無題

Goose Aluren 調整録

 久しぶりに強いデッキになったという自負があるので、思考過程を記事に残しておきたいと思います。

近況報告(デッキについて見たい人は次項へ)

 正直にお話しすると、最近は忙しかったのと、残りの少ない時間を他のゲームに取られていたのとでMO離れが進んでいました。エルドレインのフルスポイラーが出ても「ぱっと見引かれるものがないな~」と思いそのまま閉じていたほどです。

 そんな私のもとにとある方から一通の連絡が…

 アルーレン界隈では知らない人はいないであろうZenoさんから調整の協力依頼が舞い込んできました。過去のレガシー選手権などでファイブシーズン(5色アルーレン)等でトップ8入りを何度もしている強豪です。
 「そんな方から声をかけていただけるとは」ということで、BMOに向けて一緒にアイディアを出し合ってみることに…

※ファイブシーズンの調整やZenoさんとの議論は割愛

 ちょうど新セットの発売が重なっていたので、今後入りそうなカードを聞くとガチョウやオーコが強いんじゃないかとのこと。

画像1

           「う~ん、強いのかぁ?」

 「金のガチョウ」は、一応「レンと6番」に焼かれないマナクリーチャーですが、一回しかマナを生めないのではいまいちなのでは?と感じたのが第一印象。
 「王冠泥棒、オーコ」はスタンで騒がれ始めていましたが、着地して食物トークン置くだけってレガシーで大丈夫?と半信半疑でした。

 試しもしないで切り捨てるのは自分の主義に反するので、とりあえず入れてみることに…

熱い掌返しの後、調整を始めることに…

Goose Aluren ver.1

画像2

 一番初めに作った、既存のBUGに雑に突っ込んだのがこの形。ガチョウが殴れる飛行クリーチャーということで以前の忍者アルーレンから百合子を引き継いでいる。また、アルーレンの天敵、「デプスコンボ」が大流行していた時期だったので、「厚かましい借り手」も採用。
 こんな雑なデッキだったのにあっという間に4-1をしてしまった。デッキの強さは分かったので、それぞれの役割をしっかり考えることに…

①「厚かましい借り手」は常に採用候補

無題

 発売前から騒がれていたこのカードだが、期待通りの活躍はした。マリット・レイジや「秘密を掘り下げる者」をバウンスして1ターン稼ぐのはもちろん、場に出した後「洞窟のハーピー」で回収すればまたバウンスできる。贅沢なマナからこの動きだけで相手のクリーチャーを後半完封して勝った勝負もあった。採用に値するカードではあるが、アンコウやデプスがMOで減っている現状もっと強いカードがあると考え抜けていった。

②「虎の影、百合子」は微妙
 「明日の見張り」との相性の良さから忍者アルーレンで採用されていた「虎の影、百合子」だが、このデッキでは微妙と判断した。「金のガチョウ」が入ったことで忍術の種は増えたはずなのだが、1枚ではいまいち効果は実感できず。2枚以上採用すると違うのかもしれないが、今回は別のカードに枠を譲ることに…

③「金のガチョウ」の4枚採用は疑問
 後半もそこそこ意味を持つマナクリーチャーということで4枚採用からスタートしたが、4枚は多く感じた。アルーレンはマナを急いで伸ばさなくても戦えるデッキなので、後半を考え3枚に減らすことに。今後4枚になることも十分にあり得る。

以上を踏まえて以下のデッキが完成した。

Goose Aluren ver.2

画像4

 こちらが先日5-0をしたリストである。自分の構築の特徴も交えながらプレイの指針を書きたい。

1 マナベース

画像5

 このデッキは3色デッキでありながら5枚の基本土地を有したデッキである。そのため、やむを得ない場合を除いて、序盤から基本土地を中心に並べていくことが多い。
 それを実現するのが11枚にも及ぶフェッチランドである。フェッチランドを多くとると、「渦まく知識」や「思案」を強く使うことができる。また、「リシャーダの港」をかわしやすいのも、フェッチランド中心の構築の長所だろう。
 短所を上げるのであれば、ライフの損失と、ロングゲーム時の土地の枯渇だろうか。ライフの損失は相手がバーンでない限りはそれほど気にならないが、土地の枯渇は多色コントロール相手では無視できない頻度で起こる。フェッチランドを増やした分、デュアルランドを減らしているので、このデッキでは土地は8枚以上は並べられないのである。
 しかしそれでもフェッチランドを中心に構築した方が、「不毛の大地」を受けるリスクを減らし、序盤を安定させることができると考えている。

2 青緑軸の構築

画像6

 このデッキは以前にもまして青緑軸が強くなっている。「金のガチョウ」が入ったことで「沼」を1枚も置かないままゲームが終わることもあるほどである。序盤は「思案」や「渦まく知識」で手札を整えながら「氷牙のコアトル」や「断片無き工作員」で盤面を固めていくのが基本となる。そのため、「沼」をフェッチしてくる優先度は他の二色に比べかなり低い。状況に合わせて適切な基本土地を探してこられるように、常にフェッチランドの色には気を配った方がよい。

3 3~4マナ域の増量 
 マナクリーチャーが入ったことで、コンボ相手でも3~4マナ域のカードが間に合いやすくなった。「トレストの使者、レオヴォルド」、「王冠泥棒、オーコ」、「精神を刻む者、ジェイス」のように重い強力なカードを無理なく採用できている。

4 ガチョウとオーコの実際
 「金のガチョウ」はアルーレンにおいては十分レガシーレベルである。しかし、気軽にマナを生めるクリーチャーでないのは変わらない。序盤は特に、使わなくてもよい展開を心がけたほうが良い。例を挙げるならば、「金のガチョウ」から2ターン目に「断片無き工作員」を唱えるプレイはよほどのことがない限りはしない方がよい。例外として、確実に通せる場面の2ターン目「王冠泥棒、オーコ」や「トレストの使者、レオヴォルド」は勝負を決定づける可能性があるので積極的に行っていきたい。
 また、他のデッキでも採用が広がっている「王冠泥棒、オーコ」は攻めにも守りにも使える強力なカードである。「突然の衰微」と「Force of will」頼りだった以前の形に比べ、盤面の様々な脅威に対処しやすくなっている。食物トークンもライフが大切だったアルーレンにとって非常にうれしい能力で、この2枚のおかげで、間接的ではあるが「真の名の宿敵」にもメインから対応できるようになった。

5 コンボ対策中心のサイド

画像7

 フェアデッキのようにふるまいながら即死コンボをもっているので、メインからフェアに強くなっている。そのため、サイドは苦手なコンボへの対策を中心に取っている。
 特に「夏の帳」はANTへの相性を劇的に改善してくれた1枚で、実質「Time Walk」のような働きをしてくれる。ANT側も使ってくるのでカウンターの信頼性が低く、3枚まで増えることになった。続唱との相性の悪さだけは目をつぶらなければいけない。
 メタによっては全体除去をとることも考えられるが、デルバー系は「タルモゴイフ」等のタフネスが高いクリーチャーが中心であるので、むしろ「疫病造り師」の方が有効である。
 墓地利用系デッキが苦手なので、墓地対策を2種類4枚採用している。「甦る死滅都市、ホガーク」がいるので「トーモッドの墓所」を使っているが、「墓堀りの檻」も常に一考の余地あり。どうせ4枚とるなら「虚空の力戦」でもいいかもしれない。

その他

以下がこのデッキのプレイ動画。このリーグは5-0はできていないが参考にどうぞ。

最後に

 最後まで読んでいただきありがとうございました。今後も様々なカードで強化されるであろうアルーレン。ぜひ組んでみてください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?