「放送の地域性」の議論の行く末がちょっと不安になった、ある委員会について

Introduction
MediaBorderには何度も寄稿してもらってきた京都産業大学の脇浜紀子教授が、先日ある政党の委員会に呼ばれていた。どんな話をしたのか、気になる。そこで簡易なレポートを寄稿してもらった。脇浜氏らしい内容になっているのでぜひお読みいただきたい。

書き手:脇浜紀子氏(京都産業大学・現代社会学部教授)

7年ぶりの某党からの呼び出し

総務省「デジタル時代における放送制度の在り方に関する検討会」については、境さん始め、ウォッチャーの方々が毎回詳細レポートをあげてくださって、とても感謝している。オンライン開催なのだから自分でも聴講すればいいのだが、なんとなく中央で行われている議論は後からキャッチアップするという他力本願な癖がついている。「諸課題検」と違い、今回は、有識者の皆さんからなかなか鋭く切り込んだ意見が出ていると聞き、事業者側からも放送対象地域の見直しなど具体的な要望もあったということで、どんな提言が出てくるのかなあ、注目だなあ、と思っていたら、思わぬところから呼び出しをくらった。

ここから先は

3,835字 / 2画像

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?