見出し画像

【高配当銘柄】日本化薬の業績と展望 ~安定配当銘柄~

事業内容

 機能性化学品事業、医薬事業、セイフティシステムズ事業、アグロ事業という4つの柱で構成されている。機能性化学品事業はさらに「機能性材料」「ポラテクノ」「色素材料」「触媒」に分けられている。
 セグメント別にみると、売上高、利益ともに機能性化学品が中心となっている。次いで医薬、セイフティシステムズとなっている。

業績評価

1) 一株あたり純利益 (EPS)

 EPSは2013年以降の10年間ほぼ横ばいとなっている。この間にコロナ騒動があり、2020~2021年はやや利益が落ち込んだが、利益が半分になったり赤字になってしまう企業もあるなか、影響は軽微であったともいえる。

2) 一株あたり純資産 (BPS)

 続いてBPSだが、こちらは堅調に増加しており、理想的な右肩上がりとなっている。

3) 自己資本利益率 (ROE)

 ROEは2013年には10%あったものの、それ以降は右肩下がりとなっている。純資産(BPS)は増加しているが、利益(EPS)が横ばいであるため収益性は低下していると評価される。この点は会社としても問題視しているようで、統合報告書など会社資料では、2025年にROEを8%以上にすることを目標とうたっている。

配当金の推移

 配当金は直近2021年までは30円として、6年間変動がなかった。しかし2022年には40円に増配している。配当性向はジリジリと上昇してきており、2020年は40%となっている。配当余力があるため不況の際に減配しにくいといえる。
 会社の株主還元に対する基本方針は、安定的かつ継続的な利益還元を行うため、配当性向を40%以上とすることを目標としている。安定したEPSと低い配当性向から、今後も安定した配当金が期待できる。

まとめ

 2023年2月現在の株価は1,160円前後であり、2023年3月期の予想配当金は40円とされていることから、配当利回りは約3.4%である。高配当銘柄としてはもう少し欲しいところであり、配当原資となるEPSも横ばいであることから、大幅な増配も期待しづらい。コロナショックのような不況時でも安定した配当金が期待できることから、配当収入を安定させる目的で購入したい。また、全体的な市況が下落した際に価格下落したら、ぜひ狙っておきたい銘柄であるといえる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?