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【高配当銘柄】稲畑産業の業績と展望

事業内容

 ケミカル事業を中心とした化学系商社である。主に「情報電子」「化学品」「生活産業」「合成樹脂」の4つの事業分野を展開している。
 下のグラフに示す通り、合成樹脂が多くの割合を占めている。この分野では、生活用品や建材、自動車用資材やコンパウンドなどを主力としている。

業績評価

1) 一株あたり純利益 (EPS)

 EPSは2013年以降は年々増加傾向にある。特に直近の2022年増加率が約63%増益と好調である。2013~2022年の10年間で4倍という素晴らしい速度で成長している。

2) 一株あたり純資産 (BPS)

 続いてBPSだが、右肩上がりに成長している。やや波があるのが気になるが、BPSが減少するのは単年であることから合格ラインといえる。

3) 自己資本利益率 (ROE)

 ROEは2013~2021年においてはほぼ横ばいであり、約7.5%と平均的な日本企業の数値である。2022年は大きく増益した影響でROEも12%以上まで上昇しており、魅力的な収益力であるといえる。次期(2023年3月)も2022年並みの利益予想となっており、今後継続して収益性を確保できるかどうかが注目される。

配当金の推移

 配当金は右肩上がりとなっている。ここ10年間で減配は一度もない。本銘柄は累進配当を宣言しており、今後増配していくことを目標としている。直近の2022年は昨年に対して74%も増配している。しかし2022年は一株当たりの利益を表すEPSも大幅に増加しており、配当性向は以前30%と安心感がある。
 配当金ではないが、株主優待としてクオカードも贈呈される。

まとめ

 2023年2月現在の株価は2,500円前後であり、2023年3月期の予想配当金は115円とされていることから、配当利回りは約4.6%である。配当利回りは高いが、前述のとおり配当性向は30%程度と低く、配当の原資を企業の利益として稼ぐことができている。収益性の高さと株主還元意識の高さを兼ね備えた優良高配当銘柄といえる。
 一方で商社株という特性上不況の影響を大きく受けやすいセクターである。ぜひポートフォリオには入れておきたい銘柄だが、ほかの銘柄同様に依存しすぎないように注意が必要である。

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