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テレビとネットの横断業界誌 MediaBorder

放送と通信の融合をテーマに、取材した記事や論考記事をメディアコンサルタント境治が書いていきます。テレビ局の方を中心に、広告業界、ネットメディア、調査会社など様々な分野の皆さんにご…
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2022年1月の記事一覧

ローカル局の主体性は失われていくだけなのか?

総務省「デジタル時代放送制度検討会」の本気総務省による有識者会議「デジタル時代における放送制度の在り方に関する検討会」が昨年11月にスタートした。MediaBorderでは岩井義和氏による議事録をお伝えしてきた。 NHK放送文化研究所の村上圭子氏が「文研ブログ」にこの3回の論点をわかりやすくまとめているので、こちらも参考になると思う。 前の「放送を巡る諸課題に関する検討会」は事実上NHKの同時配信について議論する場だったが、話が進まず何を議論しているのかわからない印象だっ

2月16日ウェビナー「ローカルANDグローバルの方法論」開催!

今回はウェビナー開催のお知らせ記事だ。2月16日17時からの「ローカルANDグローバルの方法論」と題したZoomによるウェビナー。このテーマにした理由を解説したい。 長谷川朋子氏は、日本コンテンツの海外展開や欧米の放送業界、新進のVODサービスなどに詳しい放送ジャーナリストだ。この手の情報におそらく日本で一番通じていると言っていいと思う。海外の展示会にも頻繁に足を運び、欧米の記事から伝わる最新情報もいち早く入手している。 そんな長谷川氏が昨年10月に出版したのが「NETFL

第3回では踏み込んだ議論に〜総務省「デジタル時代における放送制度の在り方に関する検討会」

Introduction 総務省の有識者会議「デジタル時代における放送制度の在り方に関する検討会」について第1回第2回のレポートを寄稿してくれた岩井義和氏が第3回の議事もまとめてくれた。かなり踏み込んだ議論が行われたことがよくわかり、読んでいて動悸が高まった。悠長だった以前の「諸課題検討会」とはずいぶん違って「議論」になっている。そんな様子がよく伝わる貴重な第一次資料と言えるのでぜひ読んでもらえればと思う。 12月15日、「デジタル時代における放送制度の在り方に関する検討会

2022年、メディアのグランドデザインをつくろう

小さな議論より大きな議論をすべき時例えば、テレビ放送の同時配信。やるべきなのか、どうなのか。NHKの同時配信がすでに始まり、民放でもキー局が春までに出揃うこの段階になってもまだ議論が落ち着いていないのはどういうことでしょう。同時配信を同時配信だけで議論しているからだと思うのです。 同時配信にニーズはあるのか、ビジネスになるのか、ローカル局はいらなくなるのか。それらを同時配信だけで議論していても答えは出てきません。同時配信がある一方で、ネットでテレビ番組をどう視聴してもらい、地