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テレビとネットの横断業界誌 MediaBorder

放送と通信の融合をテーマに、取材した記事や論考記事をメディアコンサルタント境治が書いていきます。テレビ局の方を中心に、広告業界、ネットメディア、調査会社など様々な分野の皆さんにご…
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2022年2月の記事一覧

テレビはネットの補完になった〜考察:日本の広告費2021〜

毎年この時期に電通が発表する前年の日本の広告費が昨日発表された。2021年はマス4媒体広告費(テレビ・ラジオ・新聞・雑誌)の合計額をインターネット広告費が初めて上回った。読者諸氏はすでにご存知のニュースだろう。 MediaBorderでは毎年、テレビ広告費(地上波テレビのみ)とインターネット広告費、そして新聞広告費の3つの推移をグラフにしている。2000年から2021年の数値をグラフにしたらこうなった。 インターネット広告費がマス4媒体の広告費総額を超えたのも驚きだが、こ

放送ネットワークは誰のためのものか

放送ネットワークは新聞社のものなのか? 今回は書籍の紹介をしたいのだが、その前に余談から入ろう。 2月16日に総務省の有識者会議「デジタル時代における放送制度の在り方に関する検討会・第5回」が開催された。この会議はインターネットが情報流通の主戦場になってきた時代にふさわしい放送制度を議論するのが目的だ。この前の「放送を巡る諸課題に関する検討会」(2015年〜2020年)は事実上NHKの同時配信を議論する会議体だった一方で、主催者である総務省のナビゲーションに主体性がなく、大

北京冬季五輪で話題に!サブチャンネルを使いこなすのは若者か中高年か?

Introduction 今回は深田航志氏からの久々の寄稿。北京五輪でサブチャンネルへの突然の切り替えが話題になった。ではそのサブチャンネルは実際どれくらい使われているのかを調べてみたそうだ。なかなかないデータなのでぜひお読みいただきたい。 昨年の東京夏季五輪に続き、現在熱戦が繰り広げられている北京冬季五輪。日本のメダル獲得以上に、今回の冬季五輪では、各競技での不可解な判定や、公正性を欠くようなものが目立っていますね。 スキー混合ジャンプの高梨沙羅さんのスーツ失格から、スノ

テレビ局はあたらしいドキュメンタリーを作り、世界をめざせ

ドキュメンタリー映画「香川1区」が全国公開され話題になっている。「なぜ君は総理大臣になれないのか」に続いて大島新監督が国会議員・小川淳也氏を追った作品だ。筆者は1月初めに見ていたく感激し、Yahoo!ニュースで記事を書いた。 この作品単体については上記記事を読んでもらうとして、これを見てあらためて考えたことをここでは書きたい。日本のテレビ局はドキュメンタリーにもっと力を入れるべきだ、という趣旨だ。 これまでの日本のドキュメンタリーはつまらない!筆者は映画が大好きで週に1〜