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2023年 自選三十句

新年明けましておめでとう御座います。
2024年となりました。
2023年は5月に新型コロナウィルスが、
5類に引き下げとなり、
それからはあっという間に、
元の生活が戻ってきたと思います。
もうすでに、
あの時のことを忘れてしまっている。
そんな自分がいます。

そのような一年で、
私が詠んだ俳句から、
三十句を自選しました。

今回は、4か月ごとに十句を選びました。
1月〜4月、5月〜8月、9月〜12月。
お楽しみいただければ幸いです。
宜しくお願いします。

🔹1月〜4月 10句

餅二つ食うて巷に出でにけり

一月の神はいまこのマヨネーズ

春を待つ大事なことを忘れつつ

熱き心われにはあらず梅白し

春光を浴びて解体されし家

いつか蝶にならむと念じ食むレタス

菜の花のほろ苦きもの我にあり

春ひとりコンビニイートインに居り

青き踏む大人となるはいつの日か

昭和の日父は多くを語らぬや


🔹5月〜8月

行く春やまた置いてけぼりな気分

側溝に何かを流す憲法の日

蕃茄熟れ男は仕事終えにけり

百合揺れし老いても欲のあるを知り

ふとみんな死んだと思う夏真昼

点滅に走る気もせぬ暑さかな

遺書めいておる落書きや晩夏光

炎天を手にしマンゴー匂いたる

まなじりの死んではおらずヒロシマ忌

鬼やんま捕らえし虫の顔齧る


🔹9月〜12月

踊る阿呆踊らされる阿呆しかおらず

一日を赤い羽根つけ過ごしたる

秋灯し悲しい色と君は言う

ポケットに数多の鰯入れており

胡桃割る面倒くさいと言いて割る

漬物とししゃもと飯と中年と

着ぶくれてなんと平和な町だろう

石蕗は誰も傷つけたく無かろ

冬の星言葉を飲み込んで生きる

パセリ美し寒風に色褪せし街


ロシアとウクライナ。
イスラエルとパレスチナ。
世界では争いが絶えません。
1日も早く、
平和が彼の地にも訪れること願います。
背馬拝

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