映画「トラップ」殺人鬼が脱出できるかハラハラする物語
シャマランと言えば「シックスセンス」だね。あの映画の衝撃は忘れられない。そして処女作があまりによかったためにその後の作品ではがっかりされるシャマラン。それでもなお、新作が公開されると見たくなってしまうシャマラン。実力があるようなないような、人気があるようなないような、映画が面白いような面白くないような、でも結局は魅力的な作家だ。なんだかんだ言われながらもコンスタントに映画を作っている。前作の「ノック週末の訪問者」、その前の「オールド」は良かったので、最近また評価が高まっているんじゃないか。
さて今作「トラップ」はすっかりおっさんになったジョシュ・ハートネットが主演。娘が大好きなアーティストのコンサートに連れてきてあげたら、気がつくと妙に警察がうろちょろしている。こっそり従業員から、連続殺人鬼ブッチャーがこの会場に来ていて警察が捕まえるためにどえらい人数を投入していると聞き出す。えーっと、ブッチャーって俺なんだけど。かくして水も漏らさぬ警備がしかれたコンサート会場から俺は脱出できるか?つまり殺人鬼が主人公。
娘が大好きなアーティスト、レイブンを演じるのは、サレカ・ナイト・シャマランつまり監督の娘。上の動画によると、ミュージシャンの娘と、音楽と映画を融合させた作品が作れないかと話し合ってできた映画だという。確かに、大きな会場でのコンサートの進行と、殺人鬼の脱出劇が一緒に盛り上がっていく。
ジョシュ・ハートネット演じるブッチャーことクーパーは、様々なアイデアでうまく情報を探って脱出する方法を編み出そうとする。それらのアイデアを実行してうまくいくか、観客はハラハラすることになる。主人公が殺人鬼だろうと、人は「脱出できるか?」を描かれると一緒にハラハラするから面白い。クーパーは恐ろしい殺人鬼だが娘を愛している。娘の気持ちを大事にしながら同時に彼女がレイブンの大ファンであることを利用もする。
面白いのは、会場を出た後はレイブンがクーパーと対決する。遠い憧れの存在だったのが急に一人の女性として殺人鬼と向き合うのが面白い。
なかなか快調に飛ばすのだけど、終盤は引っ張りすぎに感じた。特にラストはなに?続編作るの?これはこれで終わってよかったんじゃない?
まあでも、ジョシュ・ハートネットが久々の主演だし恐ろしい男を怪演していた。前2作に続いて面白いじゃないか、シャマラン!次回作はまた新たな話にしてね!
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