日記#101【今しかできない事】
私は今、母と喧嘩しほぼ一人暮らしを2週間することになっている。曾祖母と叔父が住んでいた家で曾祖母が亡くなり、毎日米を備えるのと花の水をかえるために叔父と暮らしている。しかし、叔父は料理も洗濯もやらないので実質一人暮らしだ。
親のありがたみを知るために始まった一人暮らしだが、親のありがたみより一人暮らしの楽しさが勝っている。20歳になっても姉と同じ部屋で暮らしていた私にとっては楽園なのだ。もう1週間は終わり、来週にはまた地獄の部屋に戻るしかない。その抵抗に母に延長の申し出をしようとしてみたが、延長の話をするための枕で母の機嫌を損ねるメーターが発動した。これは子供ならみんな持ってる、これ以上踏み込んだら怒られると感じるメーターだ。好奇心で踏み込んで今の一人暮らしがあるが、今度はどうなるかわからないためきれいに私は話を捻じ曲げ迂回した。
こうなってしまえば残りの1週間を全力で楽しむしかない。昨日のうちにアイスを買い、ポテチに酒思いつく限りの自由を手に取り堂々と家に帰った。(レジをしてくれたのが同じ中学校の同級生の女子で恥ずかしかった。)
そんな私の一人暮らしのノルマの一つに冷凍庫が曾祖母のものでパンパンであるため、減らしてくれと叔父から依頼を受けた。今日は冷凍食品祭りで叔父のいらいと普段怒られることの両方を実行しようと思い立った。そしてパンパンの冷凍庫を開け、中をかき分けると牛と目が合った。どうやら牛のメンチカツのようだ。朝からこんな脂っこいものを食べるのは、若くて一人暮らしをしている今しかできない。そう思った私は袋に入っていたメンチカツを勢いよくさらに開け、レンジにかけた。拳ぐらいのメンチカツが4つも飛び出したが、4つ食うのも今しかできないと思い自分を納得させた。ふとパッケージのカロリーを見ると一つが250キロカロリー。それを4つで1000キロカロリー。さすがに後悔した。
当然昼ご飯は空気にならなかった。油がいつまでも腹の底にいるのを感じながら一日を過ごしていた。私がクルマだったらいいのにとこれほどまでに思ったのはこの日だけだろうか。明日はアイスを一日で2個食おうと思う。
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