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テレビとネットの横断業界誌 MediaBorder

放送と通信の融合をテーマに、取材した記事や論考記事をメディアコンサルタント境治が書いていきます。テレビ局の方を中心に、広告業界、ネットメディア、調査会社など様々な分野の皆さんにご…
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2022年7月の記事一覧

NHK会長人事を巡る諸課題に関する検討を、そろそろ始める時だと思う(あくまで国民目線で)

NHK会長選出の裏にいたフィクサーの存在NHKの次期会長を選ぶ準備が始まったと報じられた。 NHK会長についてはいろいろと物議を醸し出してきた。もっとも「騒動」になったのが2014年に会長になった籾井勝人氏で、政府に絶対服従するような発言をして紛糾した。「アベ友」とも呼ばれ、安倍政権にべったりの会長だと猛烈に批判された。歴代のNHK会長はそういう人物ばかりだとも言われてきた。ただ、いろいろ知るとそう単純ではない。 会長がどう決まってきたかについては、SlowNewsに掲載

テレビを支配したがる新聞社という存在

日本新聞協会という名の圧力団体今週、こんなニュースが配信された。 共同通信が配信したこの記事は、地方紙にも転載され、新聞業界全体が大合唱しているように見えた。 総務省の有識者会議がまとめた放送制度改革案に対して日本新聞協会が意見書を出した、という記事で、「NHKのネット拡大を危惧」がその中身らしい。今、NHKのネット拡大を危惧するのはNHK党と新聞協会ではないか。 「日本新聞協会」の名で出てくる放送業界への意見に接するといつも、何のために出しているのだろうと思ってしまう

マスメディア企業でこそクォータ制が良い効果をもたらす〜民放労連の女性割合調査を受けて〜

民放労連が先週、リリースを発表した。放送業界の女性役員状況を調査した結果だ。 労連では昨年も同趣旨の調査結果を発表した。それを受けてMediaBorderではこんな記事を書いている。 この時は、テレビ局のうち91社で女性役員がゼロだった。今年の発表では91社から92社に増えていた。 女性役員ゼロが減るならともかく、増えるとはどういうことだろう。 リリースには「速報」として、「在京テレビ全局に女性役員が任命されました!」とも書いてある。 これは前進だろう。ただおそらく

もはや選挙を動かす力はテレビよりYouTubeにある?

暴露YouTuberが国会議員になる世の中ガーシーと呼ばれるYouTuber東谷和義氏が、最近あらゆる人物の裏を暴露して話題になっていた。それぞれの真偽は知らないが、あまり気持ちのいい話題ではなく掘り下げて調べたりもしなかった。 今回の参議院選挙でNHK党がガーシーを候補に立てていたのを知ったのは、投票日の数日前だったと思う。そんな怪しい人物が当選するはずもないだろうと高を括っていた。 今朝起きて選挙結果を確認していたら、N党が比例代表で結構な数の票を獲得し、名簿トップの東谷

ゴールデンタイムの凋落はテレビの衰退か、あるいは進化への助走か

4月以降、テレビ視聴が急減していると聞いたので、インテージ社にデータをもらってYahoo!ニュースに記事を書いた。 詳しくは読んでもらいたい。 あまりにもあからさまなデータが出たので驚いたのだが、様々な層でゴールデンタイムの数値が下がっていた。最近のテレビ局は、コア層と呼ばれる49歳以下のファミリー層や若者層に狙いを定めている。だから50代60代が下がるのは仕方ないだろう。だが男女とも40代が下がっていたり、女性20代も下がっているのはどういうことか。また女性50代・60代