動物寓意譚

昨日の新曲の歌詞を以下

4曲目 
曲名まだ決めてない(三島命名仮タイトル「swandive」)

意味もなく死んだ蚕の群れは
飛べないことなど知らぬように
弾けていく観覧車からさかさまのきみは
飛べぬことを知らなかった

地球儀回した
ビルに跳ね返る機械の讃歌、愛を歌った
例えばぼくがピアノを弾くなら
目を見ず言うのさ
「愛を歌うな、誰もそれに触るな」
観客たちの表情歪むよ

映画は続いていく、また誰か殺して

観覧者動き出した

こわいものが溢れているよ
どんな歯車回したんだ?
旅客機の窓が開けられて
魚と鳥を選ぶ場面だ

そしてフィルムが止まった
ぼくは見た
愛を歌うきみを

オレンジ色の時計に
ファムファタールがぶら下がって
泥に染まる小指の先が
竜頭に絡まり回るらしい
巻き戻して!

幾重重ねて編んだところで
舞台の装置に意味はないのさ

想像に冒されて
面影に焦がれて
痛みに生かされていく

こわいものに抱きしめられて
どんな未来を期待したんだ?

観覧車ドアが開けられて
蚕の群れが逃げる場面だ

愛を歌わないで、誰も触らないで

翅抱え繭染めるきみが
意味もなく続く映画の中で
愛を歌った

5曲目
動物寓意譚(俺命名仮タイトル「牛殺し」)

赤色灯、血に良く似た
色彩すべて噛み合った触媒が、なれのはてに注ぐよ
太陽が眩しかった
最後は何も残らない、パズルをずっとしていたね

写り込んだおばけが
余白を飛び越えて
句点に逃げた

きみの栞の音聴こえていた、響いていたよ
差し込める様なページも無いのに
病の音、反響して、乾いていく
理由もなく、形もなく

証言台砂で満ちて、はみ出すきみの瞳孔が傾き、なれのはてと目が合う
太陽と錯覚した
最後は誰も答えない、クイズをずっとしていたね

地が終わり海の入り口まで
潜り込んだおばけが
心電図飛び越え
余白に逃げた

いまもきみの鼓動の波、震えていた、ぼやけていたよ
取り戻すような視覚も無いのに
立ち尽くした、細い足が、仕組みをいま
あふれるように、踏み潰した

たどってもたどっても
触れるには遠すぎて

春の日も夏の日も秋の日も冬の日も
同じものを見よう
喜びも悲しみもいたわりも苛立ちも
同じ場所に置こう
春の日も夏の日も秋の日も冬の日も
同じものを見よう
いつまでもどこまでも飽きるまで、果てまで
同じことをしよう

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