「保険証廃止は拙速」資格確認書準備遅れ 岩手県保険医協会〜すべてがNになる〜
2024年7月19日【2面】
マイナンバーカードへの一本化に伴う健康保険証の廃止に伴い、地方自治体が国民健康保険証の代わりとなる「資格確認書」を発行するシステムの構築準備が遅れている実態が、岩手県保険医協会のアンケート調査で明らかになりました。
アンケートは5月20~31日に岩手県の全市町村に実施。資格確認書を「(保険証の)利用登録者以外のすべての人に送付」が16自治体、「すべての国保加入者に送付」が4自治体でした。国はマイナンバーカードに保険証の利用登録を行っていない人や、カードを持っていない人を対象に申請なしに資格確認書を送付する方針ですが、「原則申請があった人のみ送付」も3自治体ありました。同協会では「国の方針が行き届いていない表れではないか」と危惧します。
資格確認書の発行に対応したシステム構築を「検討している」は22自治体でした。一方、「国の財政支援がわからないと検討できない」が3自治体、「まだ検討していない」が3自治体、「内容が複雑すぎて、見通しが立たない」が1自治体、「わからない」が4自治体でした。
10月からマイナンバーカードの保険証利用登録の解除が可能になり、解除時に資格確認書を発行しますが、自治体では資格確認書の発行準備が遅れていることがアンケートからわかります。
同協会は「国が行き当たりばったりで方針を決め、スケジュールありきで進めている。自治体は業務がさらに増えて、住民サービスが行き届かない。保険証の廃止は拙速すぎる」と指摘しました。