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抗体依存性感染増強 (Antibody-dependent enhancement, ADE) とTh1/Th2のバランス

抗体依存性感染増強 (Antibody-dependent enhancement, ADE) とは、ウイルス粒子と不適切な抗体とが結合すると宿主細胞への侵入が促進され、ウイルス粒子が複製される現象であるとされている。

通常は、食作用後はウイルスが分解されるが、ADEの場合は逆にウイルスの複製が引き起こされ、その後免疫細胞が死滅することがある。

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つまり、ウイルスは免疫細胞の食作用のプロセスを“誑かし(たぶらかし)”、宿主の抗体を“トロイアの木馬”として使用する。
抗体-抗原相互作用の強さが特定の閾値を下回ると、ADEが誘発される。この現象は、ウイルスの感染力と毒性(virulence)の両方につながる可能性がある。ADEを引き起こす可能性のあるウイルスは、抗原の多様性、免疫細胞内での複製能力、細胞内での生存維持などの点で共通点を持つ事が多い。

※ただし、これらは「細菌理論」に基づく認識に過ぎない。

ADEおよび疾患の発症機序

SARS、MERS、COVID-19の病因は、初期感染中の単球、マクロファージ、B細胞の感染で発生しているとされている。この仮説ではADEに関連している可能性があると指摘され、一部では軽症のCOVID-19が重大な症状を伴って重症化する過程においてADEが重要なステップであると考えられている。
ADEは、Th1サイトカインであるIL-2、TNF-α、IFN-γの減少、
およびTh2サイトカインであるIL-10、IL-6、PGE-2、INF-αの増加、
ならびにSTAT経路の阻害を伴って発生する。

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このプロセスは、COVID-19を特徴付ける多臓器での汎発的な免疫細胞の感染およびサイトカインストームを誘発する可能性がある。
つまりは、Covid-19の重症化する一部の原因としてADEが原因とされており、そのADEが起こる原因としてTh1/Th2のバランスの崩壊によるアレルギーに近い状態が多臓器での病状を引き起こし重症化させているということを意味します。


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