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テレビとネットの横断業界誌 MediaBorder

放送と通信の融合をテーマに、取材した記事や論考記事をメディアコンサルタント境治が書いていきます。テレビ局の方を中心に、広告業界、ネットメディア、調査会社など様々な分野の皆さんにご…
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2023年8月の記事一覧

9月20日ウェビナー「テレビ番組がWEBメディアになる〜放送が生むWEBビジネスの仕組み」を開催!

番組と連動したWEBメディアはテレビ局の優位性が活かせる 放送事業は大転換期を迎えている。「放送」の形式はリアルタイムの視聴率が急減しており、それに伴う広告収入も減少。だが一方で、テレビ放送のマスメディアとしての影響力の強さ、リーチ力の大きさは失われたわけではない。 ポイントは、リアルタイムのみのマネタイズには限界しない、番組を放送後も価値化する仕組みづくりだ。 その有力な手法の一つが、「見逃し配信」なのは誰もが知る通り。実際、TVerはものすごい勢いでユーザー数が伸びて視

新聞業界の恐るべき政治力と、その無意味な使われ方

8月10日の「公共放送WG」には民放連と新聞協会がオブザーバーとして参加していた。これまでにも両団体は何度も参加していたが、WGではあまり積極的に耳を傾けていたとは言えなかったと思う。ところが10日のWGでは打って変わって、特に新聞協会の発言機会が多かったし、有識者のみなさんもいちいち「・・・と考えますが、新聞協会様はいかがでしょう」と協会に意見を求めていた。WG全体が新聞協会に気を使いまくっているように見えた。 これについては前回の記事でも「新聞協会側が形勢逆転を狙って動き

NHKは「公共メディアへ」の進化を投げ出してしまったも同然だ

NHKが「公共メディア」と言い出したのは8年も前 NHKは2015年に発表した「経営計画 2015-2017年度」で「公共メディア」の言葉を使い公共放送から公共メディアを目指すことを宣言した。 ビジョンについて語る冒頭部分の最後にこう書かれている。 「公共放送から、放送と通信の融合時代にふさわしい”公共メディア”への進化を見据えて、挑戦と改革を続けます。」 これを読んで私は「公共メディア」を、電波を使っていたこれまでの「公共放送」から、通信との融合による新しい伝え方を駆

1Q決算に見るキー局の中の「差異」と、ローカル局の「格差」

キー局第一四半期決算が出揃う 先週、在京キー局の23年度第1四半期決算が出揃った。昨年度に続き厳しい状況だとの話は聞いていたが、その通りだった。ただ、局によって「差異」が出てきたなとも思う。 まずは各局の決算資料から放送収入だけを抜き出して表にしてみた。毎度説明しているが、決算はグループ全体のもので、企業構成もバラバラ。全体の数字を比べても放送事業がどうなのかは見えてこない。タイムとスポットに大別される「放送収入」だけを抜き出して初めて、各局の屋台骨たる放送事業が見えてく

FASTを実際に使ってみたら膨大なチャンネル数に驚いた件について

7月28日のマーケティング協会主催のセミナーが終わった。参加者の皆さんはまずまず満足していただけたようだ。告知通りFASTについては一定の時間を費やしてこってり説明した。 ちょっとした目玉として、実際のFASTの画面を参加者にお見せした。自分でも前から見てみたかったので、セミナーを機に試してみたのだ。 VPNの利用で簡単にアクセスできるただしアメリカのFASTサービスは日本にまだ上陸していない。冒頭の画像はPlutoTVに日本から普通にアクセスした時のものだ。 「This