ドラマ「ポーカーフェイス」 女コロンボのロードムービー、構成が斬新


U-NEXTで配信されてるけど米国ではなんとpeacockで配信されたそうだ。peacockはNBCUが2020年に始めた配信サービス。それはまた別のところで。
カジノでウェイトレスやってるトレーラーハウス住まいのチャーリー。彼女は実は人の嘘が見抜ける。その力が災いして彼女は街を離れ、各州を転々とすることになる。行く先々で嘘を見抜く力と類まれな推理能力で毎回殺人事件を解決、というか犯人に報いを受けさせる。
構成が斬新。犯人が誰かを推理するのではなく、最初に殺人が丁寧に描かれる。だから見てる我々には誰が犯人かわかっていて、チャーリーが犯人をどう追い詰めるかがドラマの楽しみ。これってコロンボのパターンだね。
さらに面白いのが時間の逆戻り。殺人が丁寧に描かれたあと、もう一度最初に戻ると、実はそこに彼女もいたことがわかる。同じ時間を彼女の視点で描くわけ。最初慣れないとちょっと混乱するかも。だから今から見る人は「同じ時間が繰り返す」ことを頭に入れておくといい。
企画したのは「ナイブズアウト」シリーズのライアン・ジョンソン。そう知ると、チャーリーはダニエル・クレイグが演じた名探偵と重なってくるね。
でもチャーリーのキャラクターも大きな魅力で、ナターシャ・リオンという女優が楽しげに演じている。いつもタバコ吸ってスマホいじって日本で言う元ヤンっぽいんだけど、知性もあり会話が面白い。日本語吹き替えも雰囲気出ていて「〜なんだよねえ」という言い方が人間味あふれていて好きだ。
それと、最初のカジノのヴェガス?から車で逃げ回ってニューメキシコ、テキサスからコロラドなどアメリカ中を渡り歩く、ロードムービー的味わいも楽しい。いきなりエイドリアン・ブロディが出てきたり、エレン・バーキン、ニック・ノルティ、ジョセフ・ゴードン=レヴィットなど豪華なゲスト俳優たちが出てくるのもすごい。
1シーズン10話だけど3晩で見終わった。面白くって止まらない。
ここ数年見たハリウッド制作のドラマの中でも断然面白かった。U-NEXT会員は見て損しないと思う。
シーズン2も制作決定したそうなので今から楽しみ!

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