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テレビとネットの横断業界誌 MediaBorder

放送と通信の融合をテーマに、取材した記事や論考記事をメディアコンサルタント境治が書いていきます。テレビ局の方を中心に、広告業界、ネットメディア、調査会社など様々な分野の皆さんにご…
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2022年5月の記事一覧

最新の放送技術を見に行ったら、7年前から進んでなかった件について

放送と通信をシームレスに視聴できるこれからのテレビ先週、NHK放送技術研究所で「技研公開2022」が開催された。今回は感染対策のため完全予約制で人数制限を行なっており、私は5月27日(金)11時に予約したら、この時間に限って大変な土砂降り。ジーンズの膝から下がすっかりずぶ濡れの状態で展示を見て回った。 タイトルを「進んでなかった」と嫌味な感じで書いてしまったが、それは後述するように思いを巡らせた感想で、実際には3年ぶりのリアル展示の数々に感心した。地下一階に並んだVR、AR

Netflixはなぜ立ち止まったのか〜コンテンツの洪水が始まっている

Netflixの会員数減少が話題に4月後半、Netflixの会員数が減ったと話題になった。 原因はNetflix自身で様々に分析し、また各メディアが様々に論じている。これに伴い広告モデルのプランも考えていると報じられた。 2015年の日本進出時にリード・ヘイスティングス氏に直接取材する機会を得たが、その時の印象では、Netflixは企業文化として広告モデルを嫌っている、と感じた。彼らのアイデンティティの一つと言ってもいいのではないか。そんな彼らが広告モデルに手を出すのは、ア

ウェビナー「同時配信の議論を決着させる」6月21日(火)開催

MediaBorderでは6月21日(火)17時より、ウェビナー「同時配信の議論を決着させる〜メディアのグランドデザイン会議第二回〜」を開催する。 4月に行った「メディアのグランド会議・第一回」の続きとして同時配信を取り上げ、何かと誤解曲解が多く不思議と放送業界の人々が感情的に語るこの議論を「決着させる」べく議論を進行したい。 詳しくはPeatixの申し込みページをご覧ください。 また本誌購読者の皆さんには今回も割引料金を設定している。以下に示す割引コードを申し込み時に入力

ローカルだって同時配信!KBCが朝の情報番組を毎日ネットで生配信しはじめた

ローカル番組「アサデス。KBC」が毎日同時配信KBC九州朝日放送は福岡県のローカル局で、MediaBorderでは和氣靖社長が打ち出した理念と、その具現化である「ふるさとWish」について何度か取材してきた。私自身が福岡出身であることもあり、その地域に根ざした活動には注目している。 そのKBCが今度は、同時配信に取り組み始めた。「アサデス。KBC」という朝6:00-8:00の看板番組で、ローカル局が月金で毎日情報番組を放送している時点で大変なことだと思うが、これを放送と同時に

そもそも日本で「公共メディア」は成立するのだろうか

BBCの料金問題に色めく新聞業界の人びと一昨日(4月30日)、共同通信によるこんな記事を見かけた。 「BBCが受信料一律徴収終了へ」の見出しを見てどう受け止めるだろう。英国では受信料の支払いは「国民の義務」であり、払わないと厳罰に処せられると聞いている。「一律徴収終了へ」ということは「払わなくていい人もありになると決まった」と受け止められる。だが本文を読むと「可能性」となっていて「終了へ」は言い過ぎではないかと感じた。さらに・・・ これが言いたいのかと呆れた。前に総務省の