「#いわくのつけく」で短歌を作る

Twitterでフォローさせて頂いている岩倉曰さんが付句のネタを提供をしてくださいました。
100の付句になります。
その量たるや。

しかし、やりがいのあるネタばかり。
その100の付句に私が付けたものをここにまとめて記します。

楽しかったです。
またこういう機会あればチャレンジしたいと思います。

🔹#いわくのつけく

・上句50(下の句を考えるもの)

1. 土台だと思っていたら本体で政治家擬態上手すぎるでしょ
2. 寸法の合わない棚を買ってきて地球を入れてみようと思う
3. はじめてのパソコンの本分厚くてゴキブリ殺すために使った
4. 焼き鳥の串をまとめて折る卑弥呼gkbrとする毛利元就
5. どうぶつの森にうちだけ呼ばれないそもそもそれをしたことは無い
6. 横取りをしかけてやめるそこはかとなく計算の上手いあの子は
7. 手のひらが飴でいっぱいなる僕にあなたは鞄持てと言います
8.コールテンがなんか苦手だピアノよりエレピが好きなアンドラーシュシフ
9. 正体を知らないままで良いなんて今夜のおかずも興味無いのね
10. もう死んだカイロをなぜか取っておくまるで愛したあの子のように

11. 同情をされて嬉しいお金いる?なんてあんたにやる金ないわ
12. ルッコラを初めて食べた感想をクレソンに似た味だねと言う
13. 明るくてよく見えるでしょ満月の防犯カメラに映ってるボク
14. カニカマを細かくさいてドヤ顔でギネスに申請しようかしらね
15. 掃除機のホースにまたがり空を飛ぶ真似に付き合う一時間ほど
16. シャバシャバのカレーがたしか好きだった奴は僕だよ覚えておいて
17. 終わらないループのなかで古書を売り海を見に行く寺山修司
18. 思い出し笑いの仕方をわすれそう社畜の彼は泣いて呟く
19. 強風が私語をさえぎる現場にて監督訛りがきついよしかし
20. 神棚のない部屋に住むこの僕にこれ幸いと疫病来たる

21. ゲームキャラに怒られたこと覚えてる仲間を全部死なせたからだ
22. プレステのアップデートが長すぎる鍋に火をかけようかと思う
23. なんもない丘のうえから眺めてた
今日も一日何もなかった
24. 伊藤園の黒い自販機かっこいいバールでこじ開けられてる跡も
25. 始まれば逃げるのだろうスナフキン心の傷に塩塗りましょう
26. 道端で電源OFFになりそうで急いでアンパン買ったさ今日も
27. 暴風の窓辺に幾度立ったろうポーカー負けた罰ゲームとして
28. 目薬が襟を濡らしておりますね雲が落としてくれてるのにね
29. 駐車場に知らない車が停まってて注意しろってしつこい大家
30. 極太のマジックペンを持ち歩く一人前の男だからね

31. 反省をすればいいってものじゃなく壊れた塀をまずは直せよ
32. シャボン玉製造機関と成り果てて浪速のバンクシーや!と嘯く
33. 先延ばししてしまったらどうしようまだやることも決まってないのに
34.つまらない写真が撮れてこれはもう黒歴史だね黒歴史だよ
35. 見た感じ全部割れてた鳩サブレだから私にくれたんですね
36. からあげを食べてからでもいいですかレモンは勝手にかけたらダメです
37. 立っているだけで違反になりそうで見えない自由はあると思った
38. 舌打ちもさまにならない新入りのちんこが俺よりでかかったこと
39. 手羽先の骨を積みつつしゃぶりつつ積みつつしゃぶりしゃぶりつつ積む
40. ATMどこでしたっけ?早くして!でないと孫が大変なのよ

41. 塩とタレ三本ずつで頃合をみて火から鍋を外してください
42. イヤホンの内側は無音それはまた海が生まれる前の話で
43. ポイントをこまめに使うあの人の家はいらないもので膨らむ
44. 前髪がスープにひたるそのあとはクレーム付けて取り替えてもらう
45. 枕元に立つねりからし訴える私が予言に出てくる人だと
46. 水飲み場に誰もいなくてただずっと命湧き出る音だけがする
47. めちゃくちゃな嘘で笑えるいつもこの飲み屋の席にいたあの人は
48. どう撮れば正解なんだと呟いた彼は本当にプロなんですか
49. もったいないわけないだろうこんなになにもしてない議員だらけだ
50. フリスクで目覚めたあともキスをするフリスクで寝る前もキスする

・下句50(上の句を考えるもの)

51. 卒業の話をずっとする彼は出席日数足りてないから
52. 恐ろしや人間来るぞ汁椀を脱出しようとする蟹の脚
53. たわいない話はつづくカレーパンのころもはらはらズボンにつもる
54. こんな世になるとは知らずマンゴーの苦いところに当たってみたい
55. 世の中に反抗したる遊戯王カードを仕分けし続ける道
56. かけがえの無いもの君が信号のひかりの下でほどくイヤホン
57. いまもまだ街の話題は年末に街を覆った濃い霧のこと
58. 不公平騒ぎしひとよアライグマはどんなりんごもきれいに洗う
59. 秋風の音ですそれは哀れなるすぐさま砕かれる笛ラムネ
60. ライブ後は欠かさず舐めるものなのに龍角散がまずくて咽る

61. うわーなんだ食べる順番間違えたしょうがまみれのさいごのひと口
62. 案ずるなまた頑張ればいいことだ足のふちまでしみる月光
63. ステイホーム家で過ごしてばかりいてハンドルネームが親に見つかる
64. わが街の丘に登りて頂きにゆっくりになる風の足どり
65. やんどころなきとこからの命により上司の爪のかけらを拾う
66. 虫という虫が嫌いなあの子もねみみずを触っていたこともある
67. ただいまと家に着いたら服着替え詩を書いてからご飯を食べる
68. あいつらがうまくやったという時はきっと大嘘だと思うから
69. 人生はなんか辛いねちょっとくらいおまけつきならよかったのにね
70. 頼むからお金払うしいいやんかオチだけ先に教えてほしい

71. 一口で父の料理と分かりますだいたい塩をかけ過ぎなんだ
72. この川の沢蟹とてもキュートだろお揃いにするならなにがいい
73. 夏野にね捨ててあった車はね結局誰のものになったの
74. 建物の避難経路は二つありわたしの側は開かずの扉
75. 周りから人が消えたよ一斉に散々ひとのせいにしたのに
76. 気が利いた人だと思わせたいからと友人Fがグラスを下げる
77. 個人ではなんともし難い理由にてどこもかしこも汚れているよ
78. べっとりと付いた汚れに渡された油汚れが落ちる布だよ
79. スーパーで距離に気をつけ並んだらトートバッグは風に流され
80. 自粛にて脳内トリップお土産は個包装ならべつに何でも

81. 花野から帰るためには目の前の発券ボタンを押してください
82. 今みんなお蕎麦にしようと言ったのに空気を読まずおしるこを買う
83. 頭が重い散髪行けない自粛かなあの子名前はなんだったっけ
84. ごめんねと伝えたくても人居らず最小限の音で沸くお湯
85. 忘れてたつもりで不意に思い出す見つけたとたんに痛み出す傷
86. 忘れてはならぬこのいまあの頃と同じ強さで握る吊り革
87. 大雨の中を歩いた帰り道干し忘れてた傘かび臭い
88. 三月の窓より見ればシャッターを切るより速く水になる雪
89. 人のこと責めているけどおいお前ロッピの前で電話をするな
90. 二度づけも直箸も気にならぬのに他人が剥いた蟹が食えない

91. たまってる本とかCD片付けるいつかやれると思えたならば
92. マスクしているのにマスク探すこと昨日も今日も間違えました
93. 鳩話す言葉がわかる警察官帽子を脱いでからっぽになる
94. 金正恩影武者かもと疑っていないよこれはただの眠い目
95. 人格がいたらぬ僕は今もまだ捨てっぱぐった古着と暮らす
96. 自分用マジックインキで名を書いたフライドチキンを食べたのはだれ
97. ありがとうふ君と出会えてよかったぜサンキュー冷奴 一生ついて行く
98. キダ・タロー作の新曲これはもうめっちゃファミリーマートですよね!
99. 雀らが牽制し合うパン屑を関係のないわたしがもらう
100. また今日も風が抜けてく曲がり角で夢を咥えた人とぶつかる


以上となります。
短歌をこんなに考えたのははじめて。
付句は便利で、短歌を作る補佐的なものを提供された付句がしてくれるので、本当に短歌を作る頭を作るのにも最適だと思いました。

本当ありがとうございました。

背馬拝

#短歌 #付句 #七七 #五七五

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