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テレビとネットの横断業界誌 MediaBorder

放送と通信の融合をテーマに、取材した記事や論考記事をメディアコンサルタント境治が書いていきます。テレビ局の方を中心に、広告業界、ネットメディア、調査会社など様々な分野の皆さんにご…
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2022年8月の記事一覧

ケーブルテレビに学ぶ「メディア=コミュニティ」

(↑トップ画像はケーブルコンベンションWEBサイトよりキャプチャー) 1ヶ月も経ってしまったが、遅ればせながら7月28日に行われたケーブルテレビ業界のイベントから記事にしたい。 毎年この時期に、ケーブルコンベンションのタイトルでこの業界最大のイベントが開催される。東京国際フォーラムで「ケーブル技術ショー」という展示会が開催され、セミナー会場では様々なカンファレンスが行われるのだ。コロナで2020年、2021年はオンラインのみだったため、3年ぶりのリアル開催となった。 筆

テレビ局の競争は、視聴率から戦略へ

コロナで乱高下した視聴率先週、在京キー局の決算が出揃った。このところPUTつまり視聴率全体が急落していると聞いていた。筆者は7月にそのことを取り上げた記事をYahoo!に掲載したところ、久々にえらく読まれた。 この時はインテージ社に視聴データをもらったのだが、確かに下がっていた。同社のデータでは性年齢別の多くのセグメントで特にゴールデンタイムで如実にダウンし、それが今年の4月を境目に起こっていた。 キー局の決算資料にはビデオリサーチの視聴率も掲載されるので、視聴率の変動を

インフォメーションヘルスを守るのは本当にマスメディアなのだろうか

前回の記事で「インフォメーションヘルス」という言葉を紹介した。もう一度少し説明すると、総務省の有識者会議「デジタル時代における放送制度の在り方に関する検討会」でも使われた言葉で、言葉通り「情報の健康」をどう守るかのキーワード。有識者の一人として参加した慶應大学教授・山本龍彦氏が東京大学教授・鳥海不二夫氏とともに出した共同宣言に登場する言葉だ。 フェイクニュースが飛び交うネット上の言論空間で"取材や編集に裏打ちされた 信頼性の高い情報発信"に基づく放送は、インフォメーションヘ

「デジ放検」まとめにあえて今さら入れたいツッコミ

MediaBorder購読者の諸兄なら注目してきた方も多いと思う。総務省の有識者会議「デジタル時代における放送の将来像と制度の在り方に関する検討会」がとりあえず一旦終了したようだ。終了と言ってもこれでおしまいではなく、どうやらメンバーを入れ替えて新たなテーマで議論するらしい。現メンバーでの議論を終えたということだろう、7月29日の第13回の最後には座長である早稲田大学大学院教授・三友仁志氏が最後の挨拶を述べておられた。 どんな内容だったかは総務省のWEBサイトに掲載されてい