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テレビとネットの横断業界誌 MediaBorder

放送と通信の融合をテーマに、取材した記事や論考記事をメディアコンサルタント境治が書いていきます。テレビ局の方を中心に、広告業界、ネットメディア、調査会社など様々な分野の皆さんにご… もっと読む
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2023年2月の記事一覧

今後のテレビ業界に関する無責任な推計〜日本の広告費2022を元に〜

誰も彼もうなだれているテレビ業界電通が毎年この時期に出している「日本の広告費」の2022年版が今年も2月24日に発表された。 全体に伸びたし、インターネット広告費はついに3兆円を超えた。それが今年のトピックだ。私はこのデータが出るたびに毎年グラフを更新してきた。地上波テレビ広告費、インターネット広告費、新聞広告費の数字を取り出して折れ線グラフにしたものだ。 地上波テレビ広告費は前年比97.6%で1兆6768億円だった。2020年はコロナ禍で急減し、2021年はそれを取り戻

U-NEXTは日本のSVODをすべてまとめるのか?

2月17日、私のタイムラインでは何度もこのニュースが躍った。 2015年にNetflixが上陸して以来、日本には続々SVODプレイヤーが名乗りを挙げた。これについて、2017年には「淘汰が始まった」と気の早いメディアが書いていた。日経もその一つだ。 ゲオが撤退しただけで、ちょっと早計にすぎると筆者は感じたものだ。淘汰を言うなら、2023年の今だ。 12年で一区切りがついた日本のSVODここで日本のVOD業界を振り返ってみよう。 まずSVOD以前、2000年代にTVODと

もう一度、テレビを発明せよ

テレビ番組がダメなのではないテレビ局が今、窮地に陥っているのは、よく考えるとおかしなことだ。テレビは見られなくなっているが、見られてもいる。放送が不便というだけで、TVerでドラマを毎週見る人は相変わらず多い。バラエティには個人的にいろいろ言いたいこともあるが、総じて若者は嫌ってはいない。何より、政治経済にしても事件や芸能ゴシップにしても、テレビ画面に登場して初めて広まる。これほど影響力の高いメディアはないのだ。 若者はスマホが手放せず、スマホで映像を自在に視聴するが、同じ映