1-僕の彼女は風俗嬢〜プロローグ〜
カーテンから少しだけ陽がこぼれている。
心地よい眠りからさめた私に、朝を教えてくれる。
ベッドの反対側を見ると大好きな彼が寝ている。
私は壁の方を向いて寝るのが好きだ。
その時、彼には後ろから抱きしめてて欲しい。
昨日もそう寝たつもりなんだけど、寝ている間に反対を向いてしまったのだろう。
私は体を反転させて彼に寄り添う。
半分起きた彼が私を抱き寄せる。
その手は力強く、でも優しい。
満たされる。この言葉以外に当てはまる言葉が出てこない。
このまま幸せが続けばいい。ゆっくり、深くそう思う。
私はレナ。どこにでもいる19歳。
専門学校に通ってたけど辞めた。色々あって。
実家に住んで、たまに買い物行って、たまにデートに誘われて
たまに合コン行ったり、普通だと思う。
ただちょっと違うのは、私が風俗嬢だってこと。