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テレビとネットの横断業界誌 MediaBorder

放送と通信の融合をテーマに、取材した記事や論考記事をメディアコンサルタント境治が書いていきます。テレビ局の方を中心に、広告業界、ネットメディア、調査会社など様々な分野の皆さんにご…
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2021年5月の記事一覧

テレビ局役員人事に見る、ダイバーシティの未熟度

Introduction キー局の決算発表と同時に役員人事も発表された。今年はやはり女性登用がどれくらい進んだかが気になるところだ。男社会と言われるテレビ局だがダイバーシティも進めねばならない時代。実際どうなのか、テレビ局のガバナンスをウォッチする塚本幹夫氏に解説記事をお願いした。 書き手:株式会社ワイズ・メディア 取締役メディアストラテジスト・塚本幹夫氏 5月11日から14日にかけ、在京キー局ホールディングス(以下HD)の決算発表が相次いであり、併せて6月の株主総会にか

テレビ東京とWOWOWの長期戦略から考える、これからのテレビ局の生き残り方

※トップ画像はテレビ東京HDのWEBサイトをキャプチャーしたもの 前回の記事「キー局決算から読み取る、これからのテレビ局の生き残り方」では在京キー局の決算数値から「放送収入」にあたるものを取り出して表にし論考した。 濃厚な内容でまとまったTBSのVISION2023今回の決算ではこうした単年度の数値とは別に、明確に長期的ビジョンを新たに打ち出した局があったことにも注目した。日本テレビは例年、しっかりした戦略を打ち出していたが、TBSが決算と同じタイミングで発表した「TBS

5/25ウェビナーはZoomのImmersiveViewを活用して開催!

昨年から「地域とテレビの未来ウェビナー」としてシリーズでウェビナーを開催してきた。次回、5月25日は「テレビ局は地域創生をどう事業にするか・1」〜毎日放送の地域創生事業会社Zipangとアニメ「やくならマグカップも」〜と題してお届けする。 Zipangの吉廣貫一氏、猪狩淳一氏にご登壇いただき、同社の考え方とコンテンツによる地域創生の具体例として岐阜県多治見市を舞台にしたアニメ「やくならマグカップも」を紹介。さらに多治見市をエリアに含む地元局としてアニメを放送しているCBCテ

キー局決算から読み取る、これからのテレビ局の生き残り方

各局ともタイム・スポットともに大幅減先週、在京キー局の決算が出揃った。MediaBorderではここ数年、「放送収入」に絞って決算内容を検証してきた。ここでいう「放送収入」とは、番組が放送されることで得られる広告収入のことだ。「放送収入」にはいくつかの考え方があると思うが、ここではタイムとスポットのCMセールスの売上高と定義している。テレビ局のメイン収入となる金額だ。決算説明資料で各局ともタイムとスポットに分けて数字を発表しているので、取り出して並べやすいのもある。(フジテレ

紙媒体はいつまで世帯で語るのか ~続・続・視聴率という厄介な代物〜山本英治氏寄稿

Introduction 山本英治氏からの寄稿。「視聴率という厄介な代物」の続々編だ。記事の最後に、前の記事のリンクを貼っておくが、独立した記事として十分面白いのでまずはお読みください。 書き手:毎日放送・山本英治 最近ネット上の記事を見ていて思うのですが、新聞社(スポーツ紙を含む)は一体いつまで番組平均世帯視聴率で番組を語る気なのでしょう? 実際に番組を作って送り出している放送局側は、まあ、地方によって局によって濃淡はあるでしょうが、次第に番組平均世帯視聴率から各種の

テレビはそもそも、多様性に満ちたメディアではなかったか?

ダイバーシティという言葉が飛び交う時代になった。 いまは女性活用を語る際に使われることが多いが、本来は「多様性」という意味の言葉でもっと広い意味を持つ。 テレビ番組についてもダイバーシティが問われることが出てきた。女性活用で言うと、テレビ番組の出演者が男性が多かったり男女で役割が固定化されていないかが問題にされる。 テレビに出る人は中年男性と若い女性に偏っている筆者も3月にYahoo!でこんな記事を書いた。 見出しの「おじさんの話を若くきれいな女性が聞く」はちょっとし