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テレビとネットの横断業界誌 MediaBorder

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2023年5月の記事一覧

6月28日(水)ウェビナー「辞めテレ教授が好き勝手にテレビを叱る?!」開催

京都でのテレビ談義をそのままセミナーに 5月のある夜、筆者と4人の大学教授が京都の居酒屋に集まった。教授たちはいずれも元テレビ局社員。筆者は毎年、元読売テレビで京都産業大学の脇浜紀子教授に招いていただき講義をしており、その度に同じく京都で教えている元毎日放送の同志社女子大学・影山貴彦教授と元日本テレビの佛教大学・大場吾郎教授もお呼びして楽しい夜を過ごしてきた。今年はテレビ東京を退職したばかりの山本名美氏が京都先端科学大学に教授として赴任したのでお招きし、例年にも増して大いに

TVer→サブスク→グッズ→イベントというコンテンツ戦略〜さんいん中央テレビ『かまいたちの掟』制作者・川中優氏インタビュー(後編)

さんいん中央テレビ『かまいたちの掟』の制作者・川中優氏へのインタビュー。前編では当初から配信を意識した考え方を聞いた。後編ではコンテンツビジネスとしての戦略を語ってくれている。(前編はこちら↓) 『ゴリパラ』に刺激を受けやってみたかったイベント 以下、「」内は川中氏の発言 ---2020年に番組が始まって、翌年のTVer Awardを獲得してますね。 「2022年の3月に、前年のローカル番組の中で1番再生回数が多かったと表彰してもらえました。始めた時の目標は達成したけど

TVerで人気爆発のきっかけは、濱家の遅刻だった!〜さんいん中央テレビ『かまいたちの掟』制作者・川中優氏インタビュー(前編)

今人気絶頂のお笑いコンビ・かまいたちが、島根県松江市に本社があるさんいん中央テレビで『かまいたちの掟』というレギュラー番組に出演している。キー局でも冠番組をいくつも持つ彼らだが、『掟』はそれらに負けない人気で、TVerでアワードも獲得したという。 そこでこの番組の演出でさんいん中央テレビ・コンテンツプロデュース部の川中優氏にインタビューした。ローカル発で全国的人気番組になった裏には、若い世代ならではの戦略とちょっとした偶然、そして新しい挑戦をバックアップする会社の空気もあった

日本のメディアは、一人の老人によるおぞましい行いを、海外から指摘されるまで扱えなかった

NHK「クロ現」がようやく扱ったジャニー喜多川氏の行い 先週17日のクローズアップ現代でジャニーズ事務所の問題を扱った。 その前の週末に事務所社長のジュリー藤島氏が映像で会見したのを受け、NHKとしても正面からこの問題に取り組んだ番組だ。私はきっかけとなったBBCの番組も見ていたが、日本のメディアで本気で問題に切り込んだ姿勢は評価していいと思う。他にもTBSも頑張っているし、日テレも櫻井翔がキャスターを務める15日の「news zero」と21日の「バンキシャ」で扱ったの

放送収入はもう伸びないことがはっきりした〜2022年度キー局決算を考える

惨憺たる状況の在京キー局決算 先週、5月11日から12日にかけて在京テレビ局の決算が出揃った。放送業界の惨憺たる状況を如実に映し出す内容だった。 簡単なグラフを作ったので見てもらおう。これは決算説明会の資料から、各局の単体の数字を抜き出して比べたものだ。在京キー局はすべてホールディングス体制をとっており、それぞれ様々な会社を抱えているので、連結決算の数字ではかえって「放送事業」の実体を比べにくくなる。TBSならTBSホールディングスではなくTBSテレビだけの数字を見たほう

ローカル局はわかっているなら、動くしかない

月刊ニューメディアの秀逸企画、ローカル局社長アンケート 月刊ニューメディアの6月号(5月1日発売)が非常にいい特集を組んでいる。「ローカル局経営トップ42人がアンケートに答えた『経営の現在地と展望』」と題して、大々的なアンケートをローカル局社長に対して行っているのだ。 これはすぐに読みたいと、私はネット注文ではなくわざわざ東京駅の丸善本店まで行って購入した。用事もあったからだが、足を運んだ甲斐がある迫力ある記事だった。 アンケート項目は「放送収入と放送外収入」「経営課題」