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テレビとネットの横断業界誌 MediaBorder

放送と通信の融合をテーマに、取材した記事や論考記事をメディアコンサルタント境治が書いていきます。テレビ局の方を中心に、広告業界、ネットメディア、調査会社など様々な分野の皆さんにご…
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2023年11月の記事一覧

「楽しくなければテレビじゃない」を見直す時が来ている〜テレビ局自己検証番組を見て〜

ジャニーズ事務所問題、”会社として”の検証番組 10月に、テレビ局のジャニーズ事務所問題の自己検証番組を取り上げた。 その後、テレビ朝日が11月12日(日)午前10時から1時間、TBSが25日(日)午前5時25分から35分間、”会社として”の自己検証番組を放送した。TBSは上の記事で書いたように10月に「報道特集」として、つまり報道番組としての自己検証を放送している。 まず感想を書いておくと、両者とも似たようなもので、及第点ではあるのだろうけれども特筆すべき点はほとんどな

「骨なし灯籠」は新しい郷土映画であり、映画製作の新潮流だと思う

映画「骨なし灯籠」は、私の長年の友人で脚本家の木庭有生子氏が、木庭撫子の名で監督まで務めた作品だ。昨年七転八倒しているのはSNSを通じて知っていたが、試写会を東京で行うと聞き見に行った。脚本家としては賞も取った実力者だが、監督なんて大丈夫?そんな冷やかしの気持ちで見たら、思わず号泣してしまった。いろんな意味で素晴らしい映画なのでここで紹介したい。 熊本県山鹿市の「郷土映画」としての素晴らしさ タイトルの「骨なし灯籠」は熊本県山鹿市でお盆のお祭りに使われてきた、紙だけで作ら

INTER BEE BORDERLES、VODセッションでもらった質問に回答をいただいた

11月15日〜17日に開催されたInter BEEが盛況のうち、終了した。コロナ期はオンライン開催となったが昨年から各カンファレンスも幕張で行うようになり、今年は私が担当するINTER BEE BORDERLESSも9つのセッションをリアルで行うことができた。 開催前の記事で各セッションを紹介したが、私がモデレーターを務めたのは17日13時からの「配信サービスはVODの次に進むか」。U-NEXTの本多利彦氏、TVerの蜷川新治郎氏、FOD(フジテレビ)の野村和生氏をお招きす

キー局23年度半期決算ではっきりしたCTV市場の必要性

前年度から続く放送収入の大幅減少 キー局の2023年度第2四半期の決算が出揃った。キー局は持株会社制で全体の数字から放送事業の様子はわからないので、例によって中核会社としてのテレビ局単体の資料から放送収入だけを取り出して表にしてみた。 第1四半期とほぼ同じ傾向が続いているのがわかる。ただ、テレビ朝日とTBSはタイムが前年比プラスになっているのは特筆すべきだろう。スポットはどこも惨憺たる有様だが、フジテレビは-12.6%という悲しすぎる数字だ。合計でも-8.3%と最も減少

INTER BEE BORDERLESS全セッションを解説する:後編

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