経済秘密保護法案 プライバシー丸裸自衛隊員の身辺調査では 同級生・釣り仲間まで…〜すべてがNになる〜

2024年4月9日【1面】

衆院で審議中の経済秘密保護法案には、民間人への身辺調査「セキュリティー・クリアランス(適性評価)制度」が盛り込まれています。個人のプライバシーがどこまで丸裸にされるのか―。防衛省・自衛隊による職員隊員への身辺調査の一端を見てみました。
 「政治、経済等の団体及び出身学校関係の親睦団体からスポーツクラブその他あらゆるものについて、現在過去問わず記入する」「あなたの交友関係の中で、あなたのことをよく知っている人を記入すること。関係については、『高校同級生』『元上司』等具体的な表現(とすること)」「関係は『高校時代の同級生』『釣りクラブの仲間』のように記入する」
 これは日本共産党国会議員団が2013年に入手した防衛省・自衛隊の「身上明細書」と、その記入方法を記したマニュアル文書(記入要領)です。
 (表2面)
 この文書は、2009年から国の行政機関で行っている「秘密取扱者適格性確認制度」という職員の選別制度で使われていました。
 この制度は、13年に国会で強行成立した特定秘密保護法に盛り込まれた身辺調査「適性評価制度」の参考となっています。
 身上明細書は、職員に書かせた19項目の個人情報をもとに、身辺調査の基礎資料とします。
 項目には「配偶者」「親族」「同居人」「外国人交友者」「負債」「所属団体」「精神面を原因とする治療又はカウンセリングの有無」などとなっています。
 配偶者が外国人の場合は「外国人登録証の両面の写しを添付する」とまで求めています。
 調査対象のあらゆる人間関係を書かせる内容です。一方で「記入に際しては、本人に問い合わせて確認してはならないが、努めて内容を記入する」とマニュアル文書は明記。自身が他人の身上明細書に書き込まれる危険があります。
 この身上明細書をめぐっては、日本共産党の赤嶺政賢議員が13年3月の衆院内閣委員会で取り上げました。当時の左藤章防衛政務官は「ご指摘の文書は、防衛省としては対外的に明らかにした文書ではないので、真贋(しんがん)を含め、お答えすることは差し控えたい」とのべ、否定しませんでした。


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