経常黒字 過去最大に昨年度25兆円 貿易赤字が縮小〜すべてがNになる〜


2024年5月11日【経済】

 財務省が10日発表した2023年度の国際収支速報によると、海外とのモノやサービスの取引、投資収益の状況を示す経常収支は、25兆3390億円と過去最大の黒字となりました。貿易収支の赤字幅縮小が主因で、黒字額は比較可能な1985年度以降で最高だった07年度の24兆3376億円を上回りました。
 経常黒字額は前年度と比べ2・8倍となりました。訪日客の増加で旅行収支の黒字額が最高だったことも寄与しました。
 輸出は、半導体の供給制約が緩和した自動車が好調で2・1%増の101兆8666億円。輸入は、石炭や液化天然ガス(LNG)、原油の価格高騰が一服した影響で10・3%減の105兆4391億円でした。輸出から輸入を引いた貿易収支は3兆5725億円の赤字で、前年度と比べ赤字幅が8割縮小しました。
 輸送や旅行などのサービス収支は、2兆4504億円の赤字。訪日客数が前年度比3・4倍に増え、旅行収支は4兆2295億円と、過去最大だったコロナ禍前の19年度を上回りました。一方、ネット広告などのサービスの取引を示すデジタル関連収支は5兆5714億円のマイナスと、最大の赤字幅を更新しました。
 企業が海外子会社から受け取る配当金や利子の収支を示す第1次所得収支は、0・6%増の35兆5312億円の黒字でした。3年連続で過去最大を更新しました。
 同時に発表した24年3月の経常収支は前年同月比44・0%増の3兆3988億円の黒字。貿易収支が3カ月ぶりに黒字転換し、14カ月連続の黒字でした。(時事)


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