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テレビとネットの横断業界誌 MediaBorder

放送と通信の融合をテーマに、取材した記事や論考記事をメディアコンサルタント境治が書いていきます。テレビ局の方を中心に、広告業界、ネットメディア、調査会社など様々な分野の皆さんにご…
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#fast

2023年、MediaBorder的10大ニュース(後編)

※トップ画像はAdobe Fireflyで「ローカル局は再編を迫られCTV市場の誕生が待たれる」と入力して出てきた生成Ai画像 昨日の前編に続いて、今年の10大ニュース後編として6〜10をお届けする。 6:ローカル局再編の予兆 すでに総務省の有識者会議では放送業界の縮小を前提にした議論が進んでおり、ローカル局をキー局傘下に入れやすくしたり、数局に分かれていた局が同じ内容を放送するのも選択としてありになっていた。今年度は赤字局がいくつも出るとの噂で、にわかにこうした新制

FASTを実際に使ってみたら膨大なチャンネル数に驚いた件について

7月28日のマーケティング協会主催のセミナーが終わった。参加者の皆さんはまずまず満足していただけたようだ。告知通りFASTについては一定の時間を費やしてこってり説明した。 ちょっとした目玉として、実際のFASTの画面を参加者にお見せした。自分でも前から見てみたかったので、セミナーを機に試してみたのだ。 VPNの利用で簡単にアクセスできるただしアメリカのFASTサービスは日本にまだ上陸していない。冒頭の画像はPlutoTVに日本から普通にアクセスした時のものだ。 「This

FASTは日本に来る!あるいは誰かが立ち上げる!〜奥村文隆氏インタビュー

映像新聞を購読している人なら、奥村文隆氏の名前が最近気になっているはずだ。特に5月から6月にかけて同氏による「FAST」についての連載を読んだ人はなおさらだろう。筆者ももちろんその一人で、その連載はスクラップしてある。 FASTについてはこれまでもMediaBorderでも取り上げたし1月にはウェビナーも開催した。 FASTとはFree Ad-supported Streaming TVの略語で、無料広告型のストリーミング、つまり番組がCMを挟みつつダラダラ次々に流れてくる

メディアはイマであり、テレビはまあまあどうでもいいイマが強みだった

LiveParkがローカル局と楽天をむすぶ「のぞいてニッポン」を開設7月14日、「のぞいてニッポン」という新しいWEBメディアの発表会を取材しに行った。もっとも、すでにいくつかの記事で伝えられているし、メディアそのものもオープンしているので、それらを見た方がよくわかるだろう。 さらに、参加しているローカル局がそれぞれニュースとして発信し、自社のYouTubeチャンネルやニュースサイトに置かれているのも、このプロジェクトらしい伝わり方だ。 「のぞいてニッポン」の企画意図上

目指すのは、サービスよりメディアなのか?〜dTVからLeminoへのリニューアルを聞く(後編)

dTVからLeminoへのリニューアルについてのNTTドコモ・田中智則氏へのインタビュー後編をお届けする。前編未読の方はぜひそちらからお読みください。 前編ではリニューアルしたサービスの内容について聞いたが、後編ではビジネス面と今後のビジョンについて聞いていく。そこでわかってきたのは、Leminoの目標は、サービスでありつつメディアになることだった。 無料モデルでAVODとして広告の受け皿にもなる 以下、「」内は田中氏の発言。 ---Leminoは有料と無料が選べるハイ

もう一度、テレビを発明せよ

テレビ番組がダメなのではないテレビ局が今、窮地に陥っているのは、よく考えるとおかしなことだ。テレビは見られなくなっているが、見られてもいる。放送が不便というだけで、TVerでドラマを毎週見る人は相変わらず多い。バラエティには個人的にいろいろ言いたいこともあるが、総じて若者は嫌ってはいない。何より、政治経済にしても事件や芸能ゴシップにしても、テレビ画面に登場して初めて広まる。これほど影響力の高いメディアはないのだ。 若者はスマホが手放せず、スマホで映像を自在に視聴するが、同じ映

FASTは「次のテレビ」の代表選手かもしれない

放送みたいな配信サービス、FAST1月25日(水)開催のウェビナー「海外事例から考えるテレビの未来〜FASTとPSMを題材に〜」で取り上げるFASTとは何か、なぜこのタイミングで紹介するのか、少し解説しておきたい。 FASTはFree Ad-supported Streaming TV("Streaming"を入れない表記も多い)の略で、広告モデルのリニア型配信サービスだ。放送ではないが、放送みたいな配信形式だと言える。映像配信サービスと言えば、オンデマンドだった。サービス

1月25日(水)ウェビナー「海外事例から考えるテレビの未来〜FASTとPSMを題材に〜」開催!

2023年の年明けにウェビナーを開催する。「海外事例から考えるテレビの未来」と題して、FASTとPSMを取り上げる。 昨年のInter BEEでは、コネクテッドTVをテーマにしたINTER BEE CONNECTEDの基調講演が印象的だった。裏方を務めたので打合せを通じてよく内容が理解できた。 その中で注目したのがFASTとPSMだ。 このウェビナーではInter BEEで登壇した園田公一氏にFASTとPSMそれぞれを解説していただく。それについて、ローカル局のイノベーシ

2022年、メディアはABEMAだった〜メディア界10大ニュース・結果発表!〜

12月5日から17日まで投票を受け付けた、MediaBorder購読者が選ぶメディア界10大ニュース。その結果を発表する。 まずこちらで提示した選択肢はこの10個だ。 2021年のネット広告費、マスメディア広告費を超える 地上波テレビ局視聴率急減、放送収入大幅減 Twitter買収、Meta(Facebook)大量解雇 Netflix初の会員減、Disney+も収益性に課題 コネクテッドTVへの注目高まる キー局同時配信揃って開始 ABEMA、ワールドカップ全

盛況のInter BEEから、CONNECTEDセッションを配信(その1)

Inter BEE 2022が11月16日から18日まで幕張で開催され、リアルイベントとしては終了した。オンラインでは引き続き12月23日まで開催され、出展企業のネットでの展示、そして幕張で行われた様々なカンファレンスの配信も行われる。 私が担当したINTER BEE CONNECTEDは今年ボードメンバーを一新。まとめ役となった私を含めて6名のメンバーで企画し、当日の進行もメンバーの一部が担当した。 すでに事前に収録したプレセッションは配信されているが、幕張での計7つの