補陀落があると信じて、僧侶が30日分の食料と水を積んだ船に乗り込み、観音浄土を目指して船出し、そのまま流されて船ごと沈む。四方が囲まれて釘が打ち込まれているので逃げたくなっても逃げ出せない。志願した者ならいいが、中には無理矢理乗せられ、逃げ出したのにまた崖から落とされた者がいる‥みたいな内容のビデオだった。キャー😱
その時は正直、ゆかりの場所に行くのは怖い気がした。

今年2月にやってきた時には、那智駅から那智大社まで歩いたので、出発地点の補陀落山寺にも行ってみた。穏やかな観音様がおられ、怖さはもうなかった。

聖観音菩薩と地蔵菩薩像



そして今回。中に入ってお参りし、お寺の方からお話を聞くことができた。
熊野では平安から江戸時代まで二十数回に渡り、渡海が実行された。宗教的な習わしであり、自発的に志願した者が乗ったという。

復元されたレプリカがある。とても小さい。こんな小さな船は大海原ではひとたまりもないだろう。捨て身の行。生きたまま仏になる即身仏と似ているなと思った。

お寺の中に入り、那智参詣曼荼羅の説明をしていただく。
那智の賑わいを描き、聖地への勧誘をするためのチラシ(パンフ)のようなもの。山伏や比丘尼が折り畳んで持ち歩き、全国に散らばって、この絵を見せながら熊野をアピールし、普及活動をしたのだ。
事細かに描かれており、一つ一つに物語がある。補陀落渡海のシーンも描かれている。

滝に打たれて両側から支えられているこの方はどなたなのだろう。気になったので聞いてみたら、鎌倉時代の僧侶・文覚(もんがく)上人という方だった。真冬の那智で滝行をしている時に気絶して落下するところを不動明王のお使いの童子二人に助けられた様子が描かれている。

文覚というのは、源頼朝に平氏打倒の挙兵を促したり神護寺を復興したりした有名な人らしい。若いころ友人の妻である袈裟御前(けさごぜん)に恋をして、友人を斬ろうとするが、夫の身代わりになった袈裟御前を殺してしまい、出家して苦行の旅に出た。そういえばこのお話もバスツアーのビデオで見て、キャー😱となったのだった。なんか熊野は壮絶エピソードが多いなぁ。(今回の旅であの時のビデオ内容の理解が深まっている)


補陀落山寺には、熊野三所権現を祀る神社「熊野三所大神社(くまのさんしょおおみわやしろ)」が隣接しており、ここもまた神仏習合を感じる場所である。

境内には浜の宮王子の跡があり、浜の宮大神社(はまのみやおおみわやしろ)とも呼ばれる。
交通の要所で中辺路と大辺路の分岐点だったそう。

ここには「丹敷戸畔命(にしきとべのみこと)」もまつられている。熊野の女性首長であり、熊野の霊的リーダーであり、神武の攻撃に対して戦った人であるという。

「聖地をたどる旅ー熊野」より
夫婦楠の巨樹

とても大きな木がある。以前は渚の森という森が広がっていたが明治の合祀令で伐採された。(合祀令に反対した熊楠の話は次回以降に)


那智駅の向こう側に出ると、大きな海が広がっていた。前回、那智駅に来た時には知らなかった。海の水を触ってみた。

熊野本宮で買ったもうで餅の包装紙はこれ
座る場所もあり、お弁当を広げることもできる
海岸にはこの花がいっぱい咲いていた。踏まないように歩いた。


そして、川湯温泉のみどりやに移動。いつもゲストハウスに泊まっている私には贅沢過ぎる宿である。

部屋からの景色が素晴らしい。
旅館のすぐ目の前が川になっているし、山の緑しか目に入らない。ビルも家屋もないというのは、こんなに美しいことなんだね。

川湯という名前の通り、川なのに温泉にもなるという珍しい場所。川底から湧き出す70℃以上の源泉と川の水が混じり、ちょうど良い温度になるから、川を掘ったらたちまちそこが温泉になるという。
みどりやの露天風呂はほんとに川の目の前にある。だから露天風呂からの眺めは最高。大きな山、川、空。熊野の大自然を全身で感じながらお湯につかる。
あ〜めちゃくちゃ気持ちいい!
極楽極楽。
鯉のぼりも泳いでいる。

露天風呂は混浴。浴衣を着て入る。
浴衣着てても混浴なんて無理〜。と思っていたが、こんなに気持ちいい露天風呂なら、絶対入った方がいいわ。
それにお風呂は2つあり、男湯の前、女湯の前にそれぞれあるので、混浴といっても、だいたい男女分かれる。
でもあえて女湯の前にある露天風呂に入ってくる輩(やから)もいる。カップルで来ている場合、その傾向あり。

翌日は玉置神社。
つづく。

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