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テレビとネットの横断業界誌 MediaBorder

放送と通信の融合をテーマに、取材した記事や論考記事をメディアコンサルタント境治が書いていきます。テレビ局の方を中心に、広告業界、ネットメディア、調査会社など様々な分野の皆さんにご…
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2021年4月の記事一覧

日本のコンテンツ産業はジャンプする時!〜韓国と日本を結んできた、黄仙惠氏に聞いてみた

※画像は12月まで務めた日本ビジネスセンター長としての黄氏 3月のある日、ここでも記事に書いた大原通郎氏「ネットフリックスvsディズニー」についてFacebookで投稿した。それに対し、黄仙惠さんがコメントをくれた。 「日本はジャンプが必要な時期」、なるほどと思い詳しいお話をお聞きしたくなった。このあとさっそく黄さんに取材をお願いし、快諾をいただいた。 黄仙惠(ファン・ソンヘ)さんは、2020年12月まで韓国コンテンツ振興院・日本ビジネスセンターのセンター長を務めた方だ

地域の情報をエリアを超えて伝える意志を持ちたい〜宮城県民放4局同時配信実証実験を終えて〜

MediaBorder3月2日の記事では、広島県の民放4局による実証実験について中国新聞の山本氏に取材した。 この実証実験は、同じタイミングで東日本、西日本それぞれで行われ、東日本では宮城県が対象地域となっていた。西の話を聞くと、東の話も知りたくなる。宮城の場合は宮城テレビが幹事役となったと聞いた。そこで、同局の技術推進部・阿部和彦氏にZoomで取材した。広島の実験と意外に様々な点で違うのが面白かった。また阿部氏がこの実証実験に意欲的に取り組み、大きな手応えを感じた様子なの

宮崎から、そして日本から台湾への窓口を担う〜宮崎放送の地域商社・トレードメディアジャパン

放送局は地域創生に取り組むべきだ、とよく言われる。だがその具体となるとなかなかイメージし難いだろう。やり方はおそらく定型などなく、その地域なり局なりで独自に考えることになるのだと思う。 3月にこのMediaBorderで記事にした毎日放送が設立した株式会社Zipangはその好例だった。コンテンツのタネを自治体と一緒に育てて形にし、その地域を活性化する。メディア企業ならではの”やり方”だったしひとつの地域に限定しない活動をしていた。 宮崎放送が台湾と地域を結ぶ”商社”に取り

日本が激しく遅れていること、それでもまだ間に合うこと〜「ネットフリックスvsディズニー」大原通郎著

元TBSのメディア研究者・大原通郎氏の新著「ネットフリックスvsディズニー ストリーミングで変わるメディア勢力図」は、想像していた構成の書籍だったが、中身は想像を超えたエキサイティングなものだった。 世界はストリーミングファーストへこの本ではタイトル通り、まずネットフリックスとディズニーの対決が描かれる。この辺りは、メディアの最新動向を追っている人には目新しい部分はあまりない。それでもネットフリックスの制作部門の責任者、テッド・サランドスの出自や彼の義父が著名人であることは

sodaneを通じて知るローカル局がキュレートメディアをやるべき理由〜北海道テレビ・阿久津友紀氏インタビュー

HTB北海道テレビは注目度の高いローカル局だ。大泉洋とともに全国レベルの人気番組となった「水曜どうでしょう」を擁し、独自に番組をネット配信したり早くからインバウンドに取り組むなど、多方面でローカル局のロールモデルとなってきた。筆者もMediaBorderで「LOVE HOKKAIDO」を取材したほか、Yahoo!ニュースでは2019年にドラマ「チャンネルはそのまま」についても記事にしている。 HTBの様々な活動を取材してきたつもりだったが、また新しい動きを発見してしまった。

文化庁が同時配信を放送と同等扱いに!急展開の背景にあるもの〜塚本幹夫氏寄稿〜(2020年12月15日記事)

Introduction これは2020年12月に塚本幹夫氏に寄稿いただいた記事。MediaBorderは元々Publishers上で刊行していて2021年3月からnote版もスタートした。そのためnoteには本記事はなかったのだが、2021年4月1日付の記事の補足のためにnoteに再掲する。書かれたのは2020年12月であることを踏まえて読んでもらえればと思う。 書き手:株式会社ワイズ・メディア取締役メディアストラテジスト塚本幹夫 12月2日、文化庁の「放送番組のインタ

著作権法改正で同時配信の手続きは本当に楽になるのか〜塚本幹夫氏寄稿〜

Introduction 3月初め、著作権法の改正が閣議で決定され、ネット登録者数の権利処理が簡略化されると報じられた。だが実際のところどれくらい手続きが楽になるのか?その後の動きも踏まえて、この領域に詳しい元フジテレビの塚本幹夫氏に解説してもらった。 書き手:株式会社ワイズ・メディア 取締役メディアストラテジスト・塚本幹夫氏 この原稿を書いている最中にびっくりするようなニュースが入ってきた。文化庁の岸本著作権課長が4月1日付けで人事異動するというのだ。異動先が文科省大臣