1Q決算に見るキー局の中の「差異」と、ローカル局の「格差」
キー局第一四半期決算が出揃う
先週、在京キー局の23年度第1四半期決算が出揃った。昨年度に続き厳しい状況だとの話は聞いていたが、その通りだった。ただ、局によって「差異」が出てきたなとも思う。
まずは各局の決算資料から放送収入だけを抜き出して表にしてみた。毎度説明しているが、決算はグループ全体のもので、企業構成もバラバラ。全体の数字を比べても放送事業がどうなのかは見えてこない。タイムとスポットに大別される「放送収入」だけを抜き出して初めて、各局の屋台骨たる放送事業が見えてくる。
どの局も前年から収入を落としている。「放送」という事業がもう限界に達して下り坂に入っているのは明らかだ。ただ局によって少しずつ違う。TBSはタイム収入を落としていないばかりか微増だ。個々の番組が広告主から評価されているのだろう。これは重要なことだと思う。
テレビ東京とフジテレビのスポットが10%以上下がっているのも要注目だ。昨年もしんどい数字だったが10%を超えて下がったキー局はない。2Q以降も見守りたい。
特にテレビ東京は昨年同時期のスポットは-0.2%で済んでいた。ひとりだけ「下がらない」座を獲得したのかと思っていたのだが。
一方、フジテレビはスポットも大きく下がった。またか、という感じで「あのフジテレビが!」という驚きはもうない。
また昨年から決算資料に「配信広告収入」の欄を設ける局が出てきた。放送収入の減少に対しこの数字をどう伸ばすかが経営課題となっている表れだろう。ただ四半期だとまだ10億円台なので、ここでは特に言及しない。
放送収入の下降傾向は2021年〜2022年もあったわけだが、この3年間でどう推移したのかも気になる。そのためのグラフも作ったので見てもらおう。
独走して下降し続けているのは、あの局
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