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成功の罠から脱却するには荒療治が必要?

こんにちは、秋山です。
今日は、論文よんでみたシリーズ第一弾です。
記念すべき第一弾なのに、なさけないことにすでに今日の仕事でへとへとで、簡潔にサマリーしていきたいと思います。

異業種 5 社による 「地域課題解決研修」の効果とは何か? -アクションリサーチによる研修企画と評価-
———中原 淳 

みなさんは、ヤフーのすごい研修って読んだことはありますか?
ヤフー、インテリジェンス、日本郵便、アサヒビール、電通北海道、美瑛町役場から集まった次世代リーダーたちが、異業種混同で地域課題に取り組んだ越境型の研修です。詳細はこちらの本にもまとまっておりますが、今回はこの内容をよりアカデミックに振り返った論文を読んで行きます。

何をゴールにした研修なのか?

ずばりゴールは、過去の成功体験によって生み出される、能動的惰性つまりアンラーニングできない姿勢・物の見方を矯正し、変革的な経営目線と行動を引き出すことにありました。

2014年の5月から10月にかけての約半年間で、次世代リーダーと言われる管理職約30名が北海道美瑛に集まり、寝食を共にしながら、リアルな課題を解いていく研修です。

参加者は月に一回のペースで、美瑛町に訪れフィールドワークをし、地域課題を探索して、その解決策を美瑛町の町長にプレゼンします。この課題解決をする過程で、次世代リーダーとして今後必要になる素質や経験を獲得してもらうことが、先に書いたゴールとなります。

論文の中には、具体的に以下のような目的があると記述されています。

まず、一次的効果として研修がめざしているものとは、能動的惰性の果て に管理職らが獲得してしまった「固定的パースペクティブ」を揺るがすこと である。この次元において、管理職が慣れ親しんだ日常の認識の枠組みにい かに「揺らぎ」を与えるかが、その後の二次的効果を論じる上で基礎をなす。 この研修における二次的効果としては、
1)今後次世代リーダーとして必要 な革新行動への意欲を向上させること、 2)多様性あふれる人々と出会い、 葛藤する中で、多様な考えに触れる経験をもつこと、
3)経営者・経営陣の 目線で常に物事を考える習慣を獲得させることなどがかかげられる。

どんなカリキュラムなのか

概要
・キックオフ:都内で3時間
・セッション1:現地で3日間のフィールドワーク
・セッション2:現地でのフィールドワーク
・セッション3:現地でのフィールドワーク
・セッション4:現地でのフィールドワーク
・セッション5:プレゼンテーション、プロジェクト全体の振り返り

キックオフでは、プロジェクトの課題解決に飛びつくのではなく、過去の振り返りや自分の取り扱い説明書を共有し、チームアップする。対話やリフレクションを重要視する。

セッション1から現地に入り、本格的な課題解決が始まっていく。現地の青年会などにヒアリングをし、生の声を聞く。中間プレゼンテーションでは、「全くのゼロからの施策・サービスを生み出す経験」を期待される。能動的惰性から脱却し、徹底的な革新行動が期待される。

最も重要なのが、最終セッションのリフレクションです。プロジェクト自体を振り返るとともに、自分自身のリーダーシップ行動についても振り返ります。この研修のゴールは、いかに革新的な提案をするか、ではなくその先にある各人の革新行動の向上やアンラーニングにあります。

参加者にどんな変化が起きたのか?

研修の前後で、革新行動意欲・多様性のの遭遇経験・経営者目線での思考習慣の獲得を比較している。結論全て研修後に向上がみられる。

もともと研修企画時に想定していなかった効果として、自組織の再解釈や自己能力の再解釈も起きている。

自組織の再解釈 「自組織の再解釈」とは「他社の社員とかかわりあうことで、自分の会 社の特殊性についての理解を深め、自組織のイメージを革新すること」で ある。別の言い方をするならば、これまで自らが抱いていた「自組織に対 するものの見方」が変化することともいえる。

まとめ

アクティブラーニングと言われる手法で、複数人でチームを組み、リアルな課題解決を行う学びの成功例をいわれる、美瑛研修をまとめてきた。  

多様性との遭遇、なんとしてもアウトプットを出さないといけない状況、自分を深く振り返る機会。これらが組み合わさることで、変容的学習=パースペクティブの変化が引き起こされる。

まさに私がLDCで経験した、ディープアンラーニングがこの研修でも起きていることがわかった。

個人的感想

私は、アクティブラーニングの場をつくりたい!そうつくりたいのだ
どうしたら作れる?

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