エリクソン研究会記録『ミルトン・エリクソンの心理療法セミナー』P119L8〜P132、P417〜P420 第8回

※本記事はめんたねにて2013年3月〜2017年6月まで行われたエリクソン研究会のメモ書きを文字起こししたものです。テキストは『ミルトン・エリクソンの心理療法セミナー』を使用しました。メモ書きなのでテキストを読んだ前提でないと、わからない書き方になっていることにご注意ください。
またエリクソン研究会は現在は別のテキスト『2月の男』を読んでいます。
http://mentane.net/workshop/pg167.html

P=ページ数 L=行数
読んだ箇所P119L8〜P132、P417〜P420


P119L8
「幼いころ、私たちは喜んで~」
これからやろうとすることの説明。
成長すると自分自身に制限を加えていく
P120L3
「もう一回やってみましょう。九・五・三~」
1~10を順番ではなく言う。
この言い方は難しい。学習して無いので言えない。
普通の人が学習して無いこと。何かのメタファー
トランス誘導のための緩やかな混乱
何をやっているか解らない。緩くトランスに入れる。

1~10をバラバラに言っている方が子供
順番に言っている方は大人
自分自身に制限を加えた結果1~10しか数えられなくなってしまった。
メタファー

P120L9
「組んだ足を元にもどして」
「膝の上に手を置いて」
なぜエリクソンはこのようなことをさせたか?
ブロックを解いて貰うため
腕、脚を組むのはブロック
オープンになってくれとシンボリックにアプローチ
場合によって抵抗される人も居る
抵抗するかどうかそういう情報も取れる

エリクソンがよくやる手法
催眠誘導の時にシンボルを扱う
手を挙げて貰って目の前にブロックを作って貰う
本人によって下ろして取り除かせる
心がオープンに
そういう状態をつくりたい

P120~
ローザとのやりとり
混乱させながら子供の頃を想起させて緩くトランス状態に

P121L10
「私は、あなたが11本持っている~」

何故11本か?
例えば10,9,8,7,6と逆から指折りで数える
すると片手の指が全て折れた状態だと6になる
残りの指は5本
6+5=11
だから11本という理屈

催眠誘導やっているとこういう学習
スタートの時点では本人はそんなこと
ありっこ無いと思っている
思っていないことを思って貰って入って貰う

偉い先生が11本だという
困ってどうしたらいいか解らない
ある種の混乱
P121L10
「信じます。(いいえと頭を振る)」
不一致こういう状態を作りたい

下らない遊びをして子供時代を呼び起こす
年齢退行の準備
エリクソンは解りやすくしない
徐々に要素を活性化していく

P122L14
「left「左」あるいは「残っている」」
leave-left-left
残った、左手
同音で2つの意味
下らないダジャレこういう物をエリクソンは重視している
無意識と関わる事は3歳児と関わるように
子供が喜びそうな話は無意識が喜ぶ

P122~123
同じ単語が複数の意味を持つ
催眠の無意識は一つの単語に複数の意味を持たせて連想
エリクソンは好む、伝えたい

P124L3~4
「私たちは皆、自分の言語学の型~」
同じ物を違った意味、違ったとらえ方をする
どのように取るか注意して
他人の意味づけに興味を持て

P124L5~
ミルクグレービーの話
夫人はキッチリしたもてなし方でもてなそうとするが・・・
夫人がもてなすにふさわしい食事と違うモノを要求
枠を外す破壊する
夫人も、受講者も
既存の枠に囚われることなく伸び伸びと

P125~
おねしょの話
エリクソンセミナーの参加者と
女の子に話しかける要素が入り交じっている

P127L17~18
「(さえぎって)十一年間おねしょたれと呼ばれていて~」
催眠の効力をエリクソンはこう見て居る
トランスに入れれば何でも上手にという風には見て居ない

P128L17~18
「わかりました。さて、皆さんは全員(中略)気づいていないのです。」
セミナーの生徒に対しての言葉
P128L18~
「私は彼女に私も他のどの医者とも同じです。私もまた、あなたを助けることはできません。」
どうせ今回も無理だとこの女の子は思っている
この言葉は100%正しい
居る情報。どんな意味?何故?
アンコモンセラピー「それは大変だロバート」も同様
相手が一番拾って欲しいところ
この女の子がエリクソンを見ながら考えそうなことをまず言う
エリクソンは動機づけを考える自分の患者が自分を見てどう思うか興味がある
P129L1~L3
「しかし、あなたが自分で知っていることがあります。だが~」
そうかも知れないと思う。否定する必要も無い
イエスセットを聞いて乗ってきそう
エリクソンの暗示
動機づけが高まる。この後の話が効く

彼女への言葉を自分のこととして受け止められ
この話は他の人にも起こる
2つの話は共通構造がある話し方

P130L3
「あなたがトイレで座って~見知らぬ男が~」
想像しやすい
バルタン星人や火渡の業の想像はしにくい
その人の中に近い物があれば想像を効かせやすい
リソース
エリクソンの治療は新しくインストールしない
すでにある物を引っ張り出してくる
P130L5
「ぞっとします」
こういう感覚はある
無意識、不随意の感覚
「そうです。ぞっとしておしっこをやめます」
おしっこをやめたい体が縮まる感覚が想像される
「そしてその男が去ったらすぐに~始めることができます」
トランス誘導も同じ。入れて出してあげる
一方だけではバランスが良くない
一方だけでは出ない症状が出かねない
開閉はセットで

P130L11~15
「さて、初めておねしょを~さらにもう一週間続きます」
暗示のペース
最初は超ゆっくり~最後急
動くと解れば解ってしまう
ゆっくりなら失敗しても大丈夫
失敗の仕方までプログラムに組み込む

はじめは3ヶ月~6ヶ月治ると先生が驚く
未来に関する暗示
成長の暗示から未来の暗示
こうなったらエリクソン喜ぶ
エリクソンに会うことも前提
子供にとって先生を喜ばせるのは嬉しい

エリクソンこれ以外にもおねしょの治療例がある
アンコモンセラピー
野球少年球をグローブで上手にキャッチする
共感運動の話
膀胱のの共感運動と結びつける
野球で上手に出来る

P131L2
「そして、皆さんはこの事実を~」
ここで女の子から生徒達に話を戻す
治療法のニュアンスとこのことを暗示として伝えるアナロジー
自分が出来ると言うことを知らないだけでリソースは自分の中にある
この感覚をインストールしたい
何かもうすでに知っているはずだから自分の中で探索すれば
自分には無理だ何か外からくれないとと思っていたのに
よく考えて何か使える物を

P131L12
「家族の扱いに関してですが~」
IP
家族の中で患者と見なされているだけで
家族そのものに問題があるケース

P131L16
「このプレゼント~」
この話だけでも聞いている人は何か受け取った気がする
聞き手に良い影響

この女の子は集団に溶け込めていない世界に絶望していると感じている
エリクソンは善意・好意を与えてくれる相手
こういう関係を他に広げる

プレゼントが紫なのはエリクソンが色盲だから

エリクソンは患者と恋愛関係に発展しない
ユング・フロイトは発展する
エリクソンはシステムだけ与える
自己否定ももたない
転移が起こりにくい
エリクソンはそう言うことに敏感上手に対処
好意を向けられたら、その好意はいずれ他の相手に向かうでしょうと暗示
セットでやる

P132~サリーの話

遅刻、服装
ここを突っ込んでくれると喜ぶ
乗ってくれる人は喜ぶ
いじられると嬉しい
エリクソンに向かって脚を組むのも誘い受け突っ込んで欲しい

サリーにとって特異なパターンを封じられる居心地が悪い
歪んでいるメンヘラ系
目立ちたいけど
男の娘の言うことを効きそうにない子

サリーの話し方のパターンにも注目
率直な人はエリクソンとのやりとりで混乱しない
いつものパターンでやればどうにもこうにも逃げ場が無くなる
今までのパターンを捨てる

P417~サリーの催眠誘導の解説有り参照

相補的―タテ関係
何か決定するときにどちらか一方に選択権
ワンアップワンダウンの組み合わせ関係が出来やすい
対称的―ヨコ関係
何か決定するときに双方の合意に則る

こうした分析はコミュニケーション学派
エリクソンの弟子が分析
エリクソンは使わない

エリクソンが「うーん・・・」と考えて居るところ
相手の世界の言葉を探して答えている?

相手の中にリソースが無いとき
情報を伝えて与える
受け取りやすい状況をつくる
どうやって?
問いを投げる
答えられないと思う答えられなくていい
困った状態になる
答え、伝えたいことを投げる

P420
「足を組んだ」
外に向く注意が内面に向く
コレを考えて欲しい
外は周りに起きていることに興味
足をほどくのは注意が内面に向く
ほどくか否か葛藤が起きる

エリクソンのルール
中に向いていたら外に出せ
外に向いていたら中に入れろ

重要なテーマ

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