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テレビとネットの横断業界誌 MediaBorder

放送と通信の融合をテーマに、取材した記事や論考記事をメディアコンサルタント境治が書いていきます。テレビ局の方を中心に、広告業界、ネットメディア、調査会社など様々な分野の皆さんにご…
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2024年2月の記事一覧

ローカル局は災害にどう対処するか〜各局の能登半島地震報道まとめ〜

筆者は能登半島地震をテレビ局がどう伝えたか、情報収集してきた。 まずテレビの放送内容をデータ化するエム・データ社に依頼し、関東・関西・中京地区の1月1日の各局の放送データをもらい、その中で地震についてどう報道されたかを東洋経済オンラインで記事にした。 この記事の作成過程で地震の被害に遭った石川県・富山県・新潟県の各局からの情報も求めた。各局のお問合せ窓口から問い合わせ、知ってる方がいる局の情報はメールでもらったりしたがかなり時間がかかった。それをようやくまとめて記事にしたの

Netflixはなぜ自社作品に製作費をたっぷりかけられるのか、公開データから強引に試算してみる

MediaBorder読者の皆さんならご存知の通り、Netflixが12月に作品個別の視聴時間を公表した。今後、年に2回レポートしていくそうだ。 Netflix「エンゲージメントレポートについて」2023年12月13日 最初の文章が、気が利いている。 「NetflixはYouTubeを除くどの動画配信サービスよりも、人々が視聴している作品に関する情報を提供してきました。 そして今まさに前進する時期を迎えたと考えています。」 もちろん、これは「うまい言い方をしている」だけだ

NHKテキストニュース縮小は、情報の多元性の縮小でもある

2月29日に配信イベント「新メディア酔談」を、いつものスローニュース熊田安伸氏をパートナーに、作家・ジャーナリストの佐々木俊尚氏をゲストに迎えて開催する。テーマは「NHKテキストニュース縮小問題」だ。なぜこのテーマにこだわるか、この記事で説明したい。 「公共メディア」を宣言しネットで情報拡充 NHKは2015年度〜2017年度の経営計画の中で「公共メディア」という言葉を使ってこう宣言している。 「公共放送から、放送と通信の融合時代にふさわしい”公共メディア”への進化を見

勉強会「ミライテレビ推進会議」を再開します

MediaBorder購読者だけが参加できる勉強会「ミライテレビ推進会議」を2月から再開します。2月26日(月)19時からです。開催は六本木ですが、東京在住ではない方も、リモートで参加いただけます。毎回、登壇者をお招きしてご講演いただき、その後は懇親会となります。コロナ禍でしばらくお休みしていましたが、今月から再開します。当面は2ヶ月に1度を目指します。今回の講演者と場所などは、購読者のみに共有します。放送業界のおじさんが中心なので、別業界の方、お若い方、大歓迎です。

能登半島地震、三が日のローカル局は地震報道をどれくらい伝えたか

能登半島地震からもう1ヶ月が過ぎてしまった。いまだに多くの人々が避難生活を続けており、被害の全容はまだまだ明らかとはいえない。 今回の地震ではメディアの役割と貢献について考えさせられた。中継所の電源切れで地上波放送の電波が長らく届かなかった地域もあり、地形によってテレビが影響を大きく受けることもあると思い知らされた。 さて私は、元日を中心にテレビが地震をどう伝えたかを東洋経済オンラインで記事にした。 関東・関西・中京地区の地上波テレビ各局が何時から何時まで地震報道を行ったか

X(Twitter)は告発と攻撃の場になってしまった(最初はおだやか空間だったのに)

※画像は「スマートフォンの中でたくさんの人たちが激しく口げんかしている 」と入力して生成されたもの 芦原さんの死で、逆に増える脚本家への攻撃 「セクシー田中さん」の原作漫画の作者、芦原妃名子さんが自殺したニュースには大きなショックを受けた。ドラマ放送時は毎回欠かさず見ていたのに。 だが私はここで「誰が悪いか」の追及はしたくない。ただ、今のテレビドラマ制作についてはかねがね問題があると感じていたので、これについては別途書こうと思う。 それより、今回の件ではっきりしたの