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アクションラーニングに見る「質問によるマネジメント」の実践

こんにちは、秋山です。3月も、12日か〜焦るな〜。
さて今日は久々の論文読んでみたシリーズ、アクションラーニング(AL)です。5つの会社にてALを実践した事例研究の論文です。

10本近いアクションラーニングの論文を読んでみましたが、まだまだ発見がありますね…さっそくってみよう!

アクションラーニングに見る「質問によるマネジメント」の実践
株式会社 フルハウス 小森谷 浩志


いい質問が人を組織を育てる

筆者は、寺本(2005)コンテクスト転換のマネジメントから、以下を引用しています。「企業価値の中心が機械や商品から人に変わる中で、無形資産つまり人の価値を上げていくためには、良い質問で育てるしかない」そして筆者はALをこの手法に選び、質問と実践と振り返りで人と組織が学習するプロセスを考察しています。

寺本(2005)は,工業社会から知識社 会への移行に伴い,主要生産物が,ハード(モノ) からソフト,サービス(コト)になることを指摘 する.その中で,新たな人と組織のマネジメント プロセスとして「無形資産価値創造のマネジメン ト(賢くなるマネジメント)」を提唱する.そし て,プロセスを回転させる「駆動力」として, “Management by Good Question”の重要性を 指摘する.

ALの効果

ALとは何か、という基礎的な内容は以下のnoteに譲り、本noteでは他で語られることのなかったALの効果について触れていきます。

AL協会公式の見解としては、ALに以下の効果をうたっています。
・問題解決
・個人のスキルアップ
・支援型リーダーの育成
・自立型チームを作る
・活気ある組織づくり

筆者はこれ以外に、以下のような効果があると述べています。
・質問力
・傾聴力
・リフレクション力
・自己開示の力

質問力

セッションが進むにつれて、忌憚のない質問、本質に迫る質問、コンパクトな質問が多くなってきた。

傾聴の力

問題提示者をして、深く聞かれる経験をすることで、聞くことの大切さに気づく参加者がいた。お互いが傾聴し合うことで、メンバー同士の親密性が高まり、チームビルディングの基盤になっていた。

リフレクションの力

多くの研修でも最後に振り返りをして「何を学びなしたか?」なんてことはよくやりますが、ALでは場の雰囲気を尋ねたり、次どうしたらいいのか、といったアクションにつながるリフレクションを複数回求めます。その中で自分が学んでいることに気づくと、リフレクションの大切さに気付いていきます。

自己開示の力

質問を受けたメンバーが自己開示することで、セッションが深まり、本質に迫る経験をすることで、自己開示の重要性に気がついていきます。

🙄 自己開示の力は、他の論文でも触れられておらず、この研究独自の気付きでした。自己開示には、安心と安全の環境が必要でそれをやっても大丈夫な業務とは一定切り離された環境だからこそ、自己開示しやすくなる効果があるのだと思います。

個人的感想とまとめ

どれだけいい質問が飛び交っていても、それに反応できる自己開示力と安心安全な環境がなくては、ALは成立しないということを改めて学びました。

チームが一枚岩になれていない、自分の言ったことの半分もチームで実践されない、そんなことを思うリーダーは、実は自己開示が足りていないのかもしれないですね…と自分にとっても耳がいたい。


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